感情と思考、どちらが未発達? ユング「分析心理学」を読む


どうも、木村(@kimu3_slime)です。 カール・グスタフ・ユング「分析心理学」を読みました。 僕がユングについて興味を持ったきっかけは、友人がユング「タイプ論」を薦めてくれたことだったと思います。 ユングのタイプ論をベースにした性格診断テストは面白いので、ぜひやってみてください。僕は仲介者(INFP-A)でした。 フロイト・ユング・アドラーという3人の著名な心理学者のことくらいは知っておきたいなと思い、ユングの本をまず手にしてみました。 「分析心理学」はユングの講演録で、参加者とのディスカッションも含まれていて読みやすく、初学者におすすめです。 今回は、読んでいて面白かった心理機能(思考・感情・感覚・直観)の話、普遍的無意識の話を軽く紹介します。   思考v.s.感情? まず面白いなと思った主張が、「思考と感情は両立しないし、どちらが優れているというものではない」ということ。 その説明をする前に、ユングにとっての思考と感情の意味を確認しましょう。 思考(thinking)とは、ものごとが何であるかを教える機能です。 目の前の赤くて丸いものを見た時に、何かがあると目で感じるのが感覚で、それがリンゴであると判断するのが思考。 感情(feeling)は、これが面白い定義なのですが、あることがらがあなたにとってどんな価値(value)があるかを教える機能です。 「あいつは嫌な奴だ」という気持ちが湧くときは、その人が自分にとって害を及ぼす・役に立たないという価値判断をしているんですね。 理性的に合理的に考えた方が良いとされている現代人からすると、感情は非合理的なものとされがちですが、そんなことはない、と言ってくれてるのが安心感があります。 ユングは「価値を付与することは、重要な心理学的機能」と言っています。 真に理性的でありたいなら、感情を無視・軽視せず、コントロー……


記事を読む →

心のスイッチを押す「ミーム 心を操るウイルス」を読む


どうも、木村(@kimu3_slime)です。 リチャード・ブロディ「ミーム―心を操るウイルス 」を読みました。 ミームと言えば、もともとは生物学者ドーキンスが著書「利己的な遺伝子」の中で提唱した言葉です。 参考:「ミーム」の起源・ドーキンス「利己的な遺伝子」を読む 2017年現在、インターネット・ミームという言葉を耳にしますが、1997年に書かれた「ミーム―心を操るウイルス 」を読めば、ミームという言葉がどのように人々に捉えられているかわかると思い、読んでみました。   がっかりしたこと 正直なところ、読んでいてがっかりした!(読む意味がないとは言ってない) まずはそれを述べてみます。 この本は、「ミーム学」なるものを提唱しています。 マインド・ウイルス、そしてミーム学全体が、心の科学という分野に大きなパラダイム・シフトを起こしている。 引用:ミーム―心を操るウイルスp.14 パラダイム・シフトとは、天動説から地動説への転換のように、科学における根本的な仮説が変化することを指す言葉です。 自ら提唱する学問を、パラダイム・シフトと呼ぶのは傲慢が過ぎる。「あの発見が、ものの見方を変えた」その評価は、後世の人が与えるものではないでしょうか。 これまた腹立たしいのが、「ミーム学は革新的な科学的アイデアだ。それは最初無視され、あざけられ批判される。こうして受け入れられていくのだ」と、新しいパラダイムに対する一般論で、自説をもっともらしくみせようとしている。 ここで著者リチャード・ブロディの経歴を見ると納得しました。 そもそも、生物学・心理学の専門家ではないんですよね。1981年生まれで、マイクロソフト社に入社経験がある著述家。著書は「Getting Past OK(後悔はやめよう)」で、セミナー「Your Life’s Work(あなたのライフワーク)」を開く……


記事を読む →

「ミーム」の起源・ドーキンス「利己的な遺伝子」を読む


どうも、木村(@kimu3_slime)です。 リチャード・ドーキンス「利己的な遺伝子」を読みました。 もともとは「ミーム」という言葉の起源を知りたくて読んだのですが、ミームとは関係なく、進化論の話として面白かったです。 現在のネット上においてミームは専らインターネットミームのことを指していて、ネットスラング・テンプレネタ・定型を意味するものとして使われています。 今回は、ドーキンスの進化論の中で、どういった流れでミームという言葉が登場したのかまとめたいと思います。   ダーウィン進化論の分子的・遺伝子的焼き直し 「利己的な遺伝子」は、ダーウィンの進化論を捉え直した本です。 進化論のメインの考え方は、自然淘汰・自然選択説(natural selection)。進化が起こるメカニズムは、環境に合った変異を持った個体が子孫を残すという捉え方です。 キリンの首が伸びたのは、個々のキリンが首を伸ばそうとしたからではなく、たまたま首の長いキリンが生まれ(突然変異)、それが草原での環境に合っていたから生き残ったということ。 ダーウィンが「種の起源」を書いた時期は、メンデルの法則のような遺伝に関することが一般には理解されていませんでした。 ドーキンスは、ダーウィニズムを分子・遺伝子レベルで再解釈したと言えるでしょう。   遺伝子は一種の「自己複製子」 ミームの話に行く前に、ドーキンスの進化論の概要をまとめておきましょう。 人はなぜ存在するのか。地球にはどうやって生命が誕生したのか。その問いに、ドーキンスは「自己複製子(self-replicator)」という概念を使って答えます。   約40億年前、地球には何の生物も存在せず、原始のスープと呼ばれる海が存在したと言われています。 水、二酸化炭素、メタン、アンモニアのような単純な分子はあったでしょう。これらの物……


記事を読む →

神の救いを求める禁欲から、資本主義は生まれた 「プロ倫」を読む


どうも、木村(@kimu3_slime)です。 ヴェーバー「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神(略称:プロ倫)」を読みました。 もともとウェーバーは社会学の第一人者として有名だったので知っていて、「職業としての学問」は前に読んで面白かった記憶があります。 最近はブルデュー「資本主義のハビトゥス―アルジェリアの矛盾」を読み、資本主義にまつわる思想をはっきりと知りたくなって、プロ倫を読んでみました。 400ページ近く長い本ですが、ヴェーバーはまだるっこしいながらも間違えず慎重に話を進めていくので、わかりやすく面白い本でした。なので紹介しつつ、考えたことを書いてみます。   「プロ倫」の要約 自分なりに本の内容をまとめてみます。 タイトルに資本主義とあるように、この本は「(近代)資本主義がいかにして発生したか」を解き明かそうとするものです。 その起源には、金銭を得ようという欲望ではなく、禁欲を実践するプロテスタント(キリスト教の一宗派)の倫理があった、という主張。「本当??」って感じですよね。 解き明かそうとしている資本主義の精神の例として、アメリカ建国の父:ベンジェミン・フラクリンが挙げられます。彼は「時は金なり。信用は金なり。」と、時間の使い方や日頃の行いを、お金に変えるように主張していますね。 このような精神が生まれる最初のきっかけとして、マルティン・ルターの天職という概念が挙げられます。ルターは中世の聖職者で、のちのプロテスタントの源流となり、宗教改革を起こした人ですね。 天職というのは、もとはberuf(ベルーフ)という言葉。日本語の天職だと、単に自分にぴったりの職業という意味で捉えられそうですが、神の召命としての職業というニュアンスがあります。英語で言うcallingに近いですね。ルターは聖職の翻訳にあたって、この天職という概念を輸入したんですね。 ……


記事を読む →

文化は人を集め、また排除する 「資本主義のハビトゥス」を読む


どうも、木村(@kimu3_slime)です。 ブルデュー「資本主義のハビトゥス―アルジェリアの矛盾」を読みました。 もともと僕は、はてなブログやTwitterで使われていた文化資本という言葉の定義・文脈を知りたくて彼の本を手に取りました。 ですが、この本では残念ながらその言葉は登場しませんでした。文化の再生産・文化資本については、再生産 〔教育・社会・文化〕に載っているのでしょう。   どんな本? 「資本主義のハビトゥス―アルジェリアの矛盾」は、フランスの社会学者ブルデューが、当時フランスの植民地であったアルジェリアに実際に赴いて行ったインタビュー調査などをまとめたものです。 中身は結構読みにくいのですが、あらすじを僕なりにまとめるとこうでしょうか。 植民地化によってアルジェリアには新しい経済システム(資本主義)が強制的に持ち込まれたわけです。しかしながら、そのシステムはアルジェリアに住む伝統的な暮らしをする人にとって飲み込みがたいハビトゥス(意識されなくなった習慣)を要求してきます。 例えば、生活に必要なものは物々交換で手に入れていたのが、貨幣を使うことに切り替わり、お金を使い果たしてしまう。土地が自由に売買できるようになって、貧しくなった人は持っていた土地を失い、したがって農業ができなくなり、職を失う。また、アパートに住むには家賃を毎月払わなければならず、適応できなければスラム暮らしになる。経済システムが置き換わっても、住んでいる人々の習慣(ハビトゥス)は、そう簡単には変わらず、適応するのに苦戦するわけです。 つまり、新しい経済システム(資本主義)に対して、アルジェリアの労働者の習慣や思想が適応していく過程を調査をもとに論じていく本ですね。 アルジェリアでは1954年から1962年にかけて独立戦争が行われていて、まさにその革命を目指そうとする真っ只中の声を拾……


記事を読む →

ニコニコ動画・「例のアレ」が全部わかる記事まとめ
スマホでアニメを合法・無料で視聴できる動画配信サービスは?

ニコニコ動画の面白キケン地帯「例のアレ」とは?

例のアレ 淫夢 クッキー☆ ホモと見るYoutuber 淫夢派生ネタ
MAD全般 Twitter にちゃんねる・ふたば ハセカラ 考察記事

ニコニコ動画 ニコ動初期 ボカロ・ボイロ
御三家+α(萌え系) 二次創作ガイドライン
ゲーム実況 ポケモン実況 スプラトゥーン実況 東方Project

本の紹介 哲学・宗教・人文社会学 数学・自然科学 ウェブ・ビジネス書
オピニオン 文脈ゼミ 文脈ラジオ