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数学のプレゼンをするときに気をつける2つのこと

 

ぼくは数学を専攻して、研究室に所属している。研究室としての活動で主なものは、ゼミ、セミナー、雑誌会と呼ばれる活動だ。

 

ゼミ発表をするうちに、授業ではあまり気にされなかったけれど、うちの研究室では厳しく指摘される部分があることに気がついた。

  1. 図を数学的に誤りのないように書く
  2. 混乱させる表記を使わない

当たり前と言えば当たり前なことだが、徹底させるためのは容易ではない。

この二つがどうして大事にされるのか。少し掘り下げてみよう。

 

図を数学的に誤りのないように書くこと

数学の回答では、図や絵を書いて説明する機会が少ない。図を書いて考えることはあるが、それは回答には書かないことが多い。

けれど、実際の数学活動では、図やイメージを書かないと、何が確かなことして言えそうなのか想像が難しいことがある。

そこで、図を書いてみるわけだが、これはいい加減にも書けてしまう。

説明のために、絵を書いてみた。

quadratic

左の図では、y=(x-1)^2+3 のグラフであるかどうかがわからない。横方向が何なのか、縦方向が何なのかすら示されていない。頂点がどこを通っているか示されていない。y=x^2 かもしれない。

そこで、右図のように、軸と頂点を指し示す。

数学的に間違っている絵を書いていても、イメージだからいいじゃないかと見過ごしてしまうことがある。

 

なぜ、曖昧なイメージで考えていてはいけないか。

まず、人に通じない。黒板に書いてみても、共通する言語として使えない。

そして、数学的に理解していることと、視覚的に理解していることがずれてきてしまう。

不正確な図を受け入れることで、わかるはずのことが、わからなくなってしまう原因となるのだ。

数学的な状況を、図に表現しようとする過程で、わかっていなかったことに気づくことはよくある。



混乱させる表記を使わないこと

数学では、アルファベットなどの大文字小文字を使う。

中学生くらいから、文字を使った計算がはじまるだろう。

1,2,3…といった具体的な数ではなく、文字を使ってそれらを代表させることで、多くのケースを一度に扱うことができるのだ。

大学で数学をしている人は、多くの文字種を求め、太字、ギリシャ文字、ドイツ文字などを活用する。

そうなると、使う文字がたくさんになって、どれがどれを意味しているのか、わからなくなってくることがある。

またまた説明のために、例を手書きした。

 

notation

自然数を代表する文字として、 n という文字がよく使われる。

左の図では、空間次元を表す文字と、数列の番号を表す文字として、ともに n を用いてしまっている。

どちらも、自然数ではあるのだが。同じ文字を使ってしまっては、本来違う値であるはずのものを、同じ値を表すことにあってしまい、混乱する。

右の図では、空間次元を N、数列の番号を n と表した。こうしておけば、間違った表記ではなくなり、理解しやすくなる。

 

どうして、混乱させる表記を使わないようにするのか。

黒板で発表する前に、どんな記号を、何に割り当て、どんな順序で導入するか考えておく。それをすることで、シンプルに説明ができる。

また、表記は、数学を理解する上でも基本的な役割をする。

文章題を、連立方程式の問題に置き換えることなどがその例で。

同じことを、違う表記で言い換えるだけで、問題が解決することさえある。

どんな観点から、数学的対象を理解しようとしているのか。それをはっきりさせておくということが、表記に注意するということだ。

 

考えていることを、正確に表現する。

その表現を大切にすることが、抽象的なことを理解をするために重要なことなのだ。

 

今回は、数学よりの話を、一般向けに広げたつもりで書いた。むずかしかっただろうか?

あなたの趣味、仕事などでは、何が大切だと言われているだろうか。

知っていたら、教えてくださるとうれしいです。

 

あなたの反応をお待ちしております。

木村すらいむでした。

ではまた。