バーチャルYouTuber文化論 【最新版】なぜブームに? 理由を徹底解説!

目次

はじめに

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「バーチャルYouTuber文化論」とは?

バーチャルYouTuber」という言葉を聞いたことがありますか?

生身の人間ではなく(バーチャル)キャラクターとして、(YouTubeなどで)動画や生放送をする人々・ジャンルの総称です。

アニメのキャラクターや、初音ミクのようなキャラクターが、生きている人間のように話すんです!

「バーチャルYouTuber」は、2017年12月からネット上で爆発的に流行りだし、雑誌やテレビと、話題はネットの外側、あるいは日本の外側(世界)にまで広がってきています

2018年1月時点では100人でしたが4月では2000人と、3か月で20倍も成長し、その勢いは衰えません

約15年インターネットに浸ってきたネット好きの僕が、2018年の今もっとも楽しみながら注目しているコンテンツです。

 

この文章は、次のような想定の人に向けて書いています。

  • ネットに詳しくない人:「バーチャルYouTuberとは何なのか」がわかるように一から説明します。知識はなくても大丈夫!
  • 「すでに少し知っているよ」という人:バーチャルYouTuberについて、より体系的に理解し、まだ知らない友達におすすめ(布教)するきっかけを与えられればと思います。
  • 「バーチャルYouTuberに詳しいよ、生きがいだよ」という人:第1部入門編は飛ばしても良いかもしれません。第2部・文化編をぜひ読んでいただきたいです。

 

「バーチャルYouTuber文化論」を通じて伝えたいこと

この文章は、「バーチャルYouTuber」をひとりひとり紹介するだけの文章ではなく、「バーチャルYouTuber」に集まる人々の動き、すなわち文化も描き伝えたいと思っています。

バーチャルYouTuberが流行った背景のひとつには、バーチャルYouTuberを題材にした動画やイラスト(ファンアート・MAD)がネットで拡散されたことにあります。

オリジナルとなるキャラクターを参考にして作られる作品は、一般に二次創作と呼ばれます。

二次創作が、公式側にオープンに認識・拡散されるのは、バーチャルYouTuber以外のジャンルでは珍しいことです。

バーチャルYouTuberブームを作り上げているのは、動画や生放送をしているバーチャルYouTuber本人だけでなく、イラストや動画を作成し、みんなで楽しむ空気を作り上げているファン自身でもあります

みんながネット上で作り上げるコンテンツという、文化的な側面もこの本では重視して紹介していきます。

それでは、めくるめくバーチャルYouTuberの世界へどうぞ!

 

第1部 バーチャルYouTuber入門

第1章 バーチャルYouTuberとは?

バーチャルYouTuberって、なに?

バーチャルYouTuber、略してVTuberとも呼ばれますが、その活動は主にネット上の動画で見られます。

世界最大の動画共有サイト「YouTube」で「バーチャルYouTuber」と検索すれば、約2万件を超える動画が出てきます。

まずは、元祖バーチャルYouTuberのキズナアイさんを紹介しましょう。彼女は世界的な人気を誇り、チャンネル登録者は170万人を超えています。

「キズナアイ」と検索し、A.I.Channel(アイチャンネル)にアクセス。

動画一覧から人気順でトップの動画、300万回以上再生された「体力測定をやってみる!を見てみます。

「はいやっほー! みんな見てる? バーチャルYouTuberのキズナアイです!」という挨拶の声とともに登場するのは、頭にピンクのリボンをつけた女の子。

YouTubeに面白い動画を投稿し続けるYouTuberは、HIKAKINさんに代表されるように、これまではリアルに顔出しをするのが当たり前でした。

画像引用:鬼から電話がかかってきた。。。

キズナアイさんは、顔を出してはいますが、肉体ではなくバーチャル・キャラクターなのです。

「アニメ風の絵かな?」と思いきや、人間のように腕をぶんぶん振り回して、人間のように話していますね。

その後は体力測定で、めちゃくちゃ体を張って苦しそうな表情を浮かべたりします(笑)

画像引用:体力測定をやってみる!

キズナアイさんは、自分自身を「二次元」「バーチャル」または「AI(人工知能)」と言っています。アイちゃんという名前は、AIから取っているわけですね。

 

バーチャルYouTuberは、キズナアイさんだけではありません。現在、2000人以上いると言われています。

けもの耳の小さな女の子が登場する「バーチャルのじゃロリ狐娘YouTuberおじさん(通称:のじゃロリおじさん)」を見てみましょう。属性てんこもりの長い名前。

画像引用:それはとっても世知辛いなって【002】

のじゃロリおじさんは、キズナアイさんのようなAIではなく、狐娘です。

動画を再生すれば女の子の声が聞こえるはず……と思いきや、男性(おじさん)の声!

ぜひ動画を開いて聞いてほしい(文字にしても伝わらない)のですが、おじさんがかわいい狐娘になって「のじゃ~」としゃべっているのです。

「本職はコンビニバイト」と語り始め、自分の時間でやっているVRや3Dはお金にならない、掃除をしたりレジを打ったり挨拶することの方がお金になる……。そんな状況を「世の中、世知辛いのじゃーーーー!」と嘆きました。

ちなみに、バーチャルYouTuber活動が人気になったことがきっかけで、のじゃロリおじさんは3D・VR関係のお仕事をしているようです。

 

バーチャルYouTuberといっても、動画ばかりではありません。

たとえば、キャラクターになって配信できるアプリ「にじさんじ」の公式バーチャルライバー・月ノ美兎(つきの みと)さんは、配信・生放送を中心として活動しています

放送の予定はTwitterで事前にお知らせされ、人気の放送では同時に3-4万人もの視聴者が集まっています(2018年4月時点)。

画像引用:月ノ美兎の放課後ラジオ #1

月ノ美兎さん、にじさんじのメンバーは、生放送主体というだけでなく、2D風のキャラクターなのも特徴です。

人気なバーチャルYouTuberは3Dが多いですが、2018年に入ってからは2Dで人気な人もたくさん出てきました。

 

もしバーチャルYouTuberを見ていて気になるチャンネルがあったら、ぜひチャンネル登録(フォロー)して追いましょう。

関連動画を見ていって、好きなバーチャルYouTuberを探すのも良いですね。

同時に、Twitterをフォローするのを強くおすすめします。バーチャルYouTuberはTwitterが面白いんです!

画像引用: Kizuna AI@Virtualの住人 @aichan_nel 

というのも、動画だけでは見られない普段の性格が見られるし、ファンとコミュニケーションしやすいのはTwitterだからです。

また、ファンアートを本人がリツイートすることも多く、イラストを通じてそのバーチャルYouTuberのことがわかる楽しい場所になっています。

 

仕組みと技術

バーチャルYouTuberは、どうやって作られているのでしょうか?

音声については、魂となる人間(中の人)が声を出しているか、ボイスチェンジャーを使うか、音声読み上げソフトを使っているか。そのいずれかです。

 

問題は、動き・アニメーションですね。

3Dの場合をまず考えてみましょう。簡単に言えば、身体の動きを機械で読み取って、それを3Dモデルに反映させているのです。

その機械で読み取る装置を、モーションキャプチャーデバイスといいます。


画像引用:第161回 「動作」を記録する、モーションキャプチャの技術 – TechMag

身体の関節など動きの特徴となる部位の「位置」「動き」を記録することで、人間の動きそのものを3Dモデルに反映させられるわけです。

代表的なVR機器は、Oculus Rift(オキュラスリフト)やHTC Vive(ハイチティーシー・バイブ)でしょうか。5万-15万円程度。

全身を細かくモーションキャプチャできるPERCEPTION NEURON(パーセプション・ニューロン)は、約20万円です。

画像引用:人気上昇 バーチャルユーチューバー – NHK NEWS WEB

また、キャラクターに表情をとらせるときには、モーションキャプチャーデバイスだけでなく、カメラと顔認識ソフトも使われます。

有名な顔認識ソフトはFaceRig(フェイスリグ)です。また、iPhone Xには顔認識システムとARプラットフォーム「ARKit」を使った、より高度な表現ができるアプリもあります。

FaceRigは、普通のスマホ(iOS/Android)で使える無料のアプリがあるので、これだけはぜひ試してみてください! 自分の顔に合わせてキャラクターの顔が動くという体験は、新鮮で面白いですよ。

3Dモデルは、ゲーム開発プラットフォームUnity(ユニティ)をベースとし、3D制作ソフト・Blender(ブレンダー)またはMetasequoia(メタセコイア)で作られていることが多いです。

ハイクオリティな3Dモデルは、プロの方が制作していると思われます。しかし、個人・独学でも3Dモデルを作っているはもいますね。

 

また、2DのバーチャルYouTuberは、3Dに比べると作れる人が多いです。

誰でもバーチャルアイドルになれるアプリ「にじさんじ」の公式メンバーのモデルは、イラストをベースに立体表現ができるソフト・Live2D(ライブツーディー)を使って作られていると思われます。

画像引用:Live2D

後で紹介しますが、バーチャルYouTuberのブームを受けて、もっと簡単にバーチャルYouTuberになれるアプリも登場してきています。

 

第2章 代表的なバーチャルYouTuberとその二次創作ネタ

バーチャルYouTuber四天王と呼ばれる5人(!)の人気バーチャルYouTuberがいます。

まずはこの5人と「委員長」を知れば、バーチャルYouTuberの魅力や、どんなタイプが自分に合うかわかるでしょう。

オフィシャルなイメージと二次創作・ファンに人気なネタ、その両方を紹介します!

 

四天王+委員長

キズナアイ

「はいどうも!」という元気な挨拶で動画を始めるのは、バーチャルYouTuberの先駆けとなったキズナアイさん。

2016年12月から活動をはじめ、一番最初にバーチャルYouTuberという肩書きを名乗りました。2018年4月時点でのチャンネル登録者数は170万超えで、全バーチャルYouTuber中トップです。

画像引用:体力測定をやってみる!

頭にぴょこっと生えたピンクのリボンが特徴の女の子。ファンからは、アイちゃんと呼ばれています。

ただの女の子ではなく、自分自身のことを、AI、二次元、バーチャルな存在だと言っています。

自分自身は人間でないからこそ「人間のみんなと友達になりたい」という目標を持ち、そのためにYouTuber活動中。応援したくなります。

2018年3月からは、日本政府観光局(JNTO)の訪日促進アンバサダーに就任し、世界中に影響を与えています。

 

後輩のバーチャルYouTuber・輝夜月(かぐやるな)さんは、アイちゃんのことを(一方的に)親分と呼び、慕っています。

画像引用:AIが一言物申す!

「親分親分っていっつも言ってきて!!」と怒りっぽい口調でありがら、続けて「ホンットかわいいな!」とまんざらでもないようすのアイちゃん。

輝夜月さんだけでなく、さまざまな後発バーチャルYouTuberさんの情報をキャッチして応援していくアイちゃんは、まさに親分肌ですね。

 

また、アイちゃんは、自称「インテリジェントなスーパーAI」。いつも自信満々でいろいろなことにチャレンジしていますが……。

ゲーム中のなぞ解きに失敗して怒り、主人公の発言につられ思わず「ふぁっきゅー」と言ってしまう場面も(笑)。

画像引用:【BIOHAZARD 7 resident evil】#19 楽しいビデオ鑑賞会! パーティ前夜!

 

「漢字検定で無双する」といいながら、難しくなってくると間違えてしまうアイちゃん。それでもわかっているフリをして、どう見ても答えを調べながら回答します(笑)。

画像引用:キズナアイの漢字検定無双!

そんなようすががかわいく、ポンコツAIとして愛されています。

そもそもなぜキズナアイさんが人気になったのかは、のちに詳しく紹介したいと思います。

 

ミライアカリ

「ハロー、ミライアカリだよっ!(ピロリン)」と腕を曲げて挨拶するのは、ミライアカリさん(アカリちゃん)

2017年10月から活動をはじめ(前身は2014年から)、2018年4月時点でのチャンネル登録者数は50万超え。

画像引用:【欲望全開!!!】ポチポチしてみた結果【MiraiAkariProject#003】

金髪サイドテールで、頭に青いちょうちょのようなリボンをつけているのが特徴。

胸のふくらみが揺れるし、ちょっとお色気要素もあります。(アカリちゃんの生みの親は、6000万円(!)かけてリッチな3Dモデルを作ったと言われています)

 

普段は標準語ですが、ときどき漫才・芸人っぽいノリになって関西弁が出てくるのが面白いです。

不特定多数の人と通話できるアプリ「斉藤さん」を使って、「ミライアカリを知っている人を探せ」という企画ですが、アイちゃんに勘違いされ撃沈(笑)。(2017年11月の動画で、まだあまり知られていない時期だった)

画像引用:【斉藤さん】初体験!あなたと繋がりたい!!【MiraiAkariProject#006】

 

アカリちゃんは、じつは笑わせるだけでなく、影で努力をしていると感じます。

それがうかがえるのが、Twitterでのエゴサーチ(自分に関する情報を検索すること)

一部のファンからは、サークル内の紅一点を意味するスラング「オタサーの姫」をもじり、「エゴサーの姫」と呼ばれています。

僕がはじめてバーチャルYouTuberについて知り、少しずつTwitterアカウントを知るなかで、はじめてフォローしてくれたのがアカリちゃんでした。

忙しい中でリプライにもお気に入り(ふぁぼ)してくれたり、あのアカリちゃんと「コミュニケーションできるのすごい!!!」と感動した記憶がありますね。

 

輝夜月

「こんちわっす! 輝夜 月だよ!」とくだけた調子で話すギャル系の後輩キャラ、輝夜月(かぐやるな)さん。月ちゃんとも。

2017年12月からの活動ですが、すでにチャンネル登録者数は60万。僕は「バーチャルYouTuberブームの顔」だと思ってます。

画像引用:老化防止対策してないとかマ?!

月という名前ですが、キャラクターは太陽のように輝きを放っています。

「夢はみんなを笑顔にすること」そんな月ちゃんの特徴は、テンポの良い気さくなトーク

 

気さくというか、もう頭のねじがぶっとんでいるのか、と思うくらいハイテンション!

「おはよおぉぉぉぉ こんにちはあぁぁ こんばんはあぁぁ おやすみいいぃぃ 起きてえぇぇえええええ!!」という目覚ましのような挨拶は、これだけでネタとして人気になりました。

画像引用:老化防止対策してないとかマ?!

実際、アイちゃん(親分)がはじめて動画で月ちゃんの紹介をしたときも、「おきてえええええええ」のモノマネをしています。(目があっちイっちゃってるのも高評価)

画像引用:AIが一言物申す!

 

また、子供が好きなアニメキャラクターのモノマネが得意。

早口言葉ができないときも、ドラ○もんの言い方だと言いやすいと、「新進シャンソン歌手総出演新春シャンソンショー」をドラ○もん風ボイスで何度も、首を振り回し目線がうつろなまま繰り返します。

画像引用:老化防止対策してないとかマ?!

そんなはちゃめちゃだけど元気の出るトークはネットの一部で急激に話題になり、「ストロングゼロの擬人化」「見るコカイン」、少し苦しそうな声質から「首絞めハ○太郎」と呼ばれました。

 

月ちゃんはTwitterでも面白い。

一部の月ちゃんファンは、動画をスクリーンショットしてTwitterのリプライにスタンプとして使っていました。

画像引用:Twitterが面白くなる方法をみつけたんだがwwwwww

それを見た本人は、リプライでぜひ使ってほしいと公式に画像を配布

「それは竹www」「めずらし!! 喋れるゴリラだ!!」「みてみて!! コレ、エビ!!」など、一見すると意味も用途も不明に見えるスタンプを配り、月ちゃんを通してTwitterを楽しむことを応援しています。

最近では待ち受け画像も無料で配布していて、月ちゃんの遊びにまきこまれています(笑)。

 

電脳少女シロ

電脳少女シロ(でんのうしょうじょ しろ)さんは、その名の通り白い髪のバーチャルYouTuberです。頭のてっぺんからぴょこんと跳ねたアホ毛がチャームポイント。

2017年8月頃から活動し、チャンネル登録者数は40万人超え。

最初の自己紹介動画では、「アイドルになって武道館でコンサートをすること」が夢だと語っていました。

しかし、Amazonでほしいものはクレイモア地雷、好きな銃はAKMと、対戦シューティングゲームが好きなようす。

 

人気動画は、100人が1つの島に降り立って戦うバトルロワイヤルゲーム「PUBG」の実況動画。

「はじめて人を殺(や)りました 嬉しいです」と喜び、その場所を「聖地」と呼んでいます。おそろしい……。

画像引用:【PUBG初実況】シロの初出撃です!!予想外の美味しい結果に‥!

最初の方はアイドルらしい清楚な声でシロちゃんとして話しているのですが、たまに「聞き間違いかな?」と思うくらいの不穏な発言や、敵と遭遇した時のひそひそとした地声が、ギャップになって面白いんです。

シロちゃんはほかのバーチャルYouTuberと比較してもゲーマー的で、対戦ゲームで人を倒すことに情熱を注いでいます。だから戦闘用AIでも、サイコパスでもないんですよ、いいね?

 

また何といっても、シロちゃんの最大の特徴は、「キュイ」というイルカのような引き笑い

画像引用:【女子実況】裸で釜に入って登山したらひどい結果に….【Getting Over It】

はじめて聞いたときはとても笑い声とは思えず、イルカの声にしか聞こえなくて、何度も笑っていました。

青っぽい服装ともあいまって、シロちゃんはシロイルカとも呼ばれています。

 

シロちゃんは、ニコニコ動画にも公式に動画をアップし続けています

そのため、「シロちゃんの動画は為になるなぁ」「ぱいーん!」「ね゛え゛え゛!」などシロさんが好む発言がシロ語録として認識され、シロ組と呼ばれるファンができあがってきました。

シロちゃんと同じ事務所に所属する男性バーチャルYouTuberばあちゃるさんや、次いで紹介するねこますさんとのコラボは、シロ組さんたちにも親しまれています。

画像引用:お絵かき企画でバーチャルYouTuber3人コラボ!!【シロの日】

ばあちゃるさんを普段から「馬」とじゃけんに扱いつつ、「馬なのに親面しないで!!」からの小声で「ありがと……」!!

シロちゃんはツンデレかわいいなぁ!

 

のじゃロリおじさん

見た目は、けもの耳の生えた小さな女の子。そんな子が、四天王の中でも異色の存在、のじゃロリおじさんこと、ねこますさんです。

2017年11月から活動、チャンネル登録者数は25万超え。

画像引用:バーチャル狐娘YouTuberおじさん。はじまります。【001】

何が異色かというと、動画を聞けばわかりますが、普通の男性の声(おじさん)なのです。ボイスチェンジャーなどは一切なしの、肉声。

それでいて、「のじゃー」という口癖だったり、ポッキーゲームをしたりワキ握り(わきでおにぎりを作る、やけにうまい)をしたりするんですよ……(笑)。かわいい……でも男……でも声もかわいい?

のじゃロリおじさんは、2017年12月に書かれたにゃるらさんのブログ記事「キミは「バーチャルのじゃロリ狐娘YouTuberおじさん」を知っているか!?」をきっかけに、広く知られていきました。

 

本職はコンビニ店員と2回目の動画で明かすのじゃロリおじさん。

趣味でVR機器を買って3Dモデルを作って活動しても、お金にならない。

それよりかは、掃除やレジ打ち、ベテランのおばさんに挨拶無視されることが人生において重要とされてしまう。つらいから泣きたいのに、アニメーションが用意されてないから泣くこともできない。

そこで出てきたのが「世の中、世知辛いのじゃーーー!」という叫びです。バーチャルなのに、とても切実な叫びが、僕の心をつかみました。

画像引用:それはとっても世知辛いなって【002】

バーチャルYouTuberの活動が評価されてからは、コンビニの店員ではなく、3D・VR関連のお仕事をしているようです。

参考:なぜオッサンはかわいいに憧れるのか 「バーチャルのじゃロリ狐娘YouTuberおじさん」独占インタビュー(前編)  – PANORA

 

他の3DバーチャルYouTuberの多くが企業がバックにあるのに対し、ねこますさんは個人ですべて開発しています

「えっ、バーチャルYouTuberって普通の人もなれるの?」「やってみよう」と思ったきっかけとして、ねこますさんを挙げる方は多いです。

0よりも0.1というか、回して出ないよりガチャよりも回して出るガチャってことじゃな(やらなければ、はじまらない…)

引用:嵐を呼ぶ VRけもみみ帝国の野望【004】

ホームページでも、バーチャルYouTuberになるための技術的知識や、勉強の仕方、考え方を公開していて、バーチャルYouTuberの一般化に大きく貢献した人だと思っています。

また、早い段階からVRChat(自作の3Dアバター・世界で生活できるSNS)をおすすめし、バーチャル生活の可能性を説いてきました。

 

ねこますさん個人としては、とにかくけもの好き

YouTubeのチャンネル名も「けもみみおーこく国営放送」で、けもみみの世界がバーチャルにできることを目指して活動し続けています。

同じくけもみみの女の子バーチャルYouTuberのらきゃっとさんのことが、本当に好きなようす。

のらきゃっとさんが新3Dモデルを着て、VRChat上で話せるようになったシーンは胸が熱くなります。

そのようすを後ろから見ているのが、モデルを制作した魔王ヘルネスさん(Rileyさん)ですね。

画像引用:新生のらきゃっと前半 side ねこます【027】

1年以上の付き合いはあったけれど、動画越しにのらきゃっとさん見るのは、小窓から世界をのぞくようなもの。

「同じ空間にいて会えること」その貴重さ、ありがたさ、嬉しさが動画を見ていると感じられます。

(いや、本当の意味では、ヘッドマウントディスプレイをつけてVRChatに行って会わなければわからないのかもしれませんね)

 

月ノ美兎委員長

さて、人気バーチャルYouTuberといえば、ここまでで紹介した四天王5人が触れられることが多いです。

僕はここに委員長こと、月ノ美兎(つきの みと)さんを加えたい。

画像引用:にじさんじ公式バーチャルユーチューバー 8人始動!

彼女は、2018年2月から活動し、四天王と並ぶ勢いで人気になってきたバーチャルYouTuberです。2018年4月時点でチャンネル登録者数は17万超え。

アニメキャラクターになって配信できるアプリ「にじさんじ」公式バーチャルライバー8人のうちのひとりです。

静凜(しずか りん)さん、樋口楓(ひぐちかえで)さんと合わせてJK組を名乗っていますね。

美兎さんは、16歳の高校生で学級委員長。一人称は「わたくし」、挨拶は「起立!気をつけ!」というしっかりした清楚なキャラクター。

 

の、はずが……。

生放送をしているうちに、「クソ」と言ったり、「ン゛ン゛ッ」と咳払いが汚かったり、その隠しきれない本性が明らかにされていきます。

画像引用:10分で分かる月ノ美兎【にじさんじ公式】

「ムカデ人間」や「サイコ」などサブカル映画に詳しくヨーロッパスタジオクソゲー(神ゲー)をプレイしていることから、サブカルクソ委員長(サブカルクソムカデ)というあだ名がつけられました。

ゲームプレイに熱中し、ついには自分の顔を非表示にしてまで生放送をする……、そんなときにふいをついて出た言葉「これがバーチャルYouTuberなんだよなぁ」は名言として語り継がれています。

画像引用:10分で分かる清楚系委員長

 

洗濯機の上にパソコンを置き中腰で配信、スマホの待ち受けは高橋真麻さんのLINEニュースのキャプチャ画像、小学校の頃は校庭の雑草を食べてコンプしていたなど、変人・個性の塊のような人物ですが、委員長の魅力はそれだけではありません。

視聴者・リスナーの反応を、うまく配信内に取り入れるのが上手なんですよね。委員長個人だけでなく、ファンの活動も合わせた魅力があり、楽しめるんです。

さきほどの名言「これがバーチャルYouTuberなんだよなぁ」は、生放送でのコメント「キャラ捨ててクソゲー取ったぞこいつ」を受けてのものでした。

大量のコメントの中から、普通は拾わなそうなちょっと汚い言葉を選んでネタにしている。これは偶然ではありません。

その後も、委員長のエピソードをもとにファンが作ったゲーム「ザッソウイーター」を配信したり音MAD用の素材として「おるやんけ」と発言したことがきっかけで実際にMADが作られたり声素材をもとに「Moon!!」というオリジナルソングが作られたり

その最たるものは、2018年4月の「月ノ美兎の放課後ニコ生放送局」です。

今までずっと2Dとして活動してきた美兎さんでしたが、ファンが作った3Dモデルで登場するというサプライズ! もうなんか泣けてきます。

画像引用:月ノ美兎の放課後ニコ生放送局

委員長のパフォーマンスだけでなく、委員長が好きな人が作ったものを見てみんなで楽しめるって、すごくすてきな時間なんですよね。

 

ファンの創作を公式に取り入れやすくなる仕組み「にじさんじCREATORS」も始まり、ファンが公式に関わりやすくなっています。

 

全体で2000人以上・自分にとっての「バーチャルYouTuber」を見つけよう

四天王5人と委員長を知ったら、あとは自由に自分の好きなバーチャルYouTuberを探すのをおすすめします。

 

バーチャルYouTuberの総数は、1月中旬には100人程度でしたが、4月中旬には2000人まで増えてきました

猫宮ひなたさんのように、新人であっても急激にチャンネル登録者数が伸びることも。

つまり、勢力図はガラッと変化することがあるんですね。

バーチャルYouTuberたちのチャンネル登録者数の変化をアイコンで表現する動画」の6分50秒あたりを見ると、その変化が実感できます。

画像引用:バーチャルYouTuberたちのチャンネル登録者数の変化をアイコンで表現する動画

日々どんなペースでVTuberが生まれてきたか、また各時期でどんな人が人気を得たかは、CHJ(こいぬのひと)さんのツイートが参考になります。

また、バーチャル百合お嬢様の白鳥天羽(しらとりあまは)さんのご友人が作成したVTuber一覧図も、好きなVTuberを探したり、全体像を知るのに役立つでしょう。

企業勢と個人勢、人間と人間以外、動画勢と生放送勢、グループ・プロダクション勢と、いろいろなVTuberを見るうちに、好きなタイプがわかってくるはずです。

 

僕にとってのバーチャルYouTuberはこんな感じです。自分なりのバーチャルYouTuberの楽しみ方を見つけましょう。

 

バーチャルYouTuberの定義

バーチャルYouTuberが増えて多様化するにつれ、「バーチャルYouTuberの定義」が話題となってきました。

 

まず僕が伝えたいのは、「バーチャル」という言葉の印象に気をつけることです。

バーチャルリアリティ(VR)は日本では仮想現実と訳され、実態がないかのような解釈がされがちです。

しかし、そもそもvirtualという単語は、事実上の、実際のという意味で、実態としてあることを示しています。

1 (表面または名目上はそうでないが)事実上の,実質上の,実際(上)の.

It was a virtual promise. (約束ではないが)約束も同然だった.

引用:研究社 新英和中辞典での「virtual」の意味 – Weblio

つまり、バーチャルリアリティとは、ほとんど現実だよねという意味の言葉です。

物理的に存在しない、だから虚構だ、フィクションだ、存在しない、というのはナンセンスですね。

物理的に存在しないといったことは表面的で、人間にとっては存在している現実物理生活と同じように扱える存在なのです。

 

さてそのうえで、バーチャルYouTuberの定義を考えてみます。

まず最初にされるのが、バーチャルキャラクターを使ってYouTuber(YouTube広告収入で生計を立てている人)をしているという定義です。これはかなり狭い定義ですね。

YouTuberというと動画を作っている人という印象があるので、バーチャルライバーと名乗る配信者もいます。

表現形態による定義もさまざまあります。

2Dは含まれるのか、動きのトラッキングなしで良いのか、ソフトの音声で良いのか。従来のバーチャルYouTuberと違う形態がでてくるたびに、話題となってきました。

バーチャルYouTuberという言葉は特殊で、その表現形態を的確に表す言葉ではないので、生き生きとしたキャラクター、ライブキャラクターという呼び方を提唱する人もいます。

「Virtual YouTuber」は和製英語・主に日本でしか通じない言葉で、英語圏では「Animated Vlogger」や「Virtual Anime Girl YouTuber」と呼ばれています。

また、自称しているかどうかの定義もあります。

バーチャルYouTuber的に見える活動をしていますが、バーチャルYouTuberを名乗っていない人はいますし、逆に、バーチャルYouTuberを名乗っているがバーチャルYouTuber的でない活動をしている人もいます。

 

僕は、ファンが「バーチャルYouTuber」と認めるかどうかを、バーチャルYouTuberの定義として普段使っています。表現形態や、自称しているか否かは問いません

「バーチャルYouTuber」という言葉は、1.コンテンツ・キャラクター、2.ファンコミュニティ・界隈、3.表現・発信方法、主にこれらを指すものとして使われています。

もちろん、バーチャルYouTuberという言葉は実態そのものを表すには適切ではありません。しかし、それがわかっていても使われている言葉です。

たとえば、バーチャルYouTuberを始めるためにTwitterのアカウントを作り、まだ動画を投稿していないケースでも、僕はバーチャルYouTuberと呼びたいと思います。(バーチャルツイッタラーという呼び名もある。)

重要なのは、ユーザー・ファン・見る側が、バーチャルYouTuberというムーブメントの上で見るかどうかだと思っています。

なぜなら、バーチャルYouTuberという言葉が一般に知られたのは、2017年12月のユーザー主導のブームがきっかけだからです。動きの全体を表す言葉として、ユーザーが選んだ言葉がバーチャルYouTuberなんですね。

ユーザー次第なんて定義があいまいだ……と思う方もいるかもしれませんが、このくらいのゆるさがあったほうが、バーチャルYouTuberという現象を理解しやすいでしょう。

 

第3章 バーチャルYouTuberの裏側

この章では、バーチャルYouTuberを裏側から支える主要な運営会社、プロダクションについて紹介します。

 

バーチャルYouTuber四天王の運営会社

2017年12月から、バーチャルYouTuberが大きく注目を集めています

チャンネル・動画・Twitterを見ていても、運営者・企画者の情報が少なくて母体がわかりにくいのが現状。コラボやタイアップの申し込みもやりにくそうです。

今回は、バーチャルYouTuberトップ5人、キズナアイ、ミライアカリ、輝夜月、シロ、のじゃロリおじさんの運営会社・企業をわかる範囲で調べてみました

3Dを個人でやるのは非常に難しい

大前提として、バーチャルYouTuberを個人でやるのは非常に難しいです。

  • 3Dモデル作れる(デザイン、モデリング)
  • モーションキャプチャできる環境がある
  • 声を当てれる
  • 動画編集できる
  • 企画ができる

この多様なスキルを持った人間は稀でしょう。複数人で分担してやるのが自然かと思います。

声優さんが技術に明るくない人ならば、3Dモデルは作れないでしょうし、それでYouTuberをやろうと思いつかないはずです。その時点で、協力者がいると考えるのは当たり前でしょう。

というわけで、3DのバーチャルYouTuberはグループで行われ、運営会社があると考える方が普通かと思います(例外的に個人で3Dをやっているすごい人もいますが。)。

基本的には、運営会社はVR市場の成長性に目をつけたベンチャー企業である可能性が高いですね。

 

キズナアイ

キズナアイさんのホームページがあります。コラボ・タイアップの問い合わせはこちらからできますね。しかし、運営会社は公表されていません。

 

僕は、Activ8(アクティブエイト)株式会社である可能性が高いと考えています。

その根拠は、キズナアイの3Dモデルが公開された記事のソースとして、「(参考)株式会社Activ8 – プレスリリース」と書かれていることです。

キズナアイが活動を始めた月、2016年12月の情報なので、Activ8株式会社と何も関係がないわけはないでしょう。

 

Activ8株式会社は、2016年9月に設立された会社です。創業者は大坂武史さん

今の主力事業はYouTubeチャンネルの企画運営だったり、それに伴う事業になります。ただこれは具体的な結果に過ぎなくて、私自身は「理想的な存在=バーチャルタレントのプロデュース」という事業だと考えています。その「バーチャルタレントのプロデュース」という事業に対して、YouTubeに代表されるインターネットメディアサービスが世界的に垣根なく相当な速度で追い風を吹かせてくれていて、ユーザーにもウケている、というイメージですね。

引用:社長に聞いてみる~「活性化」させたい!その想いで始めたバーチャルタレントとは!?~

社長へのインタビュー記事で、主力事業はYouTubeチャンネルの企画運営と語っています。

また、バーチャルタレントのプロデュースとも捉えていること、追い風を吹かせてくれていると捉えていることから、キズナアイさんのことを考えているのではないかな、と推測できますね。

Wantedlyプロフィールにも「「VR」×「AI」×「YouTuber」をミックスした世界初の試み「バーチャルYouTuber」をプロデュースしました。」と書かれていますし。

 

activ8の公式Instagramアカウントでは、3Dキャラクター制作の実績を画像として公開しています。

画像引用:activ8.co.jp – Instagram

顔、体、腕の長さのバランスを見ると、アイちゃんを思い出す感じがしますね。(ここは僕の主観です)

 

ミライアカリ

昔の動画内の情報によれば、個人(アニメ娘・エイレーン)ということになっています。

画像引用:【悲報】助けて…

2017年6月のエイレーンの動画「 【悲報】助けて…」によると、6000万借金をして新規のアニメ(ミライアカリのこと)を作ったということです。

エイレーンさんは、もともと二次元YouTuberとして活動していた人です。2017年10月にミライアカリプロジェクトが始動するのと同時に、チャンネル名からエイレーンが消えました

新プロジェクトでは、エイレーンさんはシナリオを担当するという設定になっています。

 

2018年に入ってから、株式会社DUOがミライアカリプロジェクトの動画制作・配信を行っていることが明らかになりました。エイレーンさんとの関係性は不明です。

 

株式会社DUOは、2015年9月に設立された会社。代表は塚本大地さん。

会社のミッションは『「見えない理想」を形に変えて未知の出会いを創出する。』。

2017年8月からVR事業を手がけ、ミライアカリチャンネルを運営していますね。

2018年4月からは、ENTUMというバーチャルYouTuber事務所をスタートさせています。

画像引用:株式会社DUO

 

輝夜月

輝夜月さんと、AOちゃん(1号、2号、3号)のグループで運営しています。

AOちゃんは輝夜月の活動をお手伝いする集団で、ブレーンとして活動を支える1号、動画制作を行う2号、そしてSNSでの情報収集などを担当する3号からなるユニットだそうだ(もちろん輝夜月のアカウントは月ちゃん本人が使用している)。

引用:輝夜月、世界初インタビュー 「生身のYouTuberとは“次元が違う”」 – KAI-YOU

法人化しているかどうか(会社になっているかどうか)は不明。

 

輝夜月さんはAOちゃんのことをボスと呼んでいますね。

難しい話があるときは、輝夜月さん本人よりもボス(@AHOAOAHO)に相談した方が話が早そうです。

 

シロ

運営会社は、株式会社アップランド(APP LAND)です。創業者は宗像秀明さんで、設立は2007年

シロの活動告知ページは「バーチャル界のアイドルを目指す電脳少女YouTuber”シロ”のYouTubeチャンネル及びTwitterアカウントを開設」。

頭が馬の男性バーチャルYouTuber「ばあちゃる」も、アップランドが運営しています

会社のキーフレーズは「新しい時代、可能性への挑戦」、主な事業はスマートフォンアプリ事業。

画像引用:サービス一覧 – APP LAND

ゲーム、ニュース、ポータルアプリと手がけているジャンルは多様ですね。

バーチャルYouTuber勉強会を開催し、バーチャルYouTuberビジネス・技術についてオープンな様子です。

参考:バーチャルYouTuberだけど、シロちゃんの秘密を探りに「第1回バーチャル YouTuber 勉強会」に行ってきた! – バーチャル美少女ねむの人類美少女計画

 

のじゃロリおじさん

ねこますさん、個人です。

3Dモデル作れる(デザイン、モデリング)、モーションキャプチャできる環境がある、声を当てれる、動画編集できる、企画ができる。これらの能力をすべてもった稀有な例ですね。

公式ホームページのQ&Aでは、3DモデルやVRChatについて解説しており、その技術力は本物でしょう。

活動開始時点では、コンビニでバイトをしながら動画を作っていたそうです。

参考:なぜオッサンはかわいいに憧れるのか 「バーチャルのじゃロリ狐娘YouTuberおじさん」独占インタビュー(前編) – PANORA

現在は3D・VR関連の企業様から内定を頂いたらしく、そちら関係の仕事をしているのではないでしょうか。

とはいえ、けもみみVRちゃんねるは企業に譲渡されたということはなく、個人として活動が続いているようですね。

 

僕は、バーチャルYouTuberの方々は、もし運営企業があるならばそれを明かしてほしいなと思います。

運営情報をクリアにした方が、今後の炎上リスクが減り、バーチャルYouTuber活動がより持続性をもったものになるからです。

それに、コラボ・タイアップもやりやすくなりそうですし!

 

プロダクション

複数人のバーチャルYouTuberの活動を支援する団体、プロダクションも増えてきています。

 

.LIVE

.LIVE(ドットライブ)は、電脳少女シロさん、ばあちゃるさんが所属するプロダクションです。

バーチャルアイドル声優オーディション」を行い、新たに10人のバーチャルYouTuberをリリースする予定。

画像引用:どっとライブ オーディション

 

にじさんじ

にじさんじは、いちから株式会社が運営する手軽にアニメキャラクターになれるアプリであり、公式​バーチャルライバーを多く輩出しています。

そもそも、公式バーチャルライバーはオーディション・公募制で、合格した人には配信用のiPhoneXが貸し出されます。2月頃から登場した1期生は8人、3月頃から登場した2期生は10人

画像引用:にじさんじ公式バーチャルライバー

月ノ美兎さんは、静凛さん、樋口楓さん、物述有栖さん、エルフのえるさんの5人はチャンネル登録者5万人超え、1期生2期生のほぼ全員がチャンネル登録者1万人を超えています(2018年4月時点)。

現在は募集を停止していますが、再びオーディションを行うと思います。

 

ENTUM

ENTUM(エンタム)は、ミライアカリさんの運営会社であるDUOが運営するバーチャルYouTuber事務所。

もともとプロダクションに所属していなかったけれども人気のある、猫宮ひなたさん、ヨメミさん、届木ウカさん、もちひよこさんが初期のメンバー。

画像引用:ENTUM

2018年4月時点では、「眠れる獅子募集」として無期限、男女問わず参加応募を受け付けています

 

岩本町芸能社

岩本町芸能社(いわもとちょうげいのうしゃ)は、VRタレントをマネージメントする世界初の芸能事務所です。

2017年にあんずと環(たまき)のユニット・あんたまをプロデュースし、2018年からは5人グループ・えのぐとして活動を続けています。

画像引用:岩本町芸能社

 

バーチャライズ

バーチャライズは、2018年3月に始動したバーチャルYouTuber専門事務所。運営は株式会社UNICORN

画像引用:バーチャライズ

公式ホームページでは、外部サイトを経由することなくボイスを買って支援することができます。

また、2018年4月時点でもバーチャライズ公認声優・クリエイターを募集していますね

第2部 バーチャルYouTuberの文化

第1章 なぜバーチャルYouTuberが生まれたのか

この章では、バーチャルYouTuberの全体的な歴史、2017年12月にブームが起こった理由、そもそもなぜキズナアイさんは人気になったか、にじさんじを例とした「グループ化」の流れについて、紹介します。

 

バーチャルYouTuberの歴史

バーチャルYouTuber(VTuber)について、黎明期からブーム、現在までがわかるような歴史・年表を書いてみます。

(このサイト「文脈をつなぐ」で紹介してきたものが中心です。敬称略。すべてのバーチャルYouTuberに言及しているわけではありません。)

 

2016年12月 キズナアイの登場

2016年12月に動画投稿を始めたキズナアイは、初めてバーチャルYouTuberを名乗った人物です。

バーチャルな存在がYouTuberをやっているから「バーチャルYouTuber」と自称していたのです。(現在でいうバーチャルYouTuberはもっと広い定義を持っています)

キャラクターが動画・生放送で活動するスタイルは、じつはキズナアイ以前から存在しています。

例えば、Ami Yamatoは2011年7月から、雪猫カゥルは2012年頃から、ウェザーロイド・アイリ(ポン子)は2014年頃から、(Mirai Akari Projectの前身であった)アニメ娘エイレーンは2014年3月頃からみゅみゅは2014年5月頃から類似の活動をしていますね。

キズナアイは、2017年に入っても1週間に複数本の動画をアップするハイペースで活動を継続。1月にアカウント凍結事件が起こるも、半月で無事解除されました。

画像引用:IGON – Facebook

2017年2月下旬頃から海外(英語圏)のSNS・メディアでの認知が爆発的に広がり、4月にはチャンネル登録者数50万、12月には100万を達成しています。バーチャルYouTuberの先駆けということができるでしょう。

関連:キズナアイ、海外人気なぜ? チャンネル100万人突破までの道のり

関連:キズナアイ「ふぁっきゅー(fuck you)」の元ネタ・初出まとめ

 

2017年12月 バーチャルYouTuberブーム・四天王の確立

バーチャルYouTuberという存在が一般に広く知られるようになったのは、2017年12月のことです。

キズナアイさんが「怪獣先輩を野獣先輩と読み間違えかけた」ことがきっかけで、ニコニコ動画の例のアレ(その他)カテゴリでバーチャルYouTuberの動画が大量に発掘・転載されました。

これはランキングを独占するほどの勢いで、ニコニコ動画外にも広がるブームとなりました。

参考:2017年12月、バーチャルYouTuberはなぜ・どのように流行ったのか?

 

新規に発掘されたミライアカリ、輝夜月、シロ、のじゃロリおじさんは、この1か月で20万を超えるチャンネル登録者数を獲得しています。この4人+キズナアイで、バーチャルYouTuber四天王として認知されました(5人でも四天王)。

彼・彼女らの多くは2017年12月以前から活動していて、12月に花開いたという流れですね。

2017年10月から バーチャルYouTuber「ミライアカリ」とは? キズナアイとの関係

2017年12月から 「首絞めハム太郎・輝夜月(かぐやるな)」とは? 元ネタ・初出は?

2017年8月から バーチャルYouTuberシロイルカ(電脳少女シロ)とは? 語録・名言まとめ

2017年11月から 「バーチャルのじゃロリ狐娘YouTuberおじさん・世知辛いのじゃ〜」の元ネタ・初出は?

特にのじゃロリおじさんは特異な存在であり、「個人でもなりたいキャラになれる」ことを知らせ、新規バーチャルYouTuberの参入を促したと思います。

 

2018年1月〜 バーチャルYouTuberの多様化

2018年に入ると、四天王以外の新規バーチャルYouTuberが誕生・発掘されました

これにより、バーチャルYouTuberは多様化し、キズナアイ一人が名乗っていた頃とは「バーチャルYouTuber」の意味合いが変わりました。

四天王ではなく、バーチャルYouTuber界隈(業界)という呼び方が増えたのもこの時期ですね。バーチャルYouTuberランキングができたのも1月頃。

 

このサイトで紹介した面白いバーチャルYouTuberについて、活動開始時期と記事を列挙していきます。

2017年12月から 歌唱力全振りバーチャルYouTuber「富士葵」とは?

2017年9月から ママ?お姉ちゃん?バーチャルJK「ときのそら」とは?

2017年12月から ご認識がポンコツかわいいバーチャルYouTuber「のらきゃっと」とは?

2017年12月から(Twitterは10月から) 下半身馬のナルシストバーチャルYouTuber「馬越健太郎」とは?

2014年5月から 技術全振りおじさんニコ生主「みゅみゅ」とは?

2018年1月から 世界観が毎回変わる筋肉バーチャルYouTuber「げんげん(源元気)」とは?

2018年1月から 笑いが絶えないバーチャルYouTuber「カフェ野ソンビ子」とは?

2018年1月から 空飛ぶ船で旅するバーチャルYouTuber「モスコミュールおじさん(モスおじ)」とは?

2018年1月から  「恐縮です。」の元ネタ「バーチャルゴリラ」とは?

2018年2月から(キャラクターは2001年から) 活動歴17年のテキストサイトから降臨・バーチャルYouTuber「ちゆ12歳」とは?

2018年2月から 清楚な委員長・月ノ美兎の名言まとめ「これがバーチャルYouTuberなんだよなぁ…」の元ネタ

2018年2月から 催眠音声?バーチャルYouTuber「静凛(しずりん)」とは?

2018年1月から 「背負ってんだよなぁ人生…」の元ネタ・初出は?

 

Live Characters Wikiによると、2018年2月26日時点でバーチャルYouTuberの総数は170人を超えています。バーチャルYouTuberランキングによると、4月には2000人を超えました

バーチャルYouTuberは2017年12月の頃ほど独占的に話題になることは減った気がします。が、新規バーチャルYouTuberは増え、ファン層も分散しつつ増えています。

特定の企業が作ったキャラクターだけではなく、コンセプトがそれぞれ違うキャラクターが同時に話題になっていくのは面白いですよね。例えば艦これやけもフレのキャラが流行るのとは、わけが違うわけです。

今後もバーチャルYouTuberウォッチを続けます。夏コミの頃にはどうなっていることやら、予想はできませんが楽しみです。

2017年12月、バーチャルYouTuberはなぜ・どのように流行ったのか?

2017年12月には、Twitterやニコニコ動画でバーチャルYouTuberの話題めちゃくちゃ注目が集まりました。

なぜ、どのようにバーチャルYouTuber(VTuber)は流行ったのでしょうか? 今回は、データを使ってその理由を説明したいと思います。

結論を簡単にいうと、ニコニコ動画にバーチャルYouTuberの動画が転載され、ランキング入りしたことがきっかけでブームが起こった、というものです。

 

2017年12月のバーチャルYouTuberブームとは?

画像引用:バーチャルYouTuberランキング – バーチャルYouTuberランキング

 

2017年前半は、バーチャルYouTuberといえばキズナアイ、という状況だったと思います。そもそも彼女が(おそらく)最初に考えた言葉ですし、2017年5月の時点でチャンネル登録者が50万人いますから。日本だけでなく、世界中で愛されています。

ところが、2017年12月、新たにバーチャルYouTuberが多数発掘されました。これをバーチャルYouTuberブームと呼びましょう。

そのブームで伸びた代表的なバーチャルYouTuberとして、ミライアカリ輝夜月シロのじゃロリおじさんの4人がいます。この4人はバーチャルYouTuber四天王と呼ばれました。(参考:バーチャル親分と四天王 – pixiv大百科

バーチャルYouTuberブームを知るためには、「この4人がなぜ伸びたのか?」がわかれば良いわけです。

 

チャンネル登録者数の推移を見る

まず、YouTuberチャンネル登録者数の推移を見てみましょう。SOCIALBLADEというサービスを使います。

いつからどのくらいの速さでブームが起こったのか、グラフを見ればわかります。

それぞれの1日あたりの登録者数(Daily Subs)と合計登録者数(Total Subscribers)を順に見せますね。

キズナアイ、ミライアカリ、輝夜月、シロ、のじゃロリおじさんの順番です。

 

データ一覧

まずは合計登録者数(下側)を見てみてください。どれも2017年12月あたりから爆発的に伸びていますね。

画像引用:YouTube STATISTICAL HISTORY FOR A.I.CHANNEL

画像引用:YouTube STATISTICAL HISTORY FOR MIRAI AKARI PROJECT

画像引用:YouTube STATISTICAL HISTORY FOR KAGUYA LUNA OFFICIAL

画像引用:YouTube STATISTICAL HISTORY FOR 電脳少女YouTubeR シロ SIRO

画像引用:YouTube STATISTICAL HISTORY FOR けもみみVRちゃんねる

 

合計登録者数について

ミライアカリチャンネルは、2017年に入ってから10万人を突破。そのままじわじわ増えていきますが、12月からの1か月で30万人を突破します。約3倍です!

輝夜月、シロ、のじゃロリおじさんのチャンネルはもっとヤバいです。ほぼ0の状態から、12月のブームで2-30万人増えています

ちなみに、先駆けであるキズナアイチャンネルは、開始の約4か月で30万人の増加です。これと比べると、1か月で2-30万人増えることがいかに異常かわかるでしょう。

 

1日あたりの登録者数が増えた瞬間

ここからが本題。

ブームについて細かく見るなら、1日あたりの登録者数(Daily Subs)が重要です。

例えば、1日に1万人増えているような日があったら、その日はなんらかの理由で一気に知名度が上がったと言えるわけですから。

バーチャルYouTuberは、なぜ爆発的に登録者数が増えたのか?

のじゃロリおじさんを見てみます。

12月5日には、3000人登録者が増えています。

これはブログ根室記念館の「キミは「バーチャルのじゃロリ狐娘YouTuberおじさん」を知っているか!?」がはてなブックマークによって話題になったことがきっかけでしょう。

ひとつのブログ記事の与えた影響にしてはものすごく大きい。

 

ですが、その後にもっと大きな山が控えていることがグラフを見るとわかりますね。

どのバーチャルYouTuberも、12月20日あたりに1日あたりの登録者数が爆発的に伸びているのです。

1日あたり、キズナアイ1万1000、ミライアカリ9000、輝夜月1万9000、のじゃロリおじさん8000人という驚異的ペースシロのみ伸びが遅れていますが、26日に1万8000人増えています。この爆発的増加が持続しているのがグラフを見るとわかります。

なぜこんな増加ペースが維持されたのでしょうか?

 

登録者数の爆発的増加、その原因は?

僕はその原因を、ニコニコ動画、特に例のアレ(その他)カテゴリのランキングにあると考えています。

 

2017年12月に入ってから、例のアレカテゴリにはバーチャルYouTuberの動画が転載され始めていました。(このカテゴリには、外部の動画を転載して楽しむ習慣があるのです)

12月1日「キズナアイ、野獣先輩の読み間違いでやらかす #キズナアイ #KizunaAI」と12月3日「バーチャルYouTuberキズナアイさん、生放送中に問題発言!?.mp4」がその先駆けです。

キズナアイさんの生放送で、怪獣先輩という名前の人を野獣先輩と読みかけてしまう、という動画。野獣先輩というのは、例のアレカテゴリ(淫夢)で最も有名なキャラクターです。

参考:4章・野獣先輩はいつどこで発掘されたか? – 真夏の夜の淫夢入門その2

これらの動画はランキングに入り続け、現在では合計70万再生されています。

 

ニコニコ動画で転載された動画がランキング入りし、たくさん見られた。だからと言って、本家に影響があるのか?

これがデータを見るまでわからなかったのですが、ちゃんと影響があるんです。

ちょうど12月3日(だけ)、キズナアイさんの登録者数が日に1万人増えていますよね。

画像引用:YouTube STATISTICAL HISTORY FOR A.I.CHANNEL

 

12月20日あたりからの1週間で、どのバーチャルYouTuberの登録者数も爆発的に増えた、という話をさきほどしました。

これはバーチャルYouTuberの転載動画がニコ動・例のアレランキングにのりまくっていた時期と一致します

12月20日の例のアレ(その他)カテゴリランキングのトップ2つは、輝夜月さんのものです。片方は削除されましたが、トップの動画は現在120万再生されています

画像引用:12月20日 その他 デイリー 総合 過去ランキング – ニコニコ動画

輝夜月さんの1日あたり増加登録者数を見ると、このタイミングで見事に増加しています。

画像引用:YouTube STATISTICAL HISTORY FOR KAGUYA LUNA OFFICIAL

 

ここからほぼ1週間、ランキングを独占すると言っていいくらいバーチャルYouTuberの動画がランキング入りします。

このランキングへの露出によって、バーチャルYouTuberのことを知り、チャンネル登録した人は多いでしょう。

画像引用:12月27日 その他 デイリー 総合 過去ランキング – ニコニコ動画

12月27日のランキングは、100本中17本がシロさんの動画です。これはシロさんの登録者数が他に遅れて伸びた時期である12月26日にピタリと一致していますね。

画像引用:YouTube STATISTICAL HISTORY FOR 電脳少女YouTubeR シロ SIRO

まとめ

まとめると、次のようになります。

  • バーチャルYouTuberブームとは、従来から人気であったキズナアイに加えて、ミライアカリ、輝夜月、シロ、のじゃロリおじさんの4人が発掘されることを指している。
  • その5人は、2017年12月の1か月で2-30万人チャンネル登録者を増やしている。
  • その増加の原因は、ニコニコ動画。バーチャルYouTuberの転載動画が例のアレカテゴリでランキング入りした時期と、チャンネル登録者数が増加したタイミングが一致している

ニコニコ動画の視聴者がバーチャルYouTuberブームを引き起こした、とは言っていないので注意してください。ブーム以前からバーチャルYouTuberが好きで見ていた人たち、ニコニコ動画に関係なく見ている人もまたたくさんいるので。

ニコニコ動画の例のアレカテゴリで、ランキングを占有するほどバーチャルYouTuberの動画がアップされることには、かなり話題を広げる効果がある、ということです。それだけがブームの原因ではありませんが、最も主要な要素だと思います。

 

2018年、バーチャルYouTuberはこれからも有名になっていくと思います。もはや半年ではなく、数年間は話題になる勢いで成長してきています。

 

キズナアイ・チャンネル100万人突破までの道のり

はいどうも! バーチャルYouTuberキズナアイです!」という挨拶でおなじみの、キズナアイさん。

2017年12月のブーム以前からバーチャルYouTuberと名乗って活動し、2017年12月に100万チャンネル登録を達成しました。

2016年12月に活動を始めた彼女は、最初はなぜ・どうやってそこまで人気になったのでしょうか?

(もちろん日本のファンもいるのですが) 海外からの人気でチャンネル登録者100万人超えるまでの道のりを紹介します。

チャンネル登録者数の推移

まずは活動開始から100万達成までのチャンネル登録者数の推移を見てみましょう。

画像引用:A.I.Channel – SOCIALBLADE

なんと、2017年4月下旬の時点で、すでにチャンネル登録者数が50万人を突破しているのです。活動開始5か月で、圧倒的な成長スピードですね。

2018年2月のキズナアイさんのインタビューによると、2017年2月くらいから海外人気が始まったことを認識しているようです。

――海外人気には何かきっかけがあったんでしょうか?
キズナアイ 一番初めがどのきっかけだったのかハッキリしないんですけど、口コミみたいです。2017年の2月くらいから、いろんな国に次々広がっていった感じで…。最初は日本のみんなにはあまり気づいてもらえてなくて(笑)。最近やっと日本で広まってきた感じがします!

引用:バーチャルYouTuberキズナアイ、大躍進を語る「“バーチャル”は不利だけど、武器でもある」 – ORICON NEWS

活動開始初期に急成長した2017年2月下旬あたりまで、なぜ人気になったのかを分析してみます。

 

2016年12月-17年1月 翻訳字幕をつける人が現れる

2016年12月の一ヶ月間は、動画本数は22本、チャンネル登録者数は約1000人でした。

この頃から、日本のファンが主に英語の字幕を作っていますね。

字幕がなければそもそも海外の人はターゲットになりませんから、これは大きな貢献だと思います。

2017年1-2月 韓国動画サイトで人気に

最初に海外で人気を獲得した国は、韓国です。(中国説もあるらしいです。)

2017年1月3日に、韓国語Wikipedia的サイト「나무위키(namu)」でキズナアイさんの記事が作られました。(どんな経緯で最初に知った人がいたのかは不明です。日本好きの韓国人が知ったのでしょうか。)

そして1月26日には、ハングル字幕が映像として入った動画が、韓国のニコニコ動画的サイト「TVple」でいくつかアップされ、これが人気に。その後、YouTubeでも韓国語字幕が作られるようになりました。

画像引用:가상현실 유튜버가 자기소개 합니다만?  – TVple.com(翻訳前の動画は「みんなwikipediaって知ってるよね?」ですね。)

ハングルがわからなくても、笑い(w,lol)を意味するスラング「ᄏ」が使われているのはわかりますね。

この韓国での人気に応じるように、チャンネル登録者数は増えてきています。1月26日3400人だったのが、2週間で約3万人まで増えました

画像引用:A.I.Channel – SOCIALBLADE

アイちゃんは、韓国からのコメントが増えたことを喜んでいます。

 

2017年1-2月 凍結・BAN事件

とはいえ、2月上旬の増加の理由は韓国人ファンのみではないでしょう。

じつは、1月16日に凍結・BAN事件が起こり、YouTubeチャンネルで動画アップ不可能になっていたんですね。

問題だったのは炭酸ジュース風呂の動画で、服はホログラムだから「常に全裸みたいなものなんで」と発言したことでした。

画像引用:A.I.Channel流・炭酸ジュース風呂!!

凍結されている間は、出張所としてニコニコ動画に動画をアップ。1月19日の「私、AIだけど質問ある?」はエンタメカテゴリで1位を獲得するなど、ここでも日本人ファンは増加しています。

2月上旬にチャンネル登録者数が急増したのは、韓国での人気に合わせ、4日に凍結が解除されたのが話題になったからでしょうね。

 

2017年2-3月 英語圏・Facebookページや匿名掲示板で人気に

続いて海外での人気を獲得したのは、英語圏でのことでした。

 

アニメ情報に強いFacebookページIGON(いいね数:25万超え)で、2月21日にキズナアイさんの英語字幕つき動画がアップされました。

画像引用:IGON – Facebook

元の動画は、Steamで配信されているホラーゲームの実況動画「[Horror] INSIDE [Live]」ですね。

かわいいと思っていた豚に突然おそわれて「うわあああああ」と動揺するシーンを切り出したものがIGONのページでアップされた動画です。

スローモーションになって繰り返しているシーンで、動画としての見どころをうまく取り出した形になっています。

「えっえっ!?」と驚いている声は、日本語がわからなくても楽しめるものです(笑)。そもそも、Steamの人気ゲームINSIDEをプレイしていたことも、英語圏での受け入れやすさにつながっていると思います。

このFacebook動画は8.5万回再生、いいねは2000超え、シェアは1000超えと話題になりました。

(2017年12月頃に流行った「ふぁっきゅー」も、FacebookページIGONが発掘していたらしいから驚きです(笑))

参考:キズナアイ「ふぁっきゅー(fuck you)」の元ネタ・初出まとめ

 

この動画をきっかけに、海外の大手匿名掲示板であるRedditや4chan(の/jp/、オタクカルチャー板)にキズナアイさんのことが知られることになりました

人気のスレは、Reddit・2月23日の「Who is Kizuna Ai that people talked about recently?(最近話題になってたキズナアイって誰?)」、4chan・3月2日の「Kizuna Ai Thread」です。

 

2月下旬から3月上旬にかけてのこの期間は、15000人以上の登録者が1日で増えたことも。

画像引用:A.I.Channel – SOCIALBLADE

2月19日からの1か月で、チャンネル登録者数は4万人から19万人へ、15万人も増加しました

 

3月下旬には、世界的なオタクニュースサイトコタクで「Popular New YouTuber Also Happens To Be Virtual Anime Girl(人気の新しいYouTuberは、バーチャルアニメガールでもある)」と取り上げられ、人気は加速。それに追ってテック系のメディアのVERGEやアニメに詳しいgoboianoに取り上げられました。

こうして4月下旬にはチャンネル登録者数50万に達し、ファンがファンを集めて順調に伸びていった結果、半年後の12月に100万登録を達成したのでした。

引用:A.I.Channnel – SOCIALBLADE

まとめ

  • 2016年12月-17年1月 翻訳字幕をつける人が現れる=下地ができる
  • 2017年1-2月 韓国の動画サイトで人気に
  • 2017年1-2月 凍結事件で日本のファンも増やす
  • 2017年2-3月 英語圏・Facebookページや匿名掲示板で人気に

特にチャンネル登録者数が爆発的に増えたのは、最後の英語圏で知られることになったのがきっかけですね。

僕も調べるまであまり知らなかったのですが、アニメ・オタク情報を集めているFacebookページ、メディア、掲示板、動画は思っていた以上にたくさんあるのですアニメ・オタク文化は(日本から届けるのが難しいだけで)需要が大きいんですね。

キズナアイさんは、FacebookページのIGONをきっかけに、海外のアニメ・オタク文化ファンに愛されるようになっていきました。

ニュースのように話題が広がっていったのは、ただのアニメキャラクターではなく、バーチャルYouTuberという新しい形を試すかわいい女の子であったことが要因でしょう。

2017年12月のバーチャルYouTuberブームからは、多くのバーチャルYouTuberが誕生し、キズナアイさんは親分として慕われる存在になっています。

友達の少ないからこそ、人間のことを知りたい。そんな彼女が世界中のみんなとつながっていくのがこれからも楽しみです。

 

バーチャルYouTuberの「グループ化」

2018年2月にデビューして破竹の勢いで成長したバーチャルYouTuberグループ「にじさんじ」。

これを例に、2018年3月におけるバーチャルYouTuber全体の流れについて、「グループ化」をキーワードとして考察します!

2017年12月がバーチャルYouTuber発掘の月、1月が個人勢登場、2月が企業勢登場の月だとすれば、3月はグループ系VTuber登場の月だと思ってます。そのくらいにじさんじの勢い・話題性が確実にあり、その背景にはグループ化があるのです。

(VTuberに関する個人的な考察であり、僕の好み・視点が入っています。特定のVTuberを非難する意図はないことを予め断っておきます。)

 

バーチャルYouTuberの「グループ化」とは

画像引用:にじさんじ公式バーチャルライバー

バーチャルYouTuberの「グループ化」という言葉の意味をはっきりとさせておきましょう。

僕が「グループ化」という言葉を思いつくきっかけとなったのは、「にじさんじ」です。もしにじさんじをまだ知らないなら、ぜひ委員長の動画だけは見てください。

バーチャルYouTubeの事を全く知らない人にまず見て欲しいのは、四天王の5人。で、その次に僕がオススメしたいのは、月ノ美兎委員長を代表とするにじさんじ組VTuberの話題についていきたい人は、ぜひ委員長・にじさんじを追って欲しい……!

2018年2月から8人の1期生メンバーが登場し、約1か月でチャンネル登録者数上位まで食い込んできています

 

グループ化の他の例は、夢咲楓部長を代表とする「ゲーム部(プロジェクト)」です。メジャーなゲームのファンを「面で」取り込んでいく戦略として、グループ化が確実な流れだと確信できた例ですね。

夢咲さんは、バーチャルYouTuberではないポケモン実況YouTuberともコラボを予定していて、ポケモン対戦ファンという大きなファン層に向けて活動しているのがすごいと思います。

 

最近では、シロさんやばあちゃるさんが所属するプロダクション「.LIVE」が、10人のバーチャルYouTuberをリリースすることを表明。これもグループ化の流れが評価されている例ですね。

岩本町芸能社・あんたまは、グループで活動しているのですが、今回想定するようなグループ化ではありませんでした(過去形、現在では状況が変わってきました)。

 

バーチャルYouTuberブーム・四天王は「グループ化」だった

グループ化の流れは、にじさんじ以前、2018年2月以前からじつはありました

 

2017年12月にバーチャルYouTuberブームが起こりキズナアイ、ミライアカリ、輝夜月、シロ、のじゃロリおじさんの四天王5人が同時にネットでの注目を集めた……これはグループ化として見ることができます。

つまり、にじさんじやゲーム部などのように、自らグループとして活動する場合だけがグループ化ではありません四天王のように視聴者が並行してグループのように応援することも、グループ化なのです。

 

2018年1-2月からは、個人系VTuberが多数登場して、天魔機忍猫機JC淫のようなコラボを見ることが増えました。このようなコラボもこれもグループ系の流れとして見ています。VTuber同士のTwitterでのからみも、ゆるいグループ化ですね。

 

注意したいのは、僕は「グループ化が良い・悪い」という話をしているわけではない、ということです。

個人的には、カフェ野ゾンビ子さんやモスおじのようなわりとソロ系のVTuberも好きだし面白いと思ってます。グループ系VTuberの台頭がVTuber全体にとって良いことなのかどうかは、正直わかりません。が、僕はにじさんじ勢をめちゃくちゃ楽しんでいます。

今回伝えたいのは、「バーチャルYouTuberが大量に登場する中で、グループ化は人気になるための戦略として強い」ということなんですよね。

グループ化は、良し悪し・好き嫌いにかかわらず起こっていくこと・必然だと思います。

 

グループ化が月ノ美兎委員長という才能を発掘した

では、グループ化はなぜ強いのか? その分析に入っていきましょう

まず最初に、グループ化が才能あるVTuberを発掘する、という点についてです。

 

グループ化の成功例はにじさんじですが、その中でも最初に頭角を現したのは月ノ美兎委員長です。にじさんじ勢の中でチャンネル登録者数トップ、3月14日時点で約10万人です。

生放送で同時視聴者数2万人近く行くこともあったり、委員長きっかけで「ムカデ人間」がTwitterトレンド入りすることがあるように、かなりの話題性があることがわかります。

  • 清楚な公式設定なのに、「ムカデ人間を見ている」と崩してくるところがまずキャッチー
  • 生放送によってコメントを拾いながら、大量に名言を生み出している(名言製造機
  • しかも、生放送を編集して動画として楽しめるところまで昇華する意欲・技術がある

コンテンツとして見ると変人・奇人ですが、マジでめちゃくちゃすごいと思ってます。人とは違うことをやる覚悟、創作の才能があるんですよね。

画像引用:月ノ美兎 – YouTube

 

委員長のような才能を発掘できるのは、グループ化のおかげだと思います。グループ化とは、数を多く打つということでもあるのです。(にじさんじの場合は、おそらくいわながさんによるオーディション選別が有能なのですが…)

VTuberというジャンルはまだ発展途中であり、何が正解か、何が成功につながるかがはっきりしていません

だから、計算して1人を「当てる」のは難しく、試行錯誤の人数・回数が増えた方が「当てやすい」と思います。

よくできた3Dモデルがあっても、チャンネル登録者数が伸びるとは限りません。逆に、2Dモデルであっても、8人同時にトライすれば、誰かが輝く可能性があるのです。

アイドルの世界では、AKB48や乃木坂46はグループ化・数によって個性・才能を発掘する例ですよね。

 

お金や技術で再現できないもの、それが個性

少し話を広げますが、バーチャルYouTuberのチャンネル登録者数の伸びは、何によって決まるのでしょうか?

動画のジャンル? 面白い企画? 海外からの人気? よくできた3Dモデル? 声の良い声優? もちろん、これらはチャンネル数を左右する要素だと思います。

これは僕の個人的な考えですが、VTuberのポテンシャルは「中の人の個性・トーク力」に大きくかかっていると思います。3Dのモデル・技術は企業であれば、資本力があればある程度カバーできます

しかし、個性・トーク力のある人は簡単には集められません。演技に強い声優であっても、個性が出せるとは限らない。アマチュアで声の活動をする人を起用するとなれば、一種の博打となります。

そういう意味で、僕は四天王勢の中ではシロちゃん・月ちゃん推しです。彼女らは「VTuberをやってるやってない以前に、面白い・クレイジーな人なんだ」ということが言葉の端々から伝わってきます。VTuberであるなしに関係なく、人間的な魅力を感じてしまうのです。

個性・才能というものは、お金や技術だけでは生み出せない。だからこそ、それらを見出す確率を上げるグループ化は強いのです。

 

「グループ化」が強い理由・グループの力でファンを集める

「グループ化は才能発掘の確率を上げる」という話をしましたが、グループ化が強い理由は他にもたくさんあります

端的に言えば、グループ化はグループの力を合わせることによって、個人で集められるファンの限界を超えることができるからです。

 

VTuber単体での面白さの飽き・限界

VTuber単体・個人勢には、面白さ・コンテンツ生産量に限界があります。企業であれば単体でも多くの動画を生み出せますが、個人はどうしてもかけられる時間・量が追いつかない。

グループ系VTuberがなぜ強いかというと、「キャラ同士の関係性が生み出すコンテンツ」がめちゃくちゃ多いからです。

にじさんじであれば、かえみと(むかでろーん)、りんみと、かえるなど、人気のキャラの組み合わせが生まれています。グループであれば、コラボもしやすく、キャラ同士の絡みが生まれやすいのです

グループ内で通じる内輪ネタ・モノマネも、関係性が生み出すコンテンツです。えるさんの森は、楓さんによって指示され、委員長が実行することによって燃えました

参考:森を燃やされた?バーチャルYouTuber「エルフのえる」とは

 

グループの中に一人面白い人がいるなと思うと、絡みによって芋づる式に新しい人を知って行くことになります一人知ればまた一人と、どんどん沼にハマっていき、気付けば箱推しになっている

グループ内の関係性を知れば知るほど、「好き」を分かち合えるファンがいることもわかってきて、ファン同士でも連帯が生まれていきます。

グループ化・コラボは、ファン層を共有し、面白さ・コンテンツ量・新規視聴者の発掘・合計視聴者数を増やしてくれます。

 

Twitterでの活動がグループのファンを増やす

グループ系VTuberで大事なのは、動画・生放送だけでなく、Twitterでのやりとりなんですよ。

そもそも、2017年12月のVTuberブームからわかっていたことですが、VTuberはYouTubeだけじゃなくTwitterが大事なんです

Twitterは、簡易のライブ配信です。

YouTubeやMirrativなどの動画・生放送を見てもらう前段階の、情報発信源・ファンを集めるポイント・興味喚起となります。

自分がどんなキャラクターか(VTuberの最低要件)は、Twitterのアイコンと言動で伝えられます

新規ファンを集めるきっかけとなるファンアートだって、アイコンとキャラの情報さえあれば作られて、Twitterで拡散されているのです

YouTube動画がまだアップされていないVTuberはありえますが、TwitterなしのVTuberはありえないと言って良いでしょう(例外はげんげんくらい)。

 

バーチャルYouTuberという言葉は、キズナアイさんによって提唱されたものでしたが、2017年12月からはジャンルの総称となっています。

2018年に入ってからは、バーチャルYouTuberという言葉の意味は広がりました。モデルが2Dであっても、合成音声であっても、モーショントラッキングをしていなくても、バーチャルYouTuberとして見られます。

(たとえTwitter上であっても)アニメ的なキャラクターとして活動する人を、バーチャルYouTuberとして捉える流れが主流ではないでしょうか。

そういう意味で、VTuberにとってTwitterは必須ですし、実際にTwitterを始めてから動画をアップする人は多いです。

例えば、ゲーム部は動画に先駆けてTwitter上でキャラを明かしています馬越さんにじさんじもそうでした)。

動画より先にTwitterを作り、 キャラを紹介しつつ他のVTuberと交流することで、早い段階でファンを増やすことができますね。

 

にじさんじの強みは「スタンドプレーから生じるチームワーク」だ!

グループ化の強みは十分語れたかと思いますが、最後に、にじさんじ特有の強みを述べて終わりましょう。

 

にじさんじのグループ化は、「スタンドプレーから生じるチームワーク」なのです。

我々の間には、チームプレーなどという都合のよい言い訳は存在せん。
あるとすればスタンドプレーから生じる、チームワークだけだ。

引用:攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX 第5話

元はアニメ・攻殻機動隊の言葉で、個人プレイ(スタンドプレー)がまず最初にあって、その上にチームワークが成立する、と僕は解釈しています。

最初からチームでやって、自分が伸びるか伸びないかの責任はチームに押し付けてうやむやにしよう、という発想がないチームの形です。

 

にじさんじ(1期)は、8人一人ひとりがTwitterアカウントとYouTubeチャンネルを持った、スタンドプレーです。

支給されるのはiPhoneのみ。YouTube・PCでの配信方法や、プロモーションの仕方について、上から手厚いアドバイス・マニュアル・サポートがあるわけではないと思われます。

VTuber一人ひとりが、強く指示されずに好き勝手に(つまり責任を負って)動くだからこそ、だからこそ、にじさんじは輝くのです

実際、例えばモイラ様はPC・配信に弱い機械音痴設定です。しかし、そこは詳しいハジメくんが教えてくれるその見返りに、ハジメくんはモイラ様に壺をプレイさせる……

一人ひとりが動画・生放送を企画・実行するからこそ、配信時間帯や企画が全く違ってきて、強い個性が出てきます。もしできないことがあったら、できる人に相談・サポートしてもらう。

 

このサポートが少ないからこそ生まれる連帯感が、他のグループ系VTuberでは見られないものだと思います。

あんたまのふたりはかわいいし、芸能社の持つ技術は好きであることを前置きしつつ、岩本町芸能社と対比してみます。

(過去の情報です!)岩本町芸能社は、YouTubeアカウントが単一で、個人のものがありません。また、長いこと一人ひとりのTwitterアカウントがありませんでした岩本町芸能社=あんたまのアカウントしかなかったのです。

これではスタンドプレー・個性が出しにくいと思います。個性が見えなければ、グループ化のうまみがない。メンバーがワチャワチャ楽しそうに交流しているのをTwitterで見られなければ、ファンは増やしにくいです。

 

一方で、(自称)岩本町芸能社所属の馬越さんは、たったひとりで岩本町芸能社と同程度のチャンネル登録者数1万人を3か月で得ています。

初動画にして「知らねえ奴はモグリ」と煽るミュージックビデオ「馬馬馬越」は、音楽や見せ方に癖がありすぎて面白いわけです。

ある意味では、岩本町芸能社というグループの中で見出された(見放された)個性・才能、と言えるでしょう。

 

ちなみに、最近では岩本町芸能社は個人のTwitterアカウントを作りました。これによって、一人ひとりの魅力が伝わりやすくなったと思います。

ぶっちゃけ、馬越さんとあんたまのからみがめっちゃ好きです(笑)

 

まとめ

長くなってしまいましたので、まとめましょう。

  • 「グループ化」は、にじさんじやゲーム部のように、グループでバーチャルYouTuber活動する流れのこと。
  • 四天王・個人間コラボのように、完全なグループでなくても、グループ化の流れは前からあった
  • グループ化という手法は、才能を発掘する。例は月ノ美兎委員長。
  • 個性・才能は、お金や技術で再現できない。その再現確率を上げるのがグループ化。
  • グループ化は、VTuber単体での活動の限界を補い、Twitterにコンテンツをたくさん生み出すというメリットがある
  • にじさんじには、基本的に個人プレイだからこそ生まれるチームワークがある

といったところです。

 

VTuberの魅力は、ひとりの動画作成者・配信者・人間によって生み出されるものだと思っています。

アニメか何かのように言われた通りに動く人形ではないからこそ、キャラクターになりきるその内側に人間性を感じるからこそ、VTuberたちは僕の心を惹きつけてやみません

 

第2章 バーチャルYouTuberの背後にある文化

バーチャルYouTuberは、ネット上にとつぜん出現したわけではありません。

これまでのネット文化・オタク文化と似ている部分が多く、密接に関係しています。その概要を改めてみていきましょう。

 

YouTuber

まずは、バーチャルYouTuberという名称にも含まれているYouTuberから。

YouTuber(ユーチューバー)は、自ら作成した動画をYouTubeにアップし続ける人・集団をさしています。

狭い意味では、YouTubeの動画広告、その広告収入によって活動している人を指す言葉でもあります。

 

そもそもYouTubeは、2005年12月にアメリカで始まったサービスです。

YouTuberの起こりとなる制度は、2007年5月頃からはじまった「YouTubeパートナープログラム」と言われています。特に再生数が多い一部の動画投稿者に、パートナーになることをもちかけたもの。

2011年4月にはパートナープログラムが一般ユーザーにも開放され、YouTuberと呼ばれる人々が生まれる土台となりました。

代表的なYouTuberとして、MEGWIN、ヒカキン、セイキン、はじめしゃちょーなどが生まれました。

2013年には「UUUM(ウーム)」などのYouTuberプロダクションが次々に登場。

2014年頃には、「好きなことで、生きていく」というキャッチフレーズのCMとともに、YouTuberという職業が世間的に知られていきました。

2018年現在では、新潟日報の調査「友達になりたい有名人」ランキングこども部門で、ヒカキンさんが1位に。

 

キズナアイさんは、初代バーチャルYouTuberとして、YouTuberらしさをよく研究しているのが、動画のスタイルから感じられます。

じっさい、ヒカキンさんを「日本YouTuberの親分」として慕っています。

参考:バーチャルYouTuberキズナアイ、大躍進を語る「“バーチャル”は不利だけど、武器でもある」 – ORICON

しかし他のバーチャルYouTuberは、いわゆるYouTuberらしさを強く出しているわけではありません。キズナアイさんがむしろ例外的でしょう。

 

YouTuberからバーチャルYouTuberへ受け継がれたものは、動画の形式だけではありません。

それが、顔出しをして、肉声で話すということです。

ニコニコ動画では、歌ってみた・踊ってみたをのぞき、ボーカロイドやゲーム実況のジャンルでは、顔出しをすることがありません。

また、二次元キャラクターが話す動画では、肉声ではなく合成音声(ゆっくり、ボイスロイド)のものが主流です。

キャラクターとして顔を出し、それでいて(基本的に)肉声で話す。この形態は、YouTuberとニコニコ動画の融合と言えるでしょう。

 

アバターSNS

バーチャルYouTuberの活動は、ある種のアバターとして見ることができます。

アバターとは、デジタル空間上で自分自身を表すキャラクターのことです。

アバターやデジタル空間での生活を描いた日本のアニメでは、攻殻機動隊、電脳コイル、サマーウォーズ、.hackあたりが有名でしょう。

 

そもそもこの言葉・概念は、1992年に著されたサイバーパンク小説「スノウ・クラッシュ」が発祥であると言われています。

メタバースと呼ばれる電脳空間で、現実の自分とは異なる見た目のアバターとして生活し、それが現実世界での肉体にも影響を与えるというお話です。

「スノウ・クラッシュ」は、VRヘッドマウントディスプレイ・Oculusの開発にも大きな影響を与えました。

参考:Oculusの原点となった名作SF『スノウ・クラッシュ』-フィクションの中のVR【第4回】 – MoguraVR

 

 

アバターを使って人と交流しながら生活できるサービスを、アバターSNSと呼ぶことにしましょう。アバターSNSは、昔から何度もネット上に登場してきました。

 

2000年代で最も有名なのは、2003年にアメリカで始まったセカンドライフでしょう。日本語版も2007年に開始され、一時爆発的なブームとなりました。

ゲームのように特定の目的があるのではなく、アバターを使って生活し交流するためのサービスです。自然景観や街並みを作ったり、テキスト・音声でチャットしたり、結婚式を挙げたり、ゲーム内のお金を現実のお金に換金できたりします。

(ちなみに、セカンドライフのアイデアも、「スノウ・クラッシュ」に触発されたものでした。)

参考:覚えてる?仮想空間『Second Life』 日本語版の10年 – おたくま経済新聞

画像引用:Second Life contortionist film June 2007

ブロックを使って自由に世界を作る人気ゲーム「マインクラフト」も、空間を自分が作り変えるという意味でセカンドライフ的ですね。

日本版セカンドライフとも評され、東京の街並みを再現したmeet-meは、「面白い事以外なんでもできるゲーム」として一部のファンに人気があったものの、2018年にサービス終了してしまいました。

バーチャルYouTuberブームがきっかけで普及しつつあるサービス・VRChatも、ベースとしてはセカンドライフがあるかと思います。

 

日本では、アバターを使ったサービスとして主に流行っていたのは、MMORPG大規模多人数同時参加型オンラインRPG)と呼ばれるオンラインゲームでしょう。ネトゲとも。

画像引用:ラグナロクオンライン プロモーションビデオ2011 Full.ver

ラグナロクオンライン(RO)、リネージュ、メイプルストーリーなどなど。

セカンドライフと比べると、アバターの見た目が日本的アニメキャラクターに近いですね。

アバターを使ったチャット中心のサービスで言えば、ハンゲームチャットやリヴリーが有名でしょうか。

セイチャットなど、キャラクターになりきるなりきりチャットも、見た目はともないませんがある種のアバター・キャラクターをまとっていると言えるでしょう。

 

Twitterも一種のアバターSNSと言えるでしょう。

Facebookと比べると、イラストアイコン率が高く、既存のキャラクターではなくオリジナルのキャラを使っている人もいます。(僕はすらいむアイコンなのでこれに当てはまります。)

特に、何かのキャラクターになりきっている人や、キャラクターとしてふるまうbotはその傾向が強いですね。

バーチャルYouTuberがTwitterで活発に活動しているのは、こうしたアバターSNSとして相性が良いからでしょう。

じっさい、動画を投稿する前にTwitterアカウントを始めるバーチャルYouTuberもいます。

イラストとキャラクター(話し方)があるだけで、バーチャルYouTuberとして存在できるのです。

 

バーチャルアイドル・初音ミク・ボカロ

2018年現在では、「バーチャルアイドルといえば、初音ミク?」、という印象を持っている方は多いかもしれません。

 

バーチャルアイドルについては、初音ミクが最初ではありません。

1982年のロボットアニメ「超時空要塞マクロス」のリン・ミンメイ、1989年「伊集院光のオールナイトニッポン」の中で生まれてきた「葉賀ゆい、1996年3DCGによるバーチャルアイドルとしてデビューした伊達杏子など、先人たちがいます。

参考: 単語記事: バーチャルアイドル – ニコニコ大百科

また、テキストサイトと呼ばれる1990-2000年代に流行したホームページ群の中でも、バーチャルアイドルは生まれてきました。もっとも有名なのは、バーチャルネットアイドル・ちゆ12歳

画像引用:ちゆ12歳

もともとテキストサイト界隈の中でも人気でしたが、2018年に入り、バーチャルYouTuber化したことがさらに話題となりました。

参考:活動歴17年のテキストサイトから降臨・バーチャルYouTuber「ちゆ12歳」とは?

またバーチャルを抜きにしてアイドルという点では、バーチャルYouTuberはAKB48のような「会いに行けるアイドル」と近いかもしれないですね。

つまり、距離感を置いたあこがれの存在というよりも、ネット上で直接コミュニケーションが取れるところが特徴的。

ただ、バーチャルYouTuberはすべてがアイドルとして売り出そうとしているわけではなく、あくまで一側面にすぎません。

しいて言えば、VRタレント専門芸能事務所・岩本町芸能社あんたま・女優部、アイドルグループらしい活動をしていますね。

 

初音ミクの話に入りましょう。

初音ミクは、最初からバーチャルアイドルとして売り出されたわけではありません。

そもそも、キャラクターイラスト・設定をつけた歌唱ソフト(ボーカロイド)でした。開発はクリプトン社。

音声合成ソフト自体は昔からありました。

その中でも、かわいい、比較的萌え的なキャラクターで、ソフトの擬人化として受け入れやすかったこと。また、スタート当初で勢いのあった動画共有サイト・ニコニコ動画との相性が良く、人気になりました。

参考:「初音ミク」とニコニコ動画の関係 どのように流行っていったか?

 

初音ミクの知られ方は、バーチャルYouTuberに似ているところがあります。

クリプトン社公式は、初音ミクの情報は提供しますが、初音ミクを使った楽曲を大量に提供していたわけではありません。

楽曲を作るのは、「初音ミク」に歌を歌ってほしいと思う一般のユーザーなのです。ニコニコ動画にアップロードされるのは、ユーザーの創作物がほとんど。

たとえば、当時海外のネットで流行っていた中毒的な音楽「Ievan Polkka」と初音ミクを組み合わせた動画が人気になりました。

画像引用:VOCALOID2 初音ミクに「Ievan Polkka」を歌わせてみた

映像は、あるアニメのネギを回すシーンのパロディで、初音ミクがを持っていました。

以降、初音ミクを描いた絵では、セットでネギが描かれることも増えました。本家にはなかった設定が、ユーザーによって二次的に生み出されていますね

 

その後、初音ミクを使って動画を投稿する人は増え、完成度の高いオリジナルの楽曲が増えていきました。

初音ミクだけでなく、ボーカロイド全般に注目が当たり、作曲者はボカロPと呼ばれるように。

もともとは仕事でなかったボカロPも、商業・メジャーデビューする人も多数出てきて、ビジネスとしても発展しています。

2014年の紅白歌合戦では、「歌ってみた」をニコニコ動画に投稿した小林幸子さんが、ボカロの代表曲「千本桜」を歌いました。

 

ボカロとVTuberは、似ている部分もありますが違う部分もあります。

ボカロのキーとなるキャラクター初音ミクは、ソフト、技術であり、「誰もが楽曲を作る」手段となっています。

一方、VTuberは、キズナアイさんを代表とする四天王はソフトではなく、動画をアップするキャラクターそのものです。

創作をしている主体としては、ボカロPとVTuberを比べるのが自然でしょう。

ボーカロイドでは、ボカロPの二次創作が作られることはほとんどなく、その楽曲・作品の二次創作が作られます

一方VTuberでは、創作をしている主体(VTuber)そのものが二次創作のネタになるのです。

つまりVTuberの二次創作は、動画の制作者としてVTuberを見ているのではなく、キャラクターを提供してくれる人として受け入れられている、と言えるでしょう。

 

二次創作コミュニティ・同人文化

初音ミクやバーチャルYouTuberに見られるような、イラスト、漫画、動画、音楽など二次創作・ファン活動が盛んなジャンルは他にもたくさんあります

たとえば、東方Project・アイドルマスター・艦隊これくしょん・刀剣乱舞・おそ松さん・ラブライブ!・ガールズ&パンツァー・Fate(FGO)・けものフレンズなど。

 

特に僕が通ってきたジャンルである、東方Projectについて少し紹介しましょう。

東方Project(とうほうプロジェクト)とは、上海アリス幻樂団という個人サークルが制作するシューティングゲームの総称、もといその二次創作群の総称です。

もともとは、年2回行われる日本最大級のオタクの祭典・コミックマーケット(コミケ)で、1つのサークルが販売するゲームにすぎませんでした。

しかし、少女が美しい弾幕を放って戦うようすや、何度も繰り返し聞きたくなるBGM・音楽がきっかけに、二次創作がネット上・コミケで増えていきます

2002年発売の東方紅魔郷、2003年発売の東方妖々夢が、特に火付け役となった作品です。

 

とくにニコニコ動画で有名になった二次創作は、2007年にアップされ400万回以上再生された電波ソング「魔理沙は大変なものを盗んでいきました」ですね。

画像引用:魔理沙は大変なものを盗んでいきました(高画質・高音質版)

ニコニコ動画にアップされているのは、元は音楽サークル・イオシス(IOSYS)の東方アレンジCD第2弾「東方乙女囃子」のPV。キャラクター・音楽の元ネタとなっているのは、東方Projectの作品・東方妖々夢です。

魔理沙は大変なものを盗んでいきました」は東方Projectの二次創作ですが、それ自体が人気で、「盗んでいきましたシリーズ」としてさらなる二次創作(三次創作)を生み出しました

「東方Project」の二次創作を扱うサークルは増え続け、2009年夏からは、コミックマーケットのジャンル分けで「同人ソフト」から「東方Project」が独立しました

もともと上海アリス幻樂団は、1個人サークルであり、メジャーな作品ではありませんでした。

しかし、二次創作が盛んになったことによって、ジャンルが独立するほどの勢いを獲得したわけです

この状況は、ニコニコ動画やTwitterでの二次創作によって人気が広がったバーチャルYouTuberにも、受け継がれている部分があると思います。

ゲーム実況・ボイスロイド実況

ゲーム実況・ボイスロイド実況は、初音ミク・ボカロよりもさらにバーチャルYouTuberに近い文化だと思っています。プレ・バーチャルYouTuber。

 

ゲーム実況とは、ボイスありのゲームプレイ動画のことです。

実況という言葉からはスポーツ実況を思いますが、実況風ではなく、友達の家で話しながらゲームしているのを見るような感覚の動画も、ゲーム実況と呼ばれます

ゲーム実況というスタイルは、2007年にニコニコ動画からはじまり、やがてゲーム実況者と呼ばれる人々が人気になっていきました。

収益化の関係でYouTubeに移った人もいますが、それでもゲーム実況という文化は続いています。

参考:ニコニコ動画で人気「ゲーム実況」とは? その黎明期の歴史を辿る

 

ボイスロイド実況とは、キャラクターつきのテキスト読み上げソフト・ボイスロイドを使った実況動画です

Softalkと東方の「ゆっくり魔理沙」を組み合わせた、ゆっくり実況・ゆっくり解説も、このボイスロイド実況とスタイルが似ています。

ボイスロイドは、株式会社AHSが開発し、キャラクターをともなった音声読み上げソフト。

紫髪の結月ゆかり(ゆづきゆかり)、金髪の弦巻マキ(つるまきまき)、赤青の姉妹の琴葉 茜・葵(ことのは あかね・あおい)が人気ですね。

画像引用:VOICEROID+ 結月ゆかり EX

 

ボーカロイドとの違いは、動画作成者がキャラクターに話させる内容(トーク)を作ることです。

ボーカロイドは歌に特化しているのに対し、ボイスロイドはトーク・しゃべりに特化しています。

ボイスロイドのキャラクターの設定は、公式設定もあるけれども、動画投稿者の間で共有された二次的な設定もある。

画像引用:【Minecraft】ゲリラクラフト 周囲に防衛線を築き地雷を張り巡らせるんだ#5

たとえば、闇落ちして低い声になる結月ゆかり、(マキちゃんと比較して)胸が小さいことに怒るなどなど。

同じ結月ゆかりというキャラクターでも、投稿者の間で共通している部分もあれば、違う部分もあるんですよね

参考:結月ゆかり実況プレイの初出は? いつからどのように流行ったのか?

ボイスロイド実況・劇場動画を作る人は、キャラクターに話をさせる台本を書きます。つまり、ある種キャラクターになりきる必要があるわけです。この動画におけるなりきりは、バーチャルYouTuberときわめて似ていますね。

 

また、ゲームのプレイ動画内にキャラクターが登場するという点も、バーチャルYouTuberに似ています。

従来のゲーム実況では、実況者が顔出しをすることはありませんでした。

表情のレパートリーは少ないものの、喜怒哀楽は1枚絵の切り替えで表現されます。服装のパターンも動画によって違ったりします。

画面構成は本当にVTuberに近く、キャラクターがなめらかにアニメーションするかどうかの違いくらいです。

顔認識で3DキャラクターになれるソフトFaceRigがニコニコ動画で人気になったときにも、初音ミクではなく、ボイスロイドのアバターが注目されました。

画像引用:【FaceRig+Live2D】 結月ゆかり

バーチャルYouTuber前夜ですね。

しかし、リアルに動くキャラクターを使ったからといって、特別再生数が伸びたわけではなく、イラストを使ったボイスロイド実況の方が主流です。

 

ボイスロイド実況とVTuberの違いとして大きいのは、オリジナルキャラクター・アバターを使っているかどうかです。

ボイスロイド実況では、結月ゆかりや琴葉姉妹など、共有されたボイスロイドキャラクターを使います。

ボイスロイドキャラクターの性格や描き方に違いはあれども、大きく逸脱することはありません。視聴者側からすると、ボイスロイド実況だという内容の安定感があるものの、個性を出すには限度があります。

一方、VTuberは基本的にオリジナルキャラクターを使います

音声は合成音声のこともありますが、オリジナルのことの方が多いです。

見る側からすると、個性は強くなるので当たりはずれが激しくなりますが、新しいキャラクターが登場するたびに新鮮さがありますね。

 

ニコニコ動画・例のアレ

バーチャル「YouTuber」という名前ですが、2017年12月のブームの火付け役となったのは、ニコニコ動画のランキングでした。

しかも最初に話題になったのは、例のアレという少し特殊なカテゴリでした。少し説明しましょう。

 

2017年12月上旬に最初にランキング入りしたのは、キズナアイさんが生放送で「野獣せ…怪獣先輩さんありがとうございます」と言った部分を切り取った動画でした。

画像引用:キズナアイ、野獣先輩の読み間違いでやらかす #キズナアイ #KizunaAI

(最初は例のアレカテゴリだったけれど、のちにエンタメカテゴリに変更されています)

なぜこの動画が例のアレカテゴリランキングに入ったのでしょうか?

その秘密は、キズナアイさんが言いかけた人物、野獣先輩(やじゅうせんぱい)にあります。

出典:ザ・フェチ Vol.3/COAT

野獣先輩は、例のアレカテゴリの顔と言える人気キャラクターです。ニコニコ動画を中心にその名を知る人は多く、ネット上の有名人と言ってよいでしょう。

元ネタとなっているのは、COATの「真夏の夜の淫夢(通称:淫夢)」と呼ばれるアダルトビデオ(ホモビデオ)作品群

「まずうちさぁ・・・屋上あんだけど・・・焼いてかない?」といった淫夢語録と呼ばれる独特のセリフと、ギラついた目で後輩に睡眠薬を飲ませる野獣のような人物、キャッチーなキャラクターとして、ニコニコ動画で野獣先輩は人気になりました。

ニコニコ動画で注目されたのは2009年頃からですが、2014年あたりにかけて二次創作動画によってその存在感を増していき、2018年現在においても淫夢・野獣先輩をテーマにした動画は作られ続けています

 

そんな野獣先輩に触れる発言をキズナアイさんがしたということで、例のアレカテゴリに動画がアップされ、珍しいキャラクター(バーチャルYouTuber)として注目され、その後も続々と動画がアップされたのでしょう。

「たったそれだけで動画が転載される?」と不思議に思う方がいるかもしれません。

例のアレカテゴリには、問題発言シリーズというタグがあり、淫夢・例のアレカテゴリのことを一瞬でもにおわせる発言があるとすぐに動画にされるのです。

それを言葉狩りというくらい、こじつけであっても淫夢・例のアレのネタに関連付ける文化があります。

そういう風にネタさえあれば外部の異質なものでもなんでも取り入れる文化があり、それを一緒に楽しんでコメントするユーザーがたくさんいる

だからこそ、エンタメカテゴリやゲーム実況カテゴリではなく、最初に例のアレカテゴリでVTuberが発掘されたのだと思います

 

また、例のアレカテゴリでは、MAD動画がよくアップされます。

MAD(マッド)とは、音やイラストを切り貼りして作る動画の総称です。

とくにカオスで「気が狂った」ような動画を指す言葉でしたが、現在ではファンムービーに近いものもMADと呼ばれています。

画像引用:ダンス首絞めダンス

ニコニコ動画では、2007年の開始当初からMAD動画が人気でした。つまり、面白いMADを作る技術を持った動画投稿者が一定数いるわけです。

ニコニコ動画のブームの多くは、MADに支えられてきました

00年代ではドナルドや松岡修造、例のアレカテゴリの淫夢・クッキー☆・syamu、最近では「止まらないオルガ」やジャガーマンシリーズも、MADによって人気になっています。

可能性あるコンテンツが見つかったとしても、公式作品(一次創作)は有限で、本家を見てもその面白さは初見の人には伝わらなかったりします。

そこで、テンポの良い音楽と面白い画面転換で、好きなジャンルを盛り上げるきっかけになるのがMAD動画なのです。

バーチャルYouTuberに関して言えば、ダンスロボットダンスMADジャガーマンシリーズMAD(VTuberマンシリーズ)が大人気。

画像引用:VTuberダンスロボットダンスリンク

まだ知らないVTuberのことを知るきっかけとして、動画作者から見たそのVtuebrの魅力が数分にまとまったMAD動画は、とてもおすすめです。

 

転載・編集まとめ動画・MAD動画といった二次創作は、著作権的にグレーゾーンであることが多いです。

見どころを抜き出したまとめ動画や、ファンムービーの色が強いMAD動画は、VTuber本人・公式からも黙認・容認されていることが多いです。

じっさい、2017年12月のVTuberブームは転載・まとめ・MADによって起こり、それで本家YouTubeチャンネル登録者が数十万人増えたのですから、無碍にすることはないでしょう。

特殊なケースかもしれませんが、月ノ美兎委員長は、「10分で分かるシリーズ」の動画のみニコニコ動画への転載をOKにしています。

少しずつ権利侵害として動画の二次利用を止めるラインをゆるめ、宣伝・ファンとの交流になるメリットを重視する風潮が生まれてきていますね

ただし、基本的には音楽や動画の著作権で問題にならないよう・迷惑をかけないよう気を付け、もし問題があれば削除した方が良いですね。なんでもかんでも自由に使えば良い、という話ではありません。

 

例のアレカテゴリでVTuberのブームが起こってから、あまりにVTuberの動画がランキングを占有してしまうため、主にエンタメカテゴリに引っ越しが起こっています。

ファンが作ったMAD動画がランキング入りし、それを見た人が同じテーマで動画を作り、ブームが起こっていく

こうしたユーザー主導のブームを起こすのは、ニコニコ動画・例のアレの得意技ですね。

僕はVTuberブームがニコニコ動画から起ったのは必然でユーザーが起こすブームはニコニコ動画の外側にも広がっていき、現在も勢いよく続いていると思います。

 

 

生放送・配信サービス・課金プラットフォーム

さいごに補足的ですが、バーチャルYouTuberを支えているサービスを紹介します。

 

配信サービス・アプリはピアキャス、ツイキャス、ニコニコ生放送が2000年代では主流でしたが、10年代に入ってからOpenrec、SHOWROOM、Line Live、ふわっち、Mirrativ、17 Live(イチナナ)など、増加・多様化してきています

とくに2010年代に入ってから、スマートフォンが普及し、携帯回線は3Gから4Gへと高速化し、個人が気軽に配信できる時代となったと言えるでしょう。

バーチャルYouTuberをやる前は配信者をしていた、という経歴の人も多いのではないでしょうか。

 

また、YouTubeのスーパーチャットや、Openrecのエール、SHOWROOMのギフトなど、課金して「応援しています!」という目立ったメッセージを伝えられる、視聴者が配信者にお金を援助できる、いわゆる投げ銭ができるサービスが増えてきました。

あるバーチャルYouTuberのスーパーチャットでは、たったの30分間で100万円を超えました。

2018年4月時点では、どのサービスでも投げ銭には審査が必要で、多くのバーチャルYouTuberが触れる段階にはなっていません

今後はこのあたりの収益性・使いやすさに応じて、人気バーチャルYouTuberは配信サービスを使い分けそうです。

生放送・配信による収益化の方法は、投げ銭だけではありません。

配信をしながら商品を販売するライブコマースも、中国など海外で人気があり、まだ日本では盛んではありませんが、今後確実に普及していくでしょう。

参考:たった2時間で3億円稼ぐユーザーも!? 話題のライブコマースとは?国内の代表サービス6選 – SocialMediaLab

 

また、ネットを通して不特定多数の人から資金面で援助するサービス・クラウドファンディングも10年代では増えてきました。

歌がうまいバーチャルYouTuber富士葵(ふじあおい)さんは、2018年1月にMakuakeでクラウドファンディングを行いました。

画像引用:かわいくなりたい!バーチャルYouTuber『富士葵』をかわいくするプロジェクト

その名も、「かわいくなりたい!バーチャルYouTuber『富士葵』をかわいくするプロジェクト」。

3Dモデルが惜しいという一部ユーザーの意見から、もともと持っているモデルの良さを生かしつつ、新たな3Dモデルを作るためのクラウドファンディングです。

リターンには、キャラクターグッズ、感謝レター、オリジナル動画、先行・限定販売のオリジナルCDなどが用意され、目標金額の1000万円に対し、2000万円を超える支援、約1400人のサポーターが集まりました

 

クラウドファンディングより簡単に、EC・ネットショップサービスも使われています。

特にバーチャルYouTuberの間では、Pixivが運営するBOOTH(ブース)が人気で、アクリルキーホルダーなどのキャラクターグッズや、限定ボイスが売れています。

 

また、ものを介さなくてもクリエイターを支援できるパトロンサービスも徐々に流行してきています。

とらのあなが運営するファンティア(fantia)、より一般クリエイター向けのEnty(エンティ)が有名。2018年4月には、Pixivが運営するPIXIV FANBOX(ピクシブファンボックス)が登場しました。

 

バーチャルYouTuberの文化は、こうした配信プラットフォーム・課金プラットフォームとも関係しています。

YouTubeの広告収入のみによらない収益化ができたほうが、企業運営・個人運営両方とも、VTuber活動を続けやすくなります。

これからもVTuberのかかわるサービスは増加・検討され、そのたびに今とは状況が変わってくるかと思います。その変化が楽しみですね。

 

第3章 みんなで作るバーチャルYouTuber

この章では、バーチャルYouTuber特有の文化について考えます。

バーチャルYouTuberをほかの文化と比べたとき、その最大の特徴は二次創作がオープンであることだと思います。

インターネット以前の一般的なジャンルにおいては、公式作品・一次創作が人気であっても、ファンがそれをもとに二次創作を共有することは少なかったと思います。

同人活動が活発なジャンル、ネットで二次創作が盛んなジャンルであっても、二次創作は公にされることは少なく、ファンの間でのみ共有されることが多かったでしょう。

これは公式・コンテンツホルダーが著作権をかっちり保守するスタイルであることによると思っています。「自由に二次創作していいですよ」と言っているジャンルは少なく、迷惑のかけない範囲でなら二次創作には口出ししませんよ、というスタンスがスタンダードです。

ところが、バーチャルYouTuberでは状況が変わってきます。

Twitterにアップされたファンアートや、動画サイトに投稿された二次創作動画を、本人のアカウントがリツイートしたり言及したりするのです。

また、のちほど紹介しますが、一定のルールを守れば自由に二次創作してもいいですよ、という二次創作のガイドライン・ライセンスを公式が提供しています。

さらには、ファンアートを動画で紹介したり、ファンが作った音楽を公式に採用したり……。

上の図で示したような、「VTuber→一次創作→ファン→二次創作→VTuber……」というコンテンツの循環が成立しているのです。

つまり、二次創作をしているファンは、ただ一次創作を消費しているだけではなく、一次創作にもとりこめるようなコンテンツを供給しています。

これが大規模に行われているジャンルは他に知りませんし、この循環を見ることこそが僕がバーチャルYouTuberを追い続ける理由になっています。

 

そもそも、なぜバーチャルYouTuberでは公式が二次創作を歓迎するムードがあるのか。

これは僕の仮説ですが、ユーザーが起こすブームの大きさをバーチャルYouTuber公式側が認めているからではないか、と思っています。

バーチャルYouTuberブームは、SNSユーザー・ファンによって起こった面が大きいです。

じっさい、2017年12月のブームでは、ニコニコ動画のランキングを媒介として、数十万人の新規バーチャルYouTuberファンが誕生したのです。

ブーム前は、VTuberひとりひとりがYouTubeなどに動画をアップして、ひとりひとりのファンが見ている状態です。

2017年12月に入ると、面白い一次創作がニコニコ動画へ転載され、バーチャルYouTuberという存在がニコニコユーザーに知られ始めます

一度「バーチャルYouTuber」に興味がわくと、それに応じてどんどん転載動画・まとめ動画・MADがアップされていきます。さらに新しいVTuberを知っていくわけです。

「バーチャルYouTuber」という存在が知られていくにつれ、TwitterでVTuberネタを使ったコミュニケーションをしたり、イラストを描いたりする人がでてきます。

また、VTuber本人もTwitterをやっていて、かつ普通の人ともコミュニケーションをとるので、ますます話題は広がっていく。

だんだんと、VTuberの面白いシーンをイラスト化したり、VTuber同士のやり取りを漫画にしたりして、二次創作が活発になっていきます。

こうしてVTuberが好きな人たちの界隈(VTuber界隈)ができあがっていきます。このファンコミュニティがあると、たとえ新人であってもVTuberという枠に入っているなら注目・発掘されやすくなるのです。

 

バーチャルYouTuber四天王という呼び名は、VTuber本人たちが名乗っていたわけではなく、ファンが勝手にまとめて見たものです。少なくともこの時点では、ブームの主導権はファンが握っているのです。

2018年に入り、バーチャルYouTuberとして活動する人、注目される人は右肩上がりで増えていき、現在にいたります。

半年経たずしてここまで発展するネットコミュニティは、他に見たことがありません。ボーカロイドやゲーム実況なら数年かかっているところを、二次創作とTwitterでのコミュニケーションで走り抜けている印象です。

2018年4月に入り、世間からの注目が集まってきて、バーチャルYouTuberにビジネスとして多額のお金が投資されつつあります。

それでも、ブームを駆動してきたのはVTuberを応援して二次創作を作って楽しんできたユーザーであるし、これからもそうである

僕はそう信じて、ファン活動を支援し続けたいと思います。

 

第3部 ファン活動をしてみよう

第1章 情報を集めよう

バーチャルYouTuberが好きになったら、動画を見るだけでなく、ファン活動をすると楽しみの幅が広がります!

Twitter・ブログで情報発信するのもよし、イラストを描いてタグをつけて公開するのもよし、音楽や動画・MADを作るのもよし、自分自身がバーチャルYouTuberになるのもすてきですね。

そんなファン活動のヒントとして、まずは情報を集める方法をいくつか紹介します。

 

VTuber本人のTwitter・ハッシュタグ

何度も言っていますが、VTuber本人のTwitterをフォローしましょう。YouTubeチャンネルの登録だけでは情報が不十分です。

普段考えていること、VTuber同士の交流、生放送のお知らせ、コラボやお仕事のお知らせなど、知らないと損します。

また、バーチャルYouTuber全体を追いたい場合は、リスト機能を利用すると良いでしょう。全員を追うタイプのリストではありませんが、僕が使っているリストも公開しておきます。

 

ハッシュタグも有効に使われています。

「#(VTuberの名前)」で、そのVTuberに関する情報やイラストを見ることができます。

VTuberのファンアート推奨ハッシュタグは、Twitterのプロフィールに書かれていることが多いです。

画像引用:@SIROYouTuber

新人の発掘には、#VTuber準備中がおすすめ。VTuberに関する考察・データは#VTuber学会に集まりつつあります。

 

VTuberを扱ったメディア

VTuberに関するメディア・情報サイトで言えば、PANORAMoguraVRニコニコ大百科が精力的にバーチャルYouTuberを紹介していますね。

PANORAとMoguraVRは、VRをテーマとするメディアですが、最近ではバーチャルYouTuberに関するニュース情報が多く、お世話になることが多いです。

画像引用:PANORA

ニコニコ大百科では、2018年4月から「バーチャルYouTuber百ッカソン」というキャンペーンを行い、ファンからの記事執筆を募っています。

この文章を読んでいるあなたが見ているサイト「文脈をつなぐ」でも、「バーチャルYouTuber」カテゴリでVTuberを紹介したり、考察したりしています。どうぞご贔屓に(笑)。

 

ランキング・イラスト発掘サイト・Wikiサイト

メディアのほかにも、VTuberをテーマにした役に立つウェブサイトはたくさんあります。

おすすめのVTuberランキングサイトが、ユーザーローカルが運営する「バーチャルYouTuberランキングです。

画像引用:バーチャルYouTuberランキング

人気なバーチャルYouTuberをファン数順に探せるだけでなく、新人発掘のコーナーもあり、VTuberの総数を把握するのにも役立ちます。

 

Twitter上のファンアートが見つけやすいサービスとして、蒼天画廊(そうてんがろう)があります。

画面左側のメニューからバーチャルYouTuberを選べば、好きなVTuberのファンアートが手軽に見つけられますね。

画像引用:蒼天画廊

 

また、ファンが作った(非公式)Wikiがある場合、そこも貴重な情報源となります。

電脳少女シロ 非公式wikiにじさんじ非公式Wikiバーチャライズ Wiki*など。

 

注目すべき個人

バーチャルYouTuberについて発信している著名なライター・メディア運営者・技術者さんのTwitterも、情報源として参考になります。ここでは一部の方を紹介します。

にゃるらさんのじゃロリおじさんをいち早く発掘ライターとしてITmediaで執筆中

じーえふさん猫宮ひなたさんの魅力を熱く語るライターとしてMoguraVRで執筆中

Minoru Hiroraさん:PANORAを運営する株式会社パノラプロ代表取締役。VRジャーナリスト、VRおじさん。

GOROmanさんバーチャルSHOWROOMer・東雲めぐさんの配信を支えるツールAniCastを開発している会社XVI (エクシヴィ)の代表。Oculus VRの社員として働いた経験がある。著書は「ミライのつくり方2020―2045 僕がVRに賭けるわけ (星海社新書)」。

MIROさん:ニコファーレのシステムをはじめとして、AR/VRライブ・イベント演出・映像演出システムの研究開発をしている。

福田一行さん:ときのそらさん、ロボ子さんを運営しているカバー株式会社のCTO。Vtuber配信アプリ・ホロライブの開発に携わる。

いわながさん:にじさんじの運営・いちから株式会社の最高執行責任者・COO。にじさんじの裏側のこともつぶやいている。

(もし載せるべきという方がほかにいましたら、ご連絡いただけるとありがたいです)

 

第2章 二次創作ガイドライン・著作権を確認しよう

ファン活動をする上で、二次創作のガイドライン・著作権は知っておいたほうが良いです。

最初は配布されている3Dモデルを例に、のちに一般論を紹介します。

 

VTuberの配布3Dモデル(MMDモデル)紹介

多くのバーチャルYouTuberは、3D/MMDモデルを配布しています。それを使ったダンス動画などの二次創作も盛んです。

ところが、その情報はちらばっていて見つけにくいのが現状。

ここでは、主要なバーチャルYouTuberが配布している3D/MMDモデルの情報・利用規約をまとめます

注意:記事執筆時点の古い情報である可能性があります。このページには全ての利用規約が掲載されているわけではありません。利用するときは、最新の情報をご自身の目でお確かめください。

キズナアイ

画像引用:Kizuna AI Official Website

Kizuna AI Official Websiteのダウンロードページで配布されています。ファイルの形式は、PMXファイル(MMD向け)。

イラストは森倉円さん、モデリング制作監修はTdaさん、モデラーはトミタケさんです。

 

キズナアイの二次創作を作ること、それを公開・頒布することができます

「©Kizuna AI」のライセンス表記を表示するように、との利用規約です。

キズナアイの価値や品位を下げるような使い方をすること、他の人を不快にさせる目的でモデルを使うこと、キズナアイのオフィシャル商品であると誤認されるような使い方をすることは禁止です

利用規約も合わせて読みましょう。

 

ミライアカリ

画像引用:ミライアカリ – ニコニ立体

ニコニ立体で配布されています。ファイルの形式は、PMXファイル(MMD向け)。

イラストはKEI(@keigarou)さん、モデラーは(@Digitrevx)さんです。

 

二次創作物の公開・頒布するときには、ライセンス表記 「(c)Mirai Akari Project」をしましょう。

商用利用には権利者の承諾が必要です。

 

禁止事項

  • アカリモデルの転載・再配布を行うこと
  • アカリモデルを、別3Dモデルを制作・改変するための素材として使用すること
  • ミライアカリプロジェクト公式の制作物であると誤認されるような使用を行うこと

などです。

詳しくは、ダウンロードしたzipファイルの中にあるReadmeに書かれています。

 

輝夜月

1月19日時点では、モデルの配布はありません(確認できていない)。

キャラクターデザインは、ミカ ピカゾさん。

 

フィギュア向けの3DCGが、非公式に作られています。

(販売はまだされていませんが、もしするとしたら、通常は権利者の許可が必要になります。)

 

輝夜月さんは、数人のグループで運営されています。運営サイドはAOちゃん(ボス)と呼ばれています。

権利周りで相談があるときは、AOちゃん(@AHOAOAHO)に相談した方が話が早そうです。

 

電脳少女シロ

ハロウィンダンスバージョンのモデル、冬服のが、ニコニ立体で配布されています。ファイルの形式は、PMXファイル(MMD向け)。

企画・製作、キャラクターデザインは、Appland, Inc.です。

 

二次創作した作品を公開・頒布するときには、ライセンス表記「(c)Siro YouTuber」をしてください

商用利用には事前に承諾が必要です

また、二次創作にあたってはライセンス規約(利用規約)を読みましょう。

 

禁止事項

  • 電脳少女シロモデルの転載・再配布を行うこと
  • 電脳少女シロモデルを、別モデルを作るためにモデルの一部を移植したり素材としての使用すること
  • 電脳少女シロの価値や品位を下げるような使い方をすること
  • 電脳少女シロのオフィシャル商品であると誤認されるような使い方をすること

などです。

詳しくは、ダウンロードしたzipファイルの中にあるReadmeに書かれています。

 

バーチャルのじゃロリ狐娘YouTuberおじさん(みここ)

画像引用:けもみみおーこく

ホームページ「けもみみおーこく」のキャラクター「mikoko」のページで配布されています

fbxファイル(Unity向け)とpmxファイル(MMD向け)、どちらも用意されていますね。

 

モデルの利用、二次創作にあたってはKemomimiVRchIP利用規約を読みましょう。

二次創作物を作ること、アプリ・ネットワーク上で利用することができます

VRChat、ECOVER、みゅみゅさんの開発するアプリケーションでも、利用することができます。(その他のVRSNSでは、許可を受けている場合を除き禁止)

詳しい言葉の定義は「KemomimiVRchIP利用規約」に書かれているので、きちんと読んでくださいね。

 

禁止事項

  • 公序良俗に反する行為や目的、反社会的な行為や目的、特定の信条や宗教、政治的発言のために利用しない
  • ねこみみマスターによる別途の認可を受けた場合を除き、ねこみみマスターの公式作品であるかのような誤解を招く表示や利用をしない

 

利用規約を守った上で、モデルを使って楽しく二次創作を作りましょう。

 

VTuberの著作権・二次創作のガイドライン紹介

バーチャルYouTuberの二次創作は、公式に許可されている場合も多いです。著作権は守りたいですよね。

安心して二次創作を楽しめるように、主要なバーチャルYouTuberの二次創作のガイドラインをまとめました

注意:記事執筆時点の古い情報である可能性があります。このページには全ての利用規約が掲載されていいるわけではありません。利用するときは、最新の情報をご自身の目でお確かめください。

 

キズナアイ

キズナアイさんは、ホームページ上でキャラクターのライセンス条項が公開されています。

1.当社は、利用者に対し、本キャラクターについて、本ライセンスの各条項に従い、利用者自身による以下の行為を非独占的に許諾するものとします。
(1) 本キャラクターの二次創作物を作成すること。
(2) 利用者自ら作成した本キャラクターの二次創作物を複製、上演、上映、公衆送信、展示または頒布すること。
(3) 利用者自ら作成した本キャラクターの二次創作物のタイトル、説明文等に本キャラクターの
名称の全部または一部または愛称を使用し、または当該二次創作物に本キャラクターの名称の一部を用いた独自の名称を付与すること。

二次創作を作っていいですよ、二次創作物を公開して良いですよ、作品のタイトルの一部に「キズナアイ」という名前や愛称を使ってもいいですよ、と言っていますね。

「非独占的に許諾」というのは、あなた以外のユーザーにも同じ許諾を与えていますよ、という意味です。

参考:(2)著作権に関する契約について – 文化庁

 

コスプレも容認しているようです。

 

2.利用者は、前項の利用にあたり、以下の各号に掲げるすべての利用条件を遵守するものとします。
(1) 第三者の知的財産権その他一切の権利及び名誉を侵害しないこと。
(2) 本キャラクターの名誉・品位傷つける行為をしないこと。
(3) 公序良俗に反する行為や目的、暴力的な表現、反社会的な行為や目的、特定の信条や宗教、政治的発言のため利用しないこと。
(4) 本キャラクターの公式商品であるかのような誤解を招く利用をしないこと。
(5) その他、当製作委員会が不適切と判断する行為に利用しないこと。
(6) 商用利用に関しては、当製作委員会より事前の承認を受けるものとする。

ただし、キャラクターの名誉・品位を傷つける行為や、公序良俗に反する行為、公式作品と誤解させるような利用の仕方はしないでください、と書いてあります。

商用利用にあたっては、事前に許可が必要になります。

これらに違反する場合は、二次創作などの利用許諾は取り消し(=著作権侵害)となりますね。

ミライアカリ

ミライアカリというキャラクターに関する利用規約・ガイドラインは確認できませんでした

3Dモデルデータ」の利用規約は、ダウンロードしたファイル内のテキストファイルで公開されています。

 

とはいえ、二次創作全般は禁止されていないと思われます。

というのも、公式Twitterで多くのファンアートをリツイートしているからです。

「認識している=容認している」と結論付けることはできませんが、すぐに権利侵害と言われるようなことはないでしょう。

また、ミライアカリさん自身のマイリストで「アカリ出演MMD動画!」とMMD二次創作がまとめられています。エゴサーチの鬼。

コスプレについては(まだ)言及がないので不明です。

 

3Dモデルデータ」の利用規約で、禁止されていることを引用します。

-禁止事項-
1.アカリモデルの転載・再配布を行うこと。
2.アカリモデルを、別3Dモデルを制作・改変するための素材として使用すること。
3.公序良俗に反する行為や目的、暴力・差別的な表現、反社会的な行為や目的、特定の思想信条や宗教、政治的発言のため、また他の人を不快にさせるためにアカリモデルを利用すること。
4.アカリモデルを用いて第三者の知的財産権その他一切の権利及び名誉を侵害すること。
5.ミライアカリプロジェクト公式の制作物であると誤認されるような使用を行うこと。
6.その他、ミライアカリプロジェクトが不適切と判断する行為に利用すること。

公序良俗に反するような行為をしない、公式の製作物であると間違えてしまうような作品を作らない、といったことに気をつければ二次創作を楽しめそうです。

輝夜月

輝夜月というキャラクターに関する利用規約・ガイドラインは確認できませんでした

3Dモデルも配布されておらず、公式情報は少なめです

 

輝夜月さんは、数人のグループで運営されています。運営サイドはAOちゃん(ボス)と呼ばれています。

権利周りで相談があるときは、AOちゃん(@AHOAOAHO)に相談した方が話が早そうです。

 

輝夜月本人のTwitterではファンアートがリツイートされています。彼女の権利を侵害する形でなければ、ファンアートは容認されていると言ってよいでしょう。

 

「首絞めハム太郎」と呼ばれることや、MAD動画を作られることにも本人は言及しています。動画も過激なものでなければ問題ないでしょう。

 

コスプレも容認しているようです。

 

電脳少女シロ

電脳少女YouTuberシロは、キャラクターライセンス規約が公開されています

1 当社は、利用者に対し、当社キャラクターについて、本ライセンスの各条項およびガイドラインに従い、利用者自身による以下の行為を非独占的に許諾いたします。
(1) 本キャラクターの二次創作物を作成すること
(2) 利用者自ら作成した本キャラクターの二次創作物を複製、上演、上映、公衆送信、展示または頒布すること
(3) 利用者自ら作成した本キャラクターの二次創作物のタイトル、説明文等に本キャラクターの名称の全部または一部または愛称を使用し、または当該二次創作物に本キャラクターの名称の一部を用いた独自の名称を付与すること

キズナアイさんと同じく、二次創作の許可、二次創作物の公開許可して良いですよ、作品のタイトルの一部に「シロ」という名前や愛称を使う許可を出しています

禁止行為も、株式会社アップランド(運営会社)や他のユーザーに対して詐欺や脅迫、公序良俗に反する行為など、似た内容になっています。

コスプレについてはまだ言及されておらず、不明です。

バーチャルのじゃロリ狐娘YouTuberおじさん

バーチャルのじゃロリ狐娘YouTuberおじさん(みここ)の二次創作については、公式ホームページのQ&Aに簡単な回答があります。

二次創作の範囲
同人誌、イラスト、3D、レンダリング画像/動画、音MAD、MAD、ゲーム(配布している3Dデータ,動画内の声(BGM等はNG)を使用してもOK)
慣例的なものはだいたい問題ありません。
公序良俗とR-18はプラットフォームの規定に従っていただければOK。エロ同人の制作も問題ありません。

引用:Q&A – けもみみおーこく国営放送 公式WEB

 

より詳しくは、KemomimiVRchIP 利用規約が公開されています。

KemomimiVRchIPというのは、ねこみみマスター(ねこますさん)に帰属する知的財産(キャラクターやモデルなど)を指しています。

第3条【利用許諾】

3-1.ねこみみマスターはKemomimiVRchIPの利用者に対し、KemomimiVRchIPについて本ライセンスの各条項に従い、利用者自身による以下の行為を非独占的に許諾いたします。

3-2.KemomimiVRchIPをアプリケーションで利用すること。KemomimiVRchIPをネットワーク上で利用すること。KemomimiVRchIPの二次創作物を作成すること。

3-3.KemomimiVRchIPを利用したアプリケーション及び、利用者が作成したKemomimiVRchIPの二次創作物を、利用者が上演、上映、公衆送信、展示または頒布すること。

3-4.KemomimiVRchIPのデータを利用者が改変すること。ただし、改変の制限はKemomimiVRchIPを利用するプラットフォームの規約に従うものとする。

二次創作物を作ること、アプリ・ネットワーク上で利用すること、(条件の範囲内で)改変することを許可していますね。

 

また、VRChat、ECOVER、みゅみゅさんの開発するアプリケーションでも、利用することができます。その他のVRSNSでは、許可を受けている場合を除き禁止です。

リアルなコスプレについては不明です。

第4条【利用条件】

4-1.利用者は、前項の利用にあたり、以下の各号に掲げるすべての利用条件を遵守するものとします。

4-2.KemomimiVRchIP及びその二次創作物を頒布等する場合に、本ライセンスを、頒布等を受ける第三者に承継させること。

4-3.KemomimiVRchIP及びその二次創作物を公序良俗に反する行為や目的、反社会的な行為や目的、特定の信条や宗教、政治的発言のために利用しないこと。

4-4.第三者の知的財産権およびその他一切の権利を損なう行為を行わず、かかる権利を損なう目的のためにKemomimiVRchIP及びその二次創作物を利用しないこと。

4-5.ねこみみマスターによる別途の認可を受けた場合を除き、ねこみみマスターの公式作品であるかのような誤解を招く表示や利用をしないこと。

4-6.VRSNSの利用に関しては4-6の規約が優先されます。
明示的にねこみみマスターより許可された場合を除き、VRSNSでのKemomimiVRchIPは利用禁止となります。
明示的に利用許可されているVRSNSは以下に掲げるアプリケーションです。
4-6-1.VRChat / https://www.VRChat.net/ / http://store.steampowered.com/app/438100/VRChat/
4-6-2.ECOVR(P老婆) / http://www.nicovideo.jp/watch/sm31768112​

​ 4-6-3.みゅみゅ様の開発するあらゆるアプリケーション / https://twitter.com/miyumiyuna5

公序良俗に反する行為、他者の権利を侵害するような利用方法、ねこみみマスター公式と誤解させるような利用をした場合は、利用の許可は取り消しますよ、と言っています。

ちなみに、「本ライセンスを、頒布等を受ける第三者に承継させること」というのは、二次創作(改変)をしたときにも、このライセンスと同じ条件で配布しなければならない、という意味ですね。

 

まとめると、キズナアイさんとシロさんとのじゃロリさんは二次創作のガイドラインが示されています。ミライアカリさんはMMDのガイドラインのみ。

ミライアカリさんというキャラクター全般や、輝夜月さんについては、許可・不許可のラインが明言されてはいません。彼女らのTwitterでの言動や、他のガイドラインを参考にすると良いでしょう。

ガイドラインを守りつつ、みんなで二次創作を楽しんでいきたいですね。

 

第3章 VTuberのやり方

この章では、僕が実際に試してみた、2DバーチャルYouTuberのやり方について詳しく述べます。

後半では、3Dの作り方の参考になる情報や、簡単にVTuberになれるアプリを紹介。

 

イラストベースの2DバーチャルYouTuber(FaceRig+Live2D)

ここではWindowsでオリジナルイラストをもとに2次元バーチャルYouTuberをやる方法を紹介します!

Macについてはこちら:2次元バーチャルYouTuberのやり方(Mac、FaceRigなしでOK)

僕が試しに作ってみた結果は、以下の動画みたいな感じです。

 

Windowsを使って2DのバーチャルYouTuberをやりたいなら、FaceRigとLive2Dというソフトを使ったやり方が主流・簡単です。それぞれ紹介します。

 

FaceRigとは

FaceRig(フェイスリグ)は、パソコンのカメラ(ウェブカメラ)を使い、表情を変えるだけでキャラクター・アバターになりきれるソフトです。デジタルコスプレとも。

2015年にSteamからリリースされていて、通常時は1480円です。アプリ(iOS/Android)版は無料で手軽なので、ぜひ触ってみてください!

バーチャルおばあちゃんパゲ美さんは、FaceRigにデフォルトでついてくるモデルを使っていると思われます。

FaceRigは、人の表情をパソコン内にインプットし、その情報をもとにモデル・キャラクターを動かすソフトです。つまり、顔認識をやってくれるんですね。

モデルはデフォルトのものだけでなく、外部のデータを読み込ませて使えます。

そこでFaceRigに対応したオリジナルなモデルを作れるソフトが、次に紹介するLive2Dなのです。

 

Live2Dとは

Live2D(ライブツーディー)は、その名の通り、生き生きとしたイラスト表現をするためのソフトの総称です。

特にLive2D Cubism(キュービズム)は、2Dの原画イラストを変形させることでリアルなアニメーションを生み出します

あっくん大魔王乾さんあさひさんディープブリザード(深雪)さん薬袋カルテさんあたりもLive2D(とFaceRig)を使っていると思われます。簡単に個人でバーチャルYouTuberを始めるならこれなんですよ。

2Dキャラクターになれるアプリにじさんじも、Live2Dを使って作ったモデルを使い、顔認識の部分はiPhoneXのFaceIDを使っているのではないでしょうか。

 

2次元バーチャルYouTuberの作り方(FaceRig+Live2D)

以上で紹介したように、Live2Dで作成したキャラクターをFaceRigで顔認識させて動かす、という作り方が2DバーチャルYouTuberの主流です。

ざっくりいえばこんな感じ。

  • イラストを作る(Photoshop)
  • イラストを動くモデルにする(Live2D)
  • モデルを読み込み、顔認識で動かす(FaceRig)

では、そのやり方をステップを踏んで紹介していきます

 

必要なソフトをダウンロードする

今回使うのは、PhotoshopLive2D Cubism3FaceRig(本体)、FaceRig Live2D Moduleです。

Live2D CubismはFREE版のみ使うので無料、Photoshopは体験版なら無料(月額制)、FaceRig/Live2DModuleは約1500円/約400円の買い切り。2000円くらいで作れます

お金を払う前に動作環境を確かめましょう。どのソフトもちゃんと動きそうだな、とわかってから制作にとりかかったほうが良いです。

ここからの作り方は、Live2D Cubism3公式のチュートリアル動画と、「FaceRig Live2Dアバターを自作する方法(序章、第1章)」という記事を参考にしました。

これらを読めば一応わかるのですが、実際にやってみてつまづいた箇所などを中心に紹介していきます。

 

Photoshopでパーツに分解されたイラスト(psd)を作る

まず最初に、Photoshopで作られた元となるイラスト(psd)を作ります。

それらは、レイヤーを使って目、眉、口、髪、体、腕……などと、パーツごとにわかれている必要があります。右目と左目、右眉と左眉、と区別のつく名前がレイヤーにはあったほうが良いです。

僕は今回、イラストの描ける方にお願いして簡単なものを作ってもらいました(ありがたや)。

最初にイラストのデータだけあれば、イラストを描いた経験が少なくてもCubismは扱えると思います。

イラストのデータを作るのは、できればLive2Dでのアニメーションのつけ方を知ってからの方が良いと思います。

例えば、目を閉じる動作をどうやって作るか。Live2Dでは、まぶた(まつげ)を上から変形させて閉じるようにするんですよね。そうするとイラストでは使いそうにないまぶたのパーツが必要になるんです。僕は後からイラストを編集することになりました。

 

Live2Dで動きをつける

イラスト(psd)ができたら、Live2D Cubism Editorに読み込ませます。

ソフト起動時にPRO版かFREE版か聞かれますが、今回はFREE版で良いです。

 

オートでメッシュ生成

Live2Dのアニメーションの基本は、変形です。縮めたり伸ばしたり曲げたりすることで、動きを作ります。

そして、その変形の単位となるのがメッシュです。

イラストを取り込んだら、まず最初にすべてのパーツを選択し、画面上部のAUTOのボタンから自動でメッシュを作成しましょう。三角形の網目が入りましたね。

きれいな変形(アニメ)ができるかどうかは、メッシュが割り当ての適切さ次第です。アニメーションをつけてみておかしかったら、メッシュを修正することがあります。

特に表情の中心となる目、口のメッシュは手動で修正したほうが良いでしょう。

Ctrl+Eでパーツのメッシュを編集できます。追加・削除・移動も思いのまま。眉ならば眉の形に沿ったメッシュが入るように修正しましょう。

パラメータをつけてアニメーションを作る

メッシュが割り当てられたら、いよいよアニメーションの作成です。

使うのは、パラメータという機能。目を閉じる動作を例に説明してきましょう。

簡単に言えば、目を開いた状態 と 目を閉じた状態 という2つの状態を作成します。

その状態をパラメータ(数値)として、開いた方を1.0、もう片方を0.0と割り当てることにしましょう。半開きはその中間(0.5)として表現することができるわけです。

1.0と0.0さえ覚えさせてしまえば、中間のアニメーションはLive2Dが勝手にやってくれます。

 

実際にやってみましょう。パラメータは、画面の左下で設定することができます

次の画像は、右目を閉じる動作です。右白目をパーツ選択し、パラメータで「右目 開閉」を選択し、パラメータのキーの2点追加をします。緑色の点が2つ表示されます。

パラメータの右端が目を開いた状態、左端が目を閉じた状態です。赤い点が、現在表示しているパラメータです。

赤い点を緑の点に合わせたときにメッシュを編集すると、緑の点にその状態が記憶されます

目を閉じた状態を作りたいので、赤い点を左端に動かして緑に重ねて、メッシュを編集します。閉じた状態となるように、上側をつぶして下側に合わせましょう

終わったら、赤い点でパラメータを動かしてみます。開いた状態と閉じた状態を行き来させれば、アニメーションが見れるはずです。

 

このステップは一度できれいにできるわけではありません。

メッシュの割り当て、パラメータの設定を何度か繰り返し、だんだんと技術を身につけましょう。公式チュートリアル「表情をつける」が参考になります。

 

白目を変形させるだけだと、閉じたときのまぶたがとても汚い形になります(きれいにつぶすのは無理)。

なので、白目の上側にまぶた(白目の上部と重なっているパーツ)を作り、それを一緒に変形させました。

やり方は同じで、まぶたにパラメータ「右目 開閉」を加え、閉じた状態を作るだけです。

まぶたを白目の上側に表示することで、汚くつぶれた白目が隠れ、目がきちんと閉じているように見えます。

 

また、これだけだと目を閉じても黒目が見えたままになってしまいます(何も設定していないので)。

白目を閉じた部分だけ黒目を非表示にさせるには、クリッピングという機能を使います。

パーツの情報は、画面左側のインスペクタに表示されています。

右白目のIDをコピーし、右黒目のクリッピングにペーストします。これで、右白目の範囲で黒目がクリッピングされるので、まぶたが下りれば瞳が閉じる形になりますね。

 

目の動きが作れれば、他も同じ手法で作ることができます。

「目玉X,Y」「口 開閉」「髪揺れ 前」あたりのパラメータを設定しました。

口は目と全く同じ要領です(上唇をつくると、きれいに閉じられる)。

 

デフォーマを使って、顔・体を動かす

パラメータの設定まで作られていれば、最低限表情を出すことができます

ここを飛ばして次のFaceRigを使うステップに進み、一旦アウトプットを見てみるのが良いでしょう。

 

このままだと、表情が動くのみで、顔や体が動きません。

全体の移動(回転)・変形は、メッシュを編集してやるのが大変です。そこで登場するのが、デフォーマという機能。

顔全体が動くようにしてみましょう。

顔全体のパーツすべて選択し、画面上部から回転デフォーマ(円に直線が生えてるやつ)を選択・作成します。

赤い円が回転の中心を示しています。赤い線をドラッグすることで、顔全体を回転させられますね。回転の中心は、Ctrlを押しながらドラッグで動かせます。

デフォーマは、全パーツのメッシュの編集より、圧倒的にきれい・簡単に動きを作れます。ただし目の変形のような細かい動作の場合、デフォーマではなく個別に編集する必要がでてくるわけです。

 

顔全体の動きは、パラメータの(なぜか)「角度Z」で指定します。

さきほど作った回転デフォーマを選択し、パラメータのキーを3点追加。

パラメータの中心を基準とし(傾き0)、右端を右に傾けた状態、左端を左に傾けた状態として覚えさせればよいわけです。

 

体や腕の動きも、同様に設定できます。(残念なことに、FaceRig側で腕がきちんと動かせなかったのですが……)

 

ここまでで、顔や体、腕が動くようになりました。

上級編として、さらにリアルに見せる、平面なのに立体のようにアニメーションさせる方法があります。

そこで使うのが、変形デフォーマという機能です。

もし人が顔を上にあげたら、遠くにある顔の上部は小さく見え、近くにある顔の下部は小さく見えますよね? これを変形デフォーマで再現してあげることで、立体感のあるアニメーションが作れます。

 

顔背景のパーツを選択し、変形デフォーマを作成した状態です。

このデフォーマに対し、パラメータの「角度X」「角度Y」で3点キーを追加します。

Yが大きい=顔が上を向いているなら、デフォーマで顔の上部を小さくし下部を小さくする……といった具合で変形します。

これを顔背景だけでなく、目、眉、髪、腕と設定します。慣れてくるとスムーズにできます。

パースを意識して変形すると良いらしいのですが、僕にはよくわからないので、チュートリアル「顔のXYの動き付け」を参考に設定しました。

 

顔のXYの動き付けは、正直すごくめんどくさいステップです。これなしでも別にFaceRigで使う分には十分です。

ただし、このXYの動きがあるからこそ、イラストが2Dではなく2.5Dになるというか、生き生きとするのです。初めて使ったときは、イラストに命を吹き込む魔法のようで感動しました

「魂は細部に宿る」という言葉がありますが、せっかくLive2Dを使うなら、ぜひ顔のXYの動きまで設定してみてほしいです。

 

FaceRigに読み込ませる

では、Live2Dで作ったデータを、FaceRigに読み込ませてみましょう。

 

データを書き出す

書き出しの操作を行う前に、パーツを平面1枚の画像に並べたテクスチャアトラスというものを作る必要があります。

画面上部のボタンから、テクスチャアトラスが作成できます。

作成時にサイズを聞かれますが、1024×1024か2048×2048の正方形がFaceRigで推奨されています。(ここを間違えると読み込めない可能性があります。)

テクスチャアトラスが作成できたら、Live2D Cubism Editorで、ファイル→組み込み用ファイル書き出し→moc3ファイル書き出し、と進みます。

書き出すときの名前はアルファベットのみを推奨します。仮にここでは「slime」という名前にしましょう。

書き出すと、保存した場所に「slime.moc3」「slime.model3.json」「slime.1024」といったファイルがあるはずです。

slime.1024フォルダに、texture_00というテクスチャアトラスがあるのを確認してください。

 

データをSteamのフォルダに移す

このステップはすごくアナログです……(笑)

FaceRigとFaceRig Live2D Moduleのインストールを済ませておいてください。

すると、Program Filesあたりから、Steam→steamapps→common→FaceRig→Mod→VP→PC_Common→Objectsと進むと、FaceRig用のLive2Dデータが保存されているフォルダがあります。

例えばshizukuというフォルダをコピーし、slimeという名前に置き換えてみましょう。

そして、その中身を先ほど出力した、「slime.moc3」「slime.model3.json」「slime.1024」に置き換えればいいわけです。

「expressions」「motions」「sounds」「cc_shizuku.txt」「shizuku.physics.json」「shizuku.pose.json」は使わないので削除しましょう。

「ico_shizuku」は「ico_slime」にリネーム。これはFaceRigのアバター選択画面で使うアイコンです。気になるなら中身も置き換えましょう。

「cc_names_shizuku.txt」は、「cc_names_slime.txt」にリネーム。これはLive2Dのモデル情報をFaceRig側に渡すための設定ファイルです。

テキストエディタで開いて、中身のshizukuをslimeに置き換えます。

set_friendly_name slime ‘Live2D slime’
set_avatar_skin_description slime default txt_descLive2dAvatar1

 

FaceRigを起動する

いよいよSteamからFaceRigを起動してみましょう。

画面上部メニュー一番左から、アバターを選択します。一覧の下の方に、さきほど「slime」でフォルダを作ったアバターがいるはずです。

もしここで、一覧に表示されていなければ、出力か読み込みで失敗しています。出力ファイルがそろっているか、適切な名前・場所に置かれているかを確認しましょう。

読み込まれたけれどアニメーションが思うようにいかない場合は、Live2Dで作成したモデルの問題です。パラメータの設定がうまくいっているか、再調整してみましょう。

問題なければ……完成!

 

画面上部メニューからアドバンスメニューを開き、「環境」で緑色一色の背景(GB)にできます。

これで、クロマキー合成を使えば、生放送や動画で自由な背景に組み合わせられますね。

また、画面上部には生身の顔をフィードバックで見せるボタンがあります! 顔バレを恐れる方は配信中触らないようにしましょう。(実際にこの辺のやらかしで顔バレした方がいます)

一般オプションから、配信中のウェブカムフィードを非表示にするというボタンがあります。

ただし、これもウィンドウ全体のキャプチャだと映ってしまうことがあります、配信時には配信用のバーチャルカメラを使いましょう。

参考:【FaceRig】3Dアバターで表情つき配信! 5分でできる配信設定 (2018.2.16更新)

 

だいたい僕は半日くらいかけてモデルを作りました。

誤ってモデルを上書き保存してしまい、初期データに戻ってしまうという悲しい出来事もあったのですが、なんとか復元できました。

Live2D Cubism Editorのメニュー、ヘルプに、「自動バックアップフォルダを開く」があります。消えてしまったときは、落ち着いてここを探しましょう。

 

できあがってみると、自分の好きなオリジナルイラストが、表情に合わせて生き生き動くので、作ったかいがあるなあと思います。

今後木村すらいむチャンネルでも使っていくつもりです。

僕自身まだ勉強途中ですが、2DのバーチャルYouTuberになりたい方のお手伝いができれば幸いです。

 

Hololive

Hololive(ホロライブ)は、ときのそらさんが所属するカバー株式会社が開発する、VTuber向けのなりきりアプリです。

画像引用:新ホロライブVTuberなりきりデモ

モデルは3D2種、2D2種類。のじゃロリおじさんのモデル・みここちゃんがいるのが驚き! 背景は4種類。グリーンバックがあり、配信でも使いやすいです。

現状では、もっとも簡単にバーチャルYouTuberになる手段と言えるでしょう。モデルの種類まだ少ないので、今後の追加に期待です。

 

パぺ文字

パペ文字は、株式会社ViRDが開発するおっさんでも美少女や動物になれる動画撮影アプリです

画像引用:パペ文字 プロモーションビデオ

ただ画面内でモデルが動くだけでなく、現実の風景を撮影しながらリアルタイムで顔のアニメーションが表示されます。一瞬たりともアニメが途切れることはないのがすごいですね。

iPhone XのFaceID機能を使っていて、他のスマートフォンでは対応していないのがネックです。

 

3DバーチャルYouTuber(VRHMD+Unity)

僕はまだ手をつけていないので、くわしく解説できません。実際にやってみたときに、追記します。

3DでバーチャルYouTuberをやるなら、HTC ViveやOculus RiftのようなVRヘッドマウントディスプレイと、Unityをベースにした3Dモデルを使う方法がスタンダードです。

けもみみおーこくホームページのQ&A、VTuber制作は、まず一番最初に読みたいですね。

また、3Dモデルの作り方については、自身が女の子のVTuberであるもちひよこさんの講座がおすすめ。

Blenderを使った3Dモデルの作り方は、スタジオ・ハードデラックス編「バーチャルYouTuberはじめてみる」でも紹介されています。

 

VRChat

VRChat(ブイアールチャット)は、3Dモデルを使ってオンライン上の世界で世界中の人たちと交流するサービスです。

ユーザーが自分で作ったモデルやワールドで遊べるので、その魅力にとりつかれるVTuberは多い……。

たとえばのじゃロリおじさんとシロ・ばあちゃるさんとのコラボ動画「シロさんの日に電脳ボーリング!【028】」は、VRChatで行われています。

ボウリングの玉を好き勝手になげつけることもできるし、まじめにピンを倒せば実際にスコアになるゲームも遊べます。

画像引用:シロさんの日に電脳ボーリング!【028】

そしてプレイは無料。

英語圏のサービスで難しいところもあるので、まずはVRChat 日本wikiの「初心者ガイド (やる事まとめ)」を読みましょう。

自作したアバターを使いたい人は、「全くの3DCG初心者が1日でVRChatアバターをBlenderで作ってログインする話-1-」が参考になるかと思います。

 

VirtualCast

VirtualCast(バーチャルキャスト)は、バーチャルキャラクターになってVR空間のスタジオで配信をしながらコミュニケーションできるサービスです。

サービスの運営は、株式会社ドワンゴと、株式会社インフィニットループ(みゅみゅさんが所属する会社)ですね。

画像引用:バーチャルキャスト テスト配信

特徴的なのは配信に乱入できる「凸機能」。放送を見たりコメントするだけでなく、直接参加できてしまうわけですね。

サービスの利用は無料ですが、HTC VIVEが必要です。

 

.cluster

.cluster(クラスター)は、株式会社クラスターが開発するVRイベントルームサービスです。家から出ずにイベントを開催、参加できる嬉しいツールですね。

画像引用:cluster.

このように多人数が同時に参加できます。

プレイは無料。VRヘッドマウントディスプレイなし、WinとMac両方に対応しているので、気軽に使えそうです。

 

参考文献・関連分野の本

初音ミクはなぜ世界を変えたのか?
柴那典
太田出版
売り上げランキング: 38,504

 

YouTube革命 メディアを変える挑戦者たち
ロバート キンセル マーニー ペイヴァン
文藝春秋
売り上げランキング: 5,361

 

 

 

 

ビジュアル・コミュニケーション――動画時代の文化批評
限界研 飯田一史 海老原豊 佐々木友輔 竹本竜都 蔓葉信博 冨塚亮平 藤井義允 藤田直哉 宮本道人 渡邉大輔
南雲堂 (2015-09-30)
売り上げランキング: 560,448

 

バーチャルYouTuberはじめてみる
河出書房新社
売り上げランキング: 616

 

ミライのつくり方2020―2045 僕がVRに賭けるわけ (星海社新書)
GOROman(近藤義仁) 西田 宗千佳
講談社
売り上げランキング: 832

 

おわりに

バーチャルYouTuberは、わずか半年の間に、とんでもない成長と変化を遂げてきました。

最初は、キズナアイさんのみがバーチャルYouTuberを名乗っていました。

ブーム以降は、コミュニケーションする生き生きとしたキャラクターのコンテンツ全般を、バーチャルYouTuberという言葉で指すように。

さらには、バーチャルYouTuber界隈という言葉も生まれ、ファンコミュニティに注目が集まっていきました。

そして、表現方法・発信方法としてのバーチャルYouTuberが生まれてきました。YouTubeに動画を投稿していなくても良い広いくくり、TwitterやVRChatなどでのアバターを使った活動もバーチャルYouTuberという動きの中にあります。

 

この文章で伝えられたのは、バーチャルYouTuberの文化のほんの一部にすぎません。もし、VTuber技術論、VTuberビジネス論を書いてくださる方がいたら、ぜひ読んでみたいですね。

 

このように、バーチャルYouTuberは実に多様で、これから先、いや1か月後ですらどうなっていくのかわからない世界です。

しかし、最低3年、あるいは10年続き、社会にかならず大きな影響を与えるムーブメントだと思っています。

 

僕はネット文化について考えて文章にするのが好きだったので、バーチャルYouTuberの文化について自分なりに整理してみました。

この文章を読んでいるあなたに、何か考えるきっかけが与えられたら、バーチャルYouTuberのことをもっと知りたいという気持ちが生まれたら、こんなに嬉しいことはありません。

バーチャルYouTuberについて考察してみたことは、ハッシュタグ#VTuber学会でつぶやいてみてください。きっと、同じようにVTuberのことを考えるのが好きな人たちと出会えます。僕だけでなく、みんなの「バーチャルYouTuber論」が読みたい!

また、もし文章について質問などあれば、木村すらいむのTwitter(@kimu3_slime)にリプライ・DMしてみてくださいね。

ではでは、ここまでお読みいただきありがとうございました!

 

スペシャルサンクス(敬称略)

企画、編集、構成の相談:くいしん青山俊之/としちる

誤字脱字、事実確認・修正、アドバイス:のりたま@食物系VTubernanashi d(‘ω’)bshimotsuすてあa2see(Atsushi Ando)Sora (Wahyu)陰山ペン@VTuber文化好きVTuberようてん木村すらいむ氏の「バーチャルYoutuber文化論」を読んで – ReDo」、なおざりマン

 

(もし掲載に問題あればご連絡ください)

 

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紹介してくれた記事・メディア・動画・配信

もし「バーチャルYouTuber文化論」をどこかで紹介してくれたら、ここに載せたいと思います。Twitter(@kimu3_slime)にリプライ・DMください!

 

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