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「初音ミク」とニコニコ動画の関係 どのように流行っていったか?

どうも、木村(@kimu3_slime)です。

初音ミク。ニコニコ動画発で、これほど有名になったキャラクターは他にいないのではないでしょうか。

彼女がニコニコ動画で人気を集めていたからこそ、様々なボーカロイド曲が作られ、ボイスロイドも発展してゆきました。

そもそも、初音ミクはニコニコ動画とどのような関係にあるのでしょうか? それを知るために、初音ミクがどのように発掘され、流行っていったかを調べてみます

 

初音ミクとは?

初音ミクは、クリプトン社から2007年8月31日に発売された音声合成ソフトであり、バーチャルアイドルです。

彼女は、声優の藤田咲(ふじた さき)さんの声素材をもとに、あらゆるセリフを読み上げ、さまざまな歌を歌わせることができます。

このようなボーカル機能を持ったバーチャルアイドルは、VOCALOID(ボーカロイド=ボーカル+アンドロイド)と呼ばれます。

バーチャルアイドルとはどういうことかというと、人間ではないけれど、外見イラストがあって、プロフィールがあるということです。

例えば、青緑の髪、年齢は16歳で、158cm42kgという身体的な特徴もありますし、「アイドルポップス/ダンス系ポップス」が得意なジャンルで、得意なテンポ(70~150BPM)や得意な音域(A3~E5)までありますね。

初音ミクは最初に発売されたボーカロイドではありません。例えば、MEIKO(メイコ)KAITO(カイト)は、それぞれ2004年11月、2006年2月に発売していますね。

それでも、初音ミクは一番最初に流行ったボーカロイドと言えるでしょう。それには、ニコニコ動画(γ)が始まって流行りだしたことが大きく影響しているのです。

 

初音ミク・初期の人気動画

発売前後

発売前日にアップロードされた「ボーカロイド 初音ミク デモソング」は、ボーカロイドという存在がほぼ知られていなかった割には、そこそこの人気を集めました。

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発売直後には、既存の曲を歌わせてみた動画が多く作られます。

その中で特に再生数が伸びたのは、「初音のアクエリオン」でした。

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創聖のアクエリオンは、「あいしてるううう」の弾幕でニコニコ動画ですでに人気だったので、それと組み合わせたことで人気になったのでしょう。

しかしながら、今の基準からすると「ズコー」ってなってしまう調教レベルのボイスです。発売翌日の作品ということを踏まえれば、よくできていると思います。

 

初音ミクに「Ievan Polkka」を歌わせてみた。

初音ミクはなぜネギを持っているのか? その答えは、2007年9月4日の動画「VOCALOID2 初音ミクに「Ievan Polkka」を歌わせてみた」にあります。

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画像引用:VOCALOID2 初音ミクに「Ievan Polkka」を歌わせてみた

コメントの「YYYYY」はネギの形の弾幕ですね。

曲名は、Ievan Polkka(イエヴァン・ポルッカ)。もともとは、フィンランドのフォークカルテットLoituma(ロイツマ)が歌った曲でした。

あ らっつぁっつぁ や りびだびりん らば りったん りんだん れんらんどぅ(Ratsatsaa ja ripidabi dilla beritstan dillan dellan doo.)

民謡のようなテンポとメロディ、歌詞に中毒性がありますね。フィンランド語の歌詞はこちら

 初音ミクに「Ievan Polkka」を歌わせてみた」がすごいのは、初音ミクをデフォルメした「はちゅねミク」を生み出したこと、「初音ミク=ネギを持たせる」という図式を生み出したことです。

このデフォルメ、ネギを持つという設定は、本系の初音ミクには全くないオリジナルのものです。これが初音ミクの最初の二次創作と言ってもいいでしょう。

 

Ievan Polkka(イエヴァン・ポルッカ)は、もともと次のようなネギを回すフラッシュアニメで、ニコニコ動画が始まる前の2006年頃から流行っていました。

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このアニメーションは、ロイツマの曲がテーマになっていることから、ロイツマ・ガールと呼ばれています。ニコニコ大百科によると、4chanが発祥のようですね

 

 

さらにフラッシュの元をたどると、アニメ・BLEACHの第2話「死神のお仕事」で、井上織姫がネギを振り回すシーンでした。もともと曲

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もともと曲自体、井上織姫自体にはネギが関係ないにもかかわらず、振り回す動きが面白いことからフラッシュアニメに使われ、そして初音ミクの動画でもネギが採用されることになった。

これが初音ミクがネギを持っている理由です。

 初音ミクに「Ievan Polkka」を歌わせてみた」は、音MADとしても映像MADとしても優秀で、初音ミクをニコニコ動画に知らしめた最初の作品と言えるでしょう。

 

 

みっくみくにしてやんよ

初音ミクを知っていて、この曲を知らない人はいない、1000万回以上再生された作品。

それが、2007年9月20日の動画「【初音ミク】みくみくにしてあげる♪【してやんよ】」です。作詞作曲はikaさんで、オリジナル曲ですね。

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画像引用:【初音ミク】みくみくにしてあげる♪【してやんよ】

タイトルの「みくみくにしてあげる」は、にちゃんねるで生まれたAA「ぼこぼこにしてやんよ」の改変ですね。

画像引用:ボコボコにしてやんよ – AA弐典

歌詞は、初音ミクのキャラクターそのものの魅力を歌っています。先ほど紹介したネギネタもちゃんと入っていますね(笑)。

科学の限界を超えて私は来たんだよ  ネギはついてないけど出来れば欲しいな

あのね、早くパソコンに入れてよ  どうしたの?  パッケージずっと見つめてる  君のこと

みくみくにしてあげる  歌はまだね、頑張るから  みくみくにしてあげる  だからちょっと覚悟をしててよね

「みくみくにしてあげる」は、フルボッコされるようなインパクトで初音ミクが好きになり、買いたくなってしまうという意味でしょう。

初音ミクとは関係のない歌詞を歌う「Ievan Polkka」とは対照的に、「みくみくにしてあげる♪」はボーカロイドである初音ミク自身がテーマの歌詞になっています

「Ievan Polkka」で「初音ミクって面白い!」となり、「みくみくにしてあげる♪」で「初音ミク好きだ!」となった人が多いのではないでしょうか。

「みくみくにしてあげる♪」は、もはや初音ミクのテーマソングであり、初期初音ミクの頂点と言って良いでしょう。

ニコニコ動画の楽曲を集めた初のCD「CDで聞いてみて。~ニコニコ動画せれくちょん~」にも収録され、ニコニコ動画を代表する曲のひとつとなりました。

 

8月31日に発売され、わずか1か月程度で爆発的なヒット曲が生まれるのは、ボカロユーザーもすごいと思いますが、それだけニコニコ動画という舞台がマッチしたいたのでしょうね。

特に初期の初音ミクは、フラッシュアニメやにちゃんねるネタをうまくニコニコ動画風にアレンジして伸びていったということが、よくわかると思います。

木村すらいむ(@kimu3_slime)でした。ではでは。

 

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