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ユーザーと共に動くオープンな運営思想に共感するから、にじさんじやニコニコを応援する

どうも、木村(@kimu3_slime)です。

僕の主義信条、あるいは行動方針を明確に言語化するため、タイトルまんまの話をしていきます。

 

にじさんじの自主性が好き→制度設計がTwitterで見えるのが良い

僕はバーチャルYoutuber、特ににじさんじの月ノ美兎委員長がとても好きです。

で、よくよく考えていくと、ライバーとしての委員長や、にじさんじというグループだけでなく、自主自立を重んじるスタンスがあるから好きなんですよね。

これは「バーチャルYoutuberの「グループ化」は必然の流れ 〜 にじさんじを例に」でも紹介しました。

そういう自主性が引き出される制度設計は、偶然ではなく、にじさんじ運営のいわながさん@iwataiki)によるものだと思ってます。

にじさんじのプロデューサーとして、かなりオープンに制度設計や運営方針を明かしています

自分の意見を述べるだけでなく、自分が経営者だったらどうか、まで聞いてしまいます(笑)。

僕は信頼できる運営者・いわながさんがいるから、にじさんじを、グループとしてだけでなく、事業としてやることすべてを応援したいと思っています。

で、そういう風に個人を信頼できるためには判断材料が必要で、Twitterでオープンに悩みや思想を発信しているのは大事だと思うんですよ。

もし運営側が、そもそも事業情報を隠したり、あるいはTwitterアカウントをもっていなかったりすると、応援できるかどうかの土台にすらのらないんですよね(僕の場合)。

 

ニコニコへの信頼が回復したのは、栗田さんの思想が感じられたから

僕はニコニコ動画で作られるコンテンツがずっと好きで、だからサイトで紹介し続けてきたのですが、ニコニコ運営が好きかというと、あまり期待していない方でした。ユーザーの意向は、長らく拾われていなかったと思います(少なくともこちらを向いているとは感じなかった)。

ニコニコ動画の新バージョン「く」が予告なく遅れ、発表会ではユーザーの求めていない謎機能が追加され、ユーザー側の不満は爆発。(求めてるものばかりが良いという話ではありません、もちろん)

参考:ドワンゴ川上会長、niconico運営責任者を“退任” 栗田取締役のもと新体制へ

結果、運営の責任者は川上さんから栗田さんに変わりました。

 

僕はこのときに栗田さんのことを初めて知ったんですよね。

特に、百花繚乱さんとの生放送「ニコニコ(く) 動画と生放送サービスに対する意見交換会」で、「こんなにユーザーの方向を向く人がドワンゴにいたのか」と驚きました。

実際、ユーザーの意見を聞きつつニコニコのサービスを改善する流れは単発で終わることなく、その実現のようすはTwitterアカウント・ニコニコ窓口担当(@nico_nico_talk)で順次報告されていきました。

ユーザーの意見を見ていると、「あれ? 別にもうニコニコ運営に失望する必要はない? 窓口もあるなら、伝えることは伝えていこう」と僕の中でのニコニコへの信頼が回復していったんですよね。

にじさんじ・いわながさんと同じく、栗田さんのTwitter(@sigekun)も、運営についての途中の考えを正直に共有し、ときには意見をつのっています

運営・プロデューサーがオープンなスタンスの人に変わるだけで、こうもネットサービスは大きく変わるのか、と驚いています。

と同時に、信頼できる、コミュニケーションできる運営がいるかどうかは、僕にとって大事な判断基準だなと確信しました。

 

もうひとつ例をあげると、深津貴之さんがかかわってからのnoteの変化でも、オープンな運営思想の大事さを感じています。

例えば「note.muのカイゼン目安箱を作りました」では、ユーザーの意見を拾い集めていますし、「noteカイゼン報告」という発信によって日々サービスが改善されているのが感じられます。


深津さんもTwitterが面白いんですよね。

僕はTwitterかブログが面白い運営者がいるウェブサービスが好きになっていきます(笑)。

 

ユーザーとともに未来を作る思想に共感し、それを実現する人を応援する

で、記事タイトルの話にいたるわけです。

 

僕がにじさんじやニコニコを応援したいと思うのは、単にコンテンツが好きだからだけではないんですよね(もちろんそこが好きじゃないと応援しようとすら思わないですが)。

サービスのファンになる、継続して応援するには、やはり何かの根拠が必要です。時間と気持ちの投資をするのですから、たとえ失敗してもそれでも良いと思えるほどの信頼が求められる。

コンテンツ好きで追っかけてたけど、運営がクソだから結局コンテンツも好きでいられなくなってしまうとか、悲しいじゃないですか。

 

じゃあ、僕は何に共感し、応援したいと思うか。

それが、オープンに運営し、ユーザーとともに未来を作るという、思想や方法です。インターネットで育てられた僕は、そこに根本的に共感している。

僕自身、そういう仕事をしていきたいものです。

思想や方法というのは、いくら良いと思っているだけでは実現されず、その思想が込められたサービスを通じて広がるわけです。

思想を持ったうえで、リスクをとった上で実現に落とし込める実力を持った運営者やプロデューサーが必要で、貴重なんです。

もしそういう人がいるなら、オープンな運営という思想の支持が、人への支持に落とし込まれる。

これが具体的には、さきほどのようないわながさんや栗田さんへの信頼ですね。

二人を支持する理由として、良い運営をしているからというのは表面的です。深く見れば、良い運営をするための思想を持って、かつそれを言葉だけでなく実現に落とし込めるから、という分析でした。

 

補足:ウェブの前提思想、ユーザーファースト

これがだいたいの話です。ちょいと大枠を補足。

今回の話は、特にウェブサービスを前提としてるところがあります。

(UGC系に限らず)ユーザーがサービスにかかわるタイプなら、絶対ににじさんじやニコニコやnoteのオープンな運営方針は参考になると思ってます。

今回の話のプロトタイプとして、僕はGoogleのユーザーファーストという思想が好きなんですよね。

1. ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。

Google は、当初からユーザーの利便性を第一に考えています。新しいウェブブラウザを開発するときも、トップページの外観に手を加えるときも、Google 内部の目標や収益ではなく、ユーザーを最も重視してきました。Google のトップページはインターフェースが明快で、ページは瞬時に読み込まれます。金銭と引き換えに検索結果の順位を操作することは一切ありません。広告は、広告であることを明記したうえで、関連性の高い情報を邪魔にならない形で提示します。新しいツールやアプリケーションを開発するときも、もっと違う作りならよかったのに、という思いをユーザーに抱かせない、完成度の高いデザインを目指しています。

引用:Google が掲げる 10 の事実 – Google

「ユーザー(体験)を大切にする」というのはウェブ以前のビジネスだと自明ではないんですよね。

ウェブの特徴に、情報のコピー・拡散が簡単という性質があって、それを活かすなら、基本無料で楽しめる形態をとるのが自然なんですよ。フリーミアムしかり。

つまりお金を払わない人も相手にしてサービスを立ち上げることになるので、だから顕在顧客ではなくユーザー(潜在顧客)全体をきちんと評価しようと、ユーザーファーストが導かれるわけです。

このユーザーファーストの精神を前提として、オープン・協創的な運営思想が支持される。

ユーザーを第一に考えるときに、ユーザーと向かい合わないなんておかしいですからね(笑)。

ユーザー数がめちゃくちゃ多いGoogleのようなサービスだと、ユーザーの行動をデータから推測して満足度を図ったりしています。が、それよりは小規模のサービスは、Twitterなどでユーザーとの窓口を作って、緻密にユーザーファーストを考えられるんですよね。

 

ちょっと話が広がりすぎるので終わりますが、このへんは「文化と経済(ビジネス)」というおいおい考えていきたいテーマにもつながってきます。

良い企業は、面白い文化を育む土台を提供して、そこで満足した人からお金をもらう、という仮説を持っています文化を育てて、余剰を収穫する

これを逆にすれば、あまり良くない企業は、既存の文化にただ乗りして、文化側に何も貢献することなく、経済的対価のみを得ようとします

ウェブサービス、特にユーザーがコンテンツを提供するウェブサービスは、どれだけ自サービスから面白い文化を生み出し、コミュニティ形成に貢献できるかが肝だと思ってます(SteamやGamewithなどなど)。

事例と実感がまとまってきたら、また文章にしますね。

木村すらいむ(@kimu3_slime)でした。ではでは。

 

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