淫夢の本質は差別的か? ビジュアル・コミュニケーション「淫夢論」を読む

どうも、木村(@kimu3_slime)です。

限界研「ビジュアル・コミュニケーション」、特にそのうちの「野獣先輩は淫らな夢を見るか? 〈真夏の夜の淫夢〉概説(以下、淫夢論」を読みました。

 

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「淫夢」について真面目に語っている唯一の書籍

ビジュアル・コミュニケーション」は複数人の評論がまとまっている本で、「淫夢論」を書いているのは竹本竜都・noobie(@17noobies)さんです。

ヤバい文字面が紙の本にまとめられているので、淫夢・例のアレが好きな人にはぜひ読んで欲しいですね。

淫夢論を書いているnoobieさんは、ネット上で批判的な読み方をしている方からのツッコミにも誠実に答えていて、信頼できる書き手だと感じました。

参考:「淫夢論」についてのせあぶら氏+αとのやりとり 主にLGBT的観点から – Togetter

実際、「淫夢論」は淫夢に詳しい入門文書で、問題点や歴史、これからについて全体像がつかめる良い文章だと思ってます。

逆にちょっとニコ動とか淫夢を全く知らない人だと、この話だけでイメージするのが大変かも。

 

「淫夢論」の疑問点・淫夢の本質は差別?

さて、僕も淫夢について「淫夢原作」「淫夢派生ネタ」、あるいは「クッキー☆」や「ホモと見るYoutuber」を書いているので、「淫夢論」の切り口・疑問点を述べたいと思います。

続くゲーム実況論が知らない人に対してやや攻撃的だったのに対し、淫夢論は中立・バイアスが少なく、全体像がよくまとまっていて良かったです。

 

ただ、「淫夢の原作のゲイビデオ=一般に忌避される」という構図で最初から語られるのが疑問です。ページ尺も短いので仕方ない面はあるのでしょうが……。

なぜ彼らはゲイビデオなどという世間に忌避されるようなコンテンツを好んで消費するのか? 淫夢とは一過性のブームに過ぎず、無意味で無価値な現象なのではないか?

そうではない。結論から述べよう。淫夢とは日本のインターネット文化の歴史がもたらした必然であり、多面的でハイコンテクストな文脈を持つ文化なのだ。

引用:ビジュアル・コミュニケーション

「ゲイビデオなどという世間に忌避されるようなコンテンツを好んで消費する」という表現は、言わんとすることはわかるのですが、もう少し慎重に書いた方が良いかと思うのです。

「世間に忌避される」という決めつけは、それ自体で忌避の再生産をしてしまっているので。

次のNAVERまとめでも、「『淫夢』それはホモビデオを見て笑う文化」と解説していて、「別にホモビデオであることを笑っているわけではないよね?」と思うのです。

そういう笑いをする人がいないとは言いませんが、それが本質というのは単純すぎる。

参考:「真夏の夜の淫夢」の面白さの要因、徹底解説 – NAVERまとめ

もちろん初期はにちゃんねるの「ホモネタ」の流れを汲んでいて、やや差別的でした。

しかし野獣先輩が登場した2010年あたりから、特に2014年あたりでニコニコ動画・例のアレで淫夢が大衆化・ファンが増加してからは、そういう風潮はほぼなくなったかと思います。

ニコ動で二次的に作り出した淫夢が好き・誇りを持っている人は多いかと。

参考:4章・野獣先輩はいつどこで発掘されたか? – 真夏の夜の淫夢入門その2

 

で、淫夢の本質って、別に差別的ではないと思ってます。もちろん差別的な面があるのは否定しませんが、それは現在の流行している淫夢とは別物だと思ってます。

差別性しかないジャンルって、内輪揉めを起こして自然消滅していっちゃうし。そうでない原動力があるから、淫夢は2018年の今まで続いています。

「淫夢は差別的なコンテンツだ」という人は、だいたい淫夢のことをよく知らずに、むしろ偏見で語っているんですよね……。

例えば野々村さんは「世間的に」ひどい扱われ方をしていたと思うのですが、あれがアリで淫夢がナシと言われるのは、単に淫夢をよく知らない人が多いからに過ぎないなと。

淫夢だけを性的差別だと言うのは、逆差別的な意識を持っているか、あるいは音MAD・二次創作文化に馴染みがないのではないかと思います。

(公式をリスペクトしない創作をすべて差別的だとするなら、立場は一貫するのでアリだと思いますが。)

 

「淫夢の問題点」みたいな話だと、よく「原作がホモビであることの問題」と「淫夢厨・淫夢文化の持つ問題」がごっちゃにされているんですよね。

前者・元がホモビであることをもって差別だというのに、指摘するのはホモビとは関係ない淫夢厨の問題行動であったりする。

「原作がホモビであることの問題」と、「淫夢厨・淫夢文化の持つ問題」って別の原因だと思うんです。

前者の一般的なLGBTの方への差別論と、後者の問題行動を混ぜるのは変だと思う。後者は、にちゃん・ニコ動・MAD文化に由来する問題点なんですよね。原作の題材は関係ない問題点です。

 

なぜか。

例えば「語録」は淫夢のみのものではありません。一般人が不快に思うような言葉が流行っているのは、クッキー☆・syamu・ハセカラでも同じ。

また、野獣先輩を「人間の屑」と呼ぶような、一見すると誹謗中傷に見える俗称は、淫夢に限ったものではありません。例えばハセカラのチンフェもそうですよね。

もっとライトに言えば、バーチャルYoutuberでも首絞めハム太郎シロイルカサブカルクソムカデといった俗称があります。

こうした俗称は不特定多数のユーザーの大喜利によって生み出されるもので、活発なユーザーが集まる場所ならネットのどこでも見られます。

特定や殺害予告があるという問題点も、また淫夢に限った話ではありません。クッキー☆やハセカラも同じです。これは特に匿名掲示板の文化と言えるでしょう。

元ネタとなる素材のジャンルは、そのジャンルの民の行動を規定しません。元ネタがホモビデオであるから、同人声優によるボイスドラマだから、オフ会0人のYoutuberだから……ということは、ユーザーの問題行動と関係ないのです。

むしろ、匿名掲示板やニコニコ動画の文化・システムの方が行動に大きな影響を与えていますこれらが共通しているから、淫夢・クッキー☆・syamu・ハセカラ民の行動には共通点があるのです。

 

淫夢に問題があるという話は、ほとんどが匿名掲示板やニコニコ動画の文化の問題点の話です。これが理解されていないのは悲しいので、僕のサイトが参考になればと思います。

淫夢特有の問題は、例えば「風評被害」など、他ジャンルに食いつく行動ですかね。

ただしこれも、にちゃんねるからTwitter・SNSの時代になるにつれ、薄れてきた文化だと思ってます。

記名のSNSにユーザーが増えたので、だんだん健全になってきてるんですよね(そうならざるをえない)。

 

とにかく、「ビジュアル・コミュニケーション」の淫夢論は話題として面白いので、ぜひ一度読んでいただければと思います。そしてTwitterで話ができると嬉しいです。

木村すらいむ(@kimu3_slime)でした。ではでは。

 

 

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