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「好き」を作って形にすると、仲間が集まるよ「ファンベース」を読む

どうも、木村(@kimu3_slime)です。

佐藤 尚之「ファンベース」を読みました。

僕が好きで読んでいるブログ「隠居系男子」で紹介されていたことがきっかけで興味をもって、書店でパラ見したら興味バッチリだったので買いました。

参考:ファンにファンだと公言してもらうために。 – 隠居系男子

 

「ファンベース」はどういう本?

要は、地道にファンに向かい合え、そうすれば報われる、というファンを重要視したマーケティングを提案する本です。

一方向的なマスマーケティングはきかなくなってきて、むしろファンの正直な言葉が信頼される

バズマーケティング・一時的な施策によっても新規の顧客を集めても、それだけでは資産にならない。

1割のコアなファンが売り上げの4割を占めるような例があるように、ファンを大切にすれば経済的にもリターンがある

ただ、ファンを囲って売りつけるようなのはNG。むしろアンバサダーのように、コアなファンに正直に商品の魅力を語ってもらい新しいファンを生み出してもらう、ファンを通して売る、のが健全で効果的。

ファンベースマーケティングは、きれいごとっぽく聞こえる。けれども、自社の商品が好きなファンに向かい合っていくのは、やりがいのある仕事でもある。というか、そうやって地道に価値を提供していくことこそが、企業の役目のはずですよね。

って感じに理解しました。

うすうす感じていた流れでしたが、ちゃんとマーケティングとして効果あるよっていう実例・根拠を示してくれたのが良かったです。

この本では紹介されていませんでしたが、「ことば」で戦うスマホアプリ・コトダマンは、まさにこれをうまくやっています。

画像引用:コトダマン – Twitter

ねこますさんとのコラボでつかんだ新規顧客を、Twitterフォローで名前がスタッフロールに掲載されるシステムで巻き込み、開発アンケートを行ってユーザーを巻き込む。

エゴサもリプライもめっちゃ早くて、注目しているゲームになりました。ベータテストも(複数人プレイが重すぎることを除いて)良かったので、4月16日のリリースを楽しみにしています。

 

「好き」を「作って」形にする

さてさて、僕はこの本の話は、マーケティング以外の面で興味を持っていて。

売り上げとか関係なく、趣味で何か作る活動をするときにも、ファンベースの考え方は役に立つと感じました。

お金を稼ぐことを目的にしない創作活動でも、作って発信するならば、どうせなら知られたい、仲間がほしいじゃないですか。そのヒントが、「ファンベース」にはたくさん紹介されています。

僕が印象に残ったのは、「コアなファンは、まだファンじゃない人を熱心に口説いてくれる」という話です。

著者のアンケート「企業・ブランド・商品に関するSNSサイトなどへの書き込み経験」によると、共感する企業・ブランドに対し、応援サイトを作ったり、SNSで擁護する書き込みをしたり、改善案を出したりする人が全体の5%くらいいる。これはまさにコアなファンですね。

「人づてで好きな作品を布教する」「非公式な応援サイトを作る」というのは、僕にとってすごく覚えがあって。Twitterで僕と交流がある人で、具体的に思い浮かんだんですよね。

Vtuberならもっけい(@mokkei_uneisine)さん、マジメ君(淫夢)ならミルラ(@myrrh_murr)さん。

彼らは、おそらくお金になるわけでもないのに、情報発信したり動画を作ったりして布教活動をしています。なんでやっているかというと、きっと好きだからなんですよ。それしかない(というと言い過ぎ?)、つまり偏愛です。

僕も実際彼らの作品から、そのジャンルに少しずつ興味を持ったり影響を受けたりしています。星の子ポロンも見ましたし。

 

とはいえ、僕もそうなのですが、自分が「好き」というだけでなく、マイナーなジャンルだから「好き」な仲間を増やしたい、胸を張って好きといえるようになりたい、だから作っているのだと思います。

好きなものを作る・発信していくことで、同志が集まり内輪ができて、ムーブメントが起こる・流行っていく。こういう同人的な文化が僕はすごく好きなんですよね。

実際、僕もブログで自分な好きなことを書き続けることで、興味・価値観の近い人が集まってきてTwitterで話せるようになりました。これはアクセス数が増えたとか関係なく、何より嬉しいことです。

というわけで、好きなことを実行に移す(作る人)をこれからも応援できる情報を届けていければと思います。Twitterでも気軽にからんでくださいね。

木村すらいむ(@kimu3_slime)でした。ではでは。

 

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