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コンピュータシステムは人間を支配する? 近未来刑事アニメ「PSYCO-PASS」が深くて面白い

どうも、木村(@kimu3_slime)です。

今回は、アニメ「PSYCO-PASS(サイコパス)」についてネタバレなしで紹介したいと思います。

深夜アニメを毎期チェックするようになってから5年、僕の最も好きなアニメです!

 

サイコパスとは?

まずは、公式情報や概要をまとめます。

PSYCO-PASS(サイコパス)」は、2012年にフジテレビ「ノイタミナ」で放送されたアニメです。概要を公式ホームページから引用します。

人間の心理状態や性格的傾向を、計測し数値化できるようになった未来世界。

あらゆる感情、欲望、社会病質的心理傾向はすべて記録され、管理され、大衆は「良き人生」の指標として、その数値的な実現に躍起になっていた。人間の心の在り方、その個人の魂そのものを判定する基準として取り扱われるようになるこの計測値を人々は「PSYCHO-PASS(サイコパス)」の俗称で呼び慣わした

犯罪に関する数値も”犯罪係数”として計測され、犯罪者はその数値によって裁かれる。

治安維持にあたる刑事たちは常に、犯人を捕まえる実動部隊となる“執行官”と、執行官を監視・指揮する“監視官”のチームで活動する。自らが高い犯罪係数を持ち、犯罪の根源に迫ることのできる捜査官こそが優秀な“執行官”となりうる。それゆえに、犯罪者になりかねない危険も孕む“執行官”は、その捜査活動を冷静な判断力を備えたエリートである“監視官”に監視されている。

2014年には2期「PSYCHO-PASS サイコパス 2」が放送され、2015年1月には映画『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス』が公開されました。監督は『踊る大捜査線』で知られる本広克行、脚本は虚淵玄、深見真、高羽彩、アニメーション制作はアニメーション制作 Production I.Gです。

 

犯罪者とは何か、正義とは何か?

さて、ここからは個人の感想を踏まえて好き勝手に書きたいと思います。

ざっくり言えば、PSYCO-PASSはディストピアものの物語です。僕は萌えアニメやファンタジーも好きですが、近未来のサイエンスフィクションの作品は少ないですね。僕が好きなSFアニメ他作品は「Steins;Gate(シュタインズゲート)」でしょうか。

もしコンピュータが発達して、人間の心理状態を計測できるようになったら、どうなるか。犯罪を起こしそうな人の指標である「犯罪係数」を測定し、犯罪を犯す前に裁いてしまえば、犯罪の件数は減り、安全な世界が実現できるでしょう。と考えるのが、PSYCO-PASSの世界です。

公安局に配属された常守朱は、チームを作り様々な事件に立ち向かっています。彼女らが犯人を捕まえるために所持しているのが、ドミネーターという拳銃。近未来的な輝きと、持ち手のウッディな感じが合わさって、男心をくすぐられます。

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画像引用:ドミネーター – CEREVO

ドミネーターを人間に向けると、相手の犯罪係数を測定することができます。犯罪係数が100以下ならロックされ、100以上なら麻痺をさせるパラライザー、200以上なら危害を加えられるエリミネーターなど、銃の形状と攻撃力が変化します。

重要なのは、相手を逮捕するかどうかは、執行官の判断ではなく、ドミネーターによって決められているということです。ドミネーターはシビュラシステムというシステムにネットワークとして接続され、そのシステムに応じて犯罪係数を計算し、銃の形状を変えるのです。

そうなると、例えば、必要以上に犯罪係数を高く評価されているように見える人がいても殺さなければならない場面や、明らかな犯罪を犯しているのに犯罪係数として評価されない人がいて裁けない場面が、ありうるのです。

その銃口(システム)は、正義を支配する。」というキャッチコピーがPVで使われていますが、このテーマが僕は好きなんですよね。システムを社会に導入することによって犯罪や冤罪は減っていく。治安維持には便利でしょう。

しかし、アニメ中で描かれるように、デメリットがある。正義とはコンピュータによって計算できるものなのか。システムによって育てられた人間に、人間としての意思はあるのか。

倫理とは何か? 正義とは何か? システムが発達していく未来において、人間の意思とはなんだろう? そんな哲学的な問いが、刑事もの的に犯人を追いかける中で提示される。それが、このアニメの面白さの一つです。

有り得ない程擦り込まれてる
目に見えるものだけの“世界”現象
暴き出せるかな

Plastic Tac Tic もう誰もおかしくなれないよ
貴様もplastic beautiful world
美しすぎる世界に僕はなぜか光が見えなくて
破裂していく心が 無限のリフレクション

 

システムの中の異端児 槙島聖護

様々な視点で描かれる群像劇のアニメですが、その中で僕が最も魅力を感じるキャラクターが槙島聖護(まきしま しょうご)です。

執行官の狡噛慎也(こうがみ しんや)と因縁があることが、アニメの冒頭で提示されています。

狡噛:お前は……槙島 聖護だ

槙島:お前は……狡噛 慎也だ

面白いミステリー小説や刑事ものには、面白い仕掛け役、理解しきなれない発想を持った人が必要だと思いますが、彼はまさにそう言ったポジションです。シビュラシステムによる完全な管理のある中で、いかに穴を突いてくるか。その手口が、面白いんですよねえ。詳しく言うとネタバレになってしまうので避けますが。

2ch管理者であったひろゆきさんの「無敵の人」という言葉を思い出すような人です。

一昔前までは、社会的信用の無い人の発言力は居酒屋で騒いだり、雑誌に投稿したりするぐらいしかなかったので、社会的影響力が少なかったのですね。

でも、現在はインターネットを使った犯行予告をすることで、警察官を特定の場所に動員したり、飛行機を遅らせたり、警備員を走らせたりするぐらいの発言力が手に入ってしまっているわけです。

彼らは、それなりの社会的影響力を行使できる状態にあるのですね。

でも、欲望のままに野蛮な行動をする彼らを制限する手段を社会は持っていなかったりするわけです。

ちなみに個人的に、こういう人を「無敵の人」と呼んでいたりします。

無敵の人に命令系統があって、ボスを捕まえたら解決するってものでもないのですね。

引用:無敵の人の増加。 : ひろゆき@オープンSNS

槙島は、作中でカリスマ的な魅力を持っています。システムによって管理された社会において彼がある種の人を引き付けるのは、そのシステムに惑わされず考え続ける姿勢にあると思います。実際、紙の本が少なくなった時代にもかかわらず、紙の本をしっかりと読んで、会話に引用します。フーコー、ヴェーバー、フィリップ・K・ディックを引いているアニメは他に見たことがありません(笑)

槙島「紙の本を買いなよ。電子書籍は味気ない」

槙島「調子の悪い時に、本の内容が頭に入ってこないことがある。そういう時は、何が読書の邪魔をしているのか考える。調子が悪い時でも、スラスラと内容が入ってくる本もある。何故そうなのか考える。精神的な調律。チューニングみたいなものかな。調律する際大事なのは、紙に指で触れている感覚や、本をペラペラめくった時、瞬間的に脳の神経を刺激するものだ」

作中で引用されていた本は、「紙の本を読みなよ」フェアとして書店で紹介されていたくらいです。こういうアニメに関心がある人に、オススメの本ですね。

参考:【新宿本店】 PSYCHO-PASSフェア「紙の本を読みなよ」 【本フェアは2013年3月~5月に開催していたフェアとなります。】

参考:「PSYCHO-PASS」槙島聖護が不適に微笑む「紙の本を読みなよ」フェア開催

 

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アニメ「サイコパス」に興味を持った方は、フジテレビオンデマンドで是非見てください!

月額350円と安い値段で全話見れます。他のノイタミナアニメ全て見れるので、お得ですね。

本当は、槙島と狡噛の関係について色々語りたいので、見た方はTwitterでお話ししましょう! 見てない人は見てください(笑)

木村すらいむ(@kimu3_slime)でした。ではでは。