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Google検索の結果には、信頼性のみが必要とされているか?

どうも、木村(@kimu3_slime)です。

医療情報に関わるメディアは「覚悟」を – 問われる検索結果の信頼性」というYahoo!個人の記事を読みました。

例えば「胃がん」というキーワードで、あまり信頼できない情報がGoogle検索の上位に表示されてしまうことを取り上げ、発信者は覚悟を持って欲しいという問題提起の話です。

 

検索結果は、誰もが最初にアクセスする情報になってきている

この記事の問題って難しいですが、公共的に大切なことだと思い取り上げました。

Googleは、情報を入手するためになくてはならないものになってきています。もはやインフラですよね。公共放送や図書館にあたる前に、Googleに結果をたずねる人は多いでしょう。

行政が提供する公共的な情報発信よりも、公共性があるかもしれない。だとしたら、医療について信頼できる情報がGoogle検索で上位に表示されることは、人々の健康につながるでしょう。

 

 

Googleは結果の信頼性を評価するか?

記事ではメディア側に「覚悟」を持ちましょうと言っていますが、僕はよほど悪質なものでなければ難しいのではないかと思います。

今回のように注目が集まれば、運営企業は対策を取らなければならないかもしれませんが、別の分野で同様の問題は発生するでしょう。

 

そして、Googleが信頼できない記事を下位に表示させれば済むかというと、そんな話ではありません。

結局、上位表示されるキュレーションメディアは、信頼性こそ少ないものの、情報量・読みやすさの点ですぐれているのです。覚悟を問うのではなく、(医療情報に関する)信頼できて、かつ読みやすいメディアを作るという解決法があります。これがものすごく難しいから、すぐには解決しないのでしょうが。

しかし、前述のサイトのようにメディアとして成功するためには、場合によっては1日100本以上の記事を更新し続けなければならず、メディアとして信頼性を担保するようなルールを遵守できないということだろう。

引用:医療情報に関わるメディアは「覚悟」を – 問われる検索結果の信頼性

 

信頼性は発信者の視点、読者はそれを必要とするか?

そもそも、ウェブの情報発信において、誰もが信頼性を意識する必要があるのでしょうか? 僕はそこを疑問に感じました。

医療に専門的に携わったことがある人にとって、信頼できない情報を発信しているメディアは許し難いものに見えます。

しかし、一般の読者は(残念ながら)それほど信頼性を意識していないのではないでしょうか。もちろん、そういう読者に信頼できる記事が届くことを目指すことを指摘しているのが、記事の最も大切な指摘です。

情報発信において信頼性は絶対視されがちですが、そうではない面をGoogleは描き出しています。つまり、(Googleにとって)読みにくい信頼性に意味はないということです。読みやすい記事・メディアを作れなければ、いかに信頼できる記事であっても、その信頼性はほとんどの読者に届きません。

 

特に行政機関の情報発信を見ていて、読みにくい作りをしているなと思います。

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画像引用:国土交通省 東北地方整備局

仕方のないことかもしれませんが、こんなに細分化したメニューを見て、何か知ろうという気分にはなりません。そして、結局ページを先へ進めると、肝心の資料はPDFで配布されていて、閲覧・検索しにくいです。信頼できる情報にもかかわらず、もったいない。

また、「信頼性」の意識は、時に情報発信を妨げます。専門知識を持った人だからこそ、正しく書かなければと考え、結果的に情報発信が少なくなり、キュレーションメディアに淘汰されることはよくあることです。

参考:専門的な知識はコミュニケーションをさまたげるのか?

 

「専門性・信頼性のある記事が一般の読者に届いてほしい」という理念に共感しますが、一方で、専門性・信頼性を目指すだけだと、それが担保されても情報発信者の視点によりがちで、読者が興味を持たないものになってしまうのではないか、という指摘でした。信頼性と読みやすさ、発信者と読者のバランスが大事ですね。

木村すらいむ(@kimu3_slime)でした。ではでは。