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Twitterで話題のハッシュタグ「 #数学和歌を詠もう 」とは?

どうも、木村(@kimu3_slime)です。

先日、文脈ゆるゼミでTwitterハッシュタグ「#数学和歌を詠もう」が面白いということを教えてもらいました。

和歌っていまいちピンと来なかったのですが、具体例と解説を聞くと、驚きました! 今回は、#数学和歌を詠もうを紹介します。

 

数学和歌とは?

まずは僕が最初に感動した数学和歌を。

まず、鳩の巣原理について簡単に紹介しましょう。

5つの巣箱のいずれかに、6羽の鳩全羽を入れる状況を考えます。このとき、どのような鳩の入れ方であっても、2羽以上入っている巣箱が必ず1つは存在する。これが鳩の巣原理の主張です。

証明は簡単で、もし2羽以上入っている巣箱が1つもないと仮定すると、5つの巣箱に入っている鳩の合計が5羽になってしまい、これは6羽の鳩全羽を入れるという前提に矛盾しますね。

例として5つの巣箱に6羽の鳩を入れる状況を考えましたが、\(n\)つの巣箱に\(m\)羽の鳩(\(n,m\)は自然数で、\(m>n\))を入れる状況を考えても同様に鳩の巣原理が成立することはわかります。

別に鳩ではなくてもよくて、40人の学校のクラスで、39個しか下駄箱を用意しなかったら、最低一つはかぶってしまう箱があるとも言えます。シンプルでわかりやすい存在定理ですね。

和歌の内容に戻ると、ちゃんと定理の内容が書かれています。「軒何処はと」どこの軒(巣箱)に鳩が飛び立とうと、「巣は問はず」に鳩が二つ入っているところがあるという理。

そして、この句の中には、鳩が6匹隠れています。は飛び、鳩は飛び、軒何処かはと、巣は問わず、原初の究説(きはと)け、理の言の葉と

これは、物の名(もののな)と呼ばれる和歌のテクニック。和歌の意味には関係がありませんが、その中に事物の名を詠み込むもの。(参考:物の名 – 学研全訳古語辞典 

そして、鳥肌が立ったことが……。「五七五七七」という形式の一つ一つを巣箱だとすると、鳩が6匹入っていて、確かに一番最初の「五」には「鳩/は飛/び」2羽入っている。鳩の巣原理を体現している!!! 和歌ってすごい。

 

もう長くなってしまうので解説しませんが、他にも面白い数学和歌がたくさん。

これもすごい。

カントールの対角線論法は、簡単に言うと「方眼紙のマス目に数を並べ、左上から右下へ斜めに数を取っていく」というもの。

 せ れ か あ

わ  つ わ ら

り の  し た

つ す て  な

る う も お 

_ じ   せ か

_ の   る ず

和歌でも斜めに取っていくと、かんとおる(カントール)の文字列が!

 

これも凝ってますねえ。

 

数学和歌の詠み方は、こちらが参考になります。

数学和歌を詠もう! 2016/9/10 – Togetter

 

#数学和歌を詠もう が生まれた経緯

「#数学和歌を詠もう」が生まれたきっかけは、こちらのツイートでわかります。

参考:和歌って楽しいよね

狡猾な狐(@dend0619)さんが「#伝道師になろう」というイベントで和歌を発表して以来、和歌を詠みたくて仕方なかったので、Twitterで和歌をプレゼントしようと思って詠んだ。そしたら、和歌TLになったので嬉しかったことがきっかけですね。

10月16日に「#数学和歌を読もう」をテーマにしたツイキャス生放送があるので、こちらも興味のある方は是非!

 

 

僕も一つ詠んでみようかな。

(縮小写像の部分をうまく込められなかったし、表現が直接的すぎる(笑))

 

木村すらいむ(@kimu3_slime)でした。ではでは。