図書館を歩いて検索する。
昨日、食品と科学についての話題を、ひと通り調べようとしていた。
ぼくが携わっているサイエンスカフェの企画づくり。
テーマは、食と科学だ。
そこにおいて、提示するものの文献調査をしたほうがよいなと思ったからだ。
図書館で特定のジャンルに詳しくなる方法
短く言うと、次の3つのステップに従って図書館を調べた。
1. 図書館を広く歩き、食と科学に関する話題がありそうな本棚を見つける。ブルーバックス、食品工学、体と食品(医学)の棚がみつかった。
2. それぞれの本棚から、よく知らない分野の、読みやすそうな本を手に取っていく。
3. 本を一つの机に集める。「タイトル、本棚の名前、書かれている内容について短いコメント」の形式で参考文献リストをつくる。
こんな感じ。
悠々社
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健康食品 ウソとホントの見分け方
498 体と食品
タイトルからして気になる。20種類のいわゆる健康食品について、効果はあるのかどうかなどの話しが広げられている。参考文献が章ごとにはつけられていないので、信じる前に裏取りをしたほうがよいかも。
こうして調べること3-4時間で、20冊くらいの本が集まった。
Evernote でつくったリストを公開しておく。食品と科学に関する本の調査。
特に関心のありそうな10冊を、これからざっと読んでみることにする。
数学の専門書について、本棚を渡り歩いたことはあった。
けれど、ここまで徹底してやったのは、今回が初めてだ。
3時間程度で、あまり詳しくない分野についてもこれだけの文献が集まることにおどろいた。
それだけの時間をかければ当然それだけの情報は見つかるでしょう、と思う人がいるかもしれない。
いや、これは図書館で調べたからこそなのだ。
Web の検索では、それ以上に手間がかかる。
”食 科学”で Google 検索した結果だ。食と科学について広く深く知るための信頼できるページは、見当たらない。
Web 上の情報は、信頼性を用心してチェックしなければならない。
wikipedia なら信頼できる情報があるのかもしれない、と思ってみてみた。
Category:食科学 のページを見てみる。カテゴリも下位のものまで分断され、ページ数も多く、逐一調べていくのは大変そうだ。
Category:食品添加物 のページは wikipedia らしいページの典型例だ。ここにある項目全体についての言及はないのだろうか。
それは、そのカテゴリページからはたどり着けない、食品添加物のページにある。
wikipedia のデータ構造は、キーワード検索には向いているが、体系だって調べるのには向いていない。
もちろん Web 検索には、インスタントに検索できるというメリットもある。
Web にしかない情報だってある。
同様に、本にしかまとめて書かれていない情報だってある。
図書館は、気になったテーマについて一気に調べるのにこれほどなく向いている場所なのだ。