何を目指しているのかはっきりしている話が好きだ。
「この前海好きだって話してたし、海に行きましょう。道はわからないけど、さあいきましょう。」みたいな。
話す人を歩くこと、聞くことを付いていくことに例えてみよう。
ひとりごとは、”あそこに行くのが楽しい”と、案内なしに歩き出すようなものだ。
いっぱい歩いて、いろいろな場所に行ったけど、結局なにが楽しいと思って歩いたんだろうな、となってしまう。
ウロウロする歩き方もいいと思うんだけど、行く先がわからないまま歩かされるとつらい。
ひとりごとではなく話しかけるということは、”どこかへきみを連れて行きたいと思う”という意思表示だ。
話しかけるということは、つまり歩いてもらうお願いをするのだから、歩く理由があってほしい。
こういうところにきみを連れて行きたいから、歩いてくれないかってね。
面白い場所っていうのは、そうして案内があってようやくたどり着けるのだと思う。
いつでも面白い場所に案内できるとは限らない。
けど、どこかには案内できるような話の仕方をしていれば、そのうちたどり着けるかもねと思うのでした。