水や空気がなくなったら、困るだろうか。
まあ、困るというか、死んでしまうよね。
生活に欠かせないものって、なくなったら困るけれど、なくしたら困るものという感じはしない。
なくしたくないものって何だろう?
例えば思い出を忘れたくないって言うけど、あの気持ちは何なんだろう?
失えるものだからこそ、余計になくしたくないものだと思うのだろうか。
生物として生きるのに欠かせないというわけでもないものを、人間は大切にしている。
嗜好品とか、娯楽とか、信念とか、感情とか、そういうものをなくしたくないと思って生きたりする。
ふしぎなものだなあ。
人間の、そういうよくわからないところが、ぼくは見ていて楽しい。
生きるのに関係のない物事だからこそ、そこに人間らしさが出てくるような気がして、ね。
生きるためにはどうでもいいけれど、それでも大切なものは、見失わずにいよう。