ニコニコ動画などの、たくさんの文脈をもった動画、コンテンツ、コミュティをどう紹介していけばよいのでしょうか?
せっかく面白いのに、なかなか前提知識が多くて、面白さを伝えきれないという経験、ありませんか?
ハイコンテクストなものの紹介には手間がかかる
先日、「【超会議2015】Webメディアの仁義ある戦い! はちま、ニコニコ界の王も参戦」を見ました。そこでの、KAI-YOU.net編集長 新見さんの話にとても共感しました。
普通のメディアからしたら、ニコニコ文化ってすげえ取り上げにくい。なんでかっていうと、ハイコンテクストというか、文脈をちゃんと読み込んでないと、それが何で面白いのか、なんで盛りあがっているのかが外にわかりにくい。
だから、メディアとして取り上げる場合、それはすっげえ深読みして、ちゃんと背景をあさって、その上ではじめて紹介できるから。要は手間がかかると思うんですよ、普通よりも。それでも、手間をおぎなって余りある面白いコンテンツはいっぱいあるんですけど、ニコニコ動画には。
ブログで記事を書いて紹介してゆきたいと思う面白いもニコニコ文化はたくさんあるのですが、深く理解して整理するとなると本当に時間がかかりますよね。
顔文字(⌒,_ゝ⌒)一つにも紹介する文脈が
例えば放送のこの画面一つとっても、それがわかります。
文脈を共有していない人からすると、「(⌒,_ゝ⌒)って何?」「なんで王って呼ばれてるの?」と疑問に思ったことでしょう。もこうさんの動画でよく目にする「発作」「ほろびのうた」「チンパン」といった煽りコメントは、初見の人からすると荒れているように見えるかもしれません。
「(⌒,_ゝ⌒)」という顔文字は、ゲーム実況者もこうさんのことを表して、からかったりするときに使われる。ポケモンバトレボ実況「厨ポケ狩り講座」投稿者コメントが元ネタ。
と説明したところで、この顔文字の何が面白いのかはきっと伝わらない。厨ポケ狩り講座やぷよぷよテトリスシリーズなどで、キレ芸を中心としたもこうさんの実況スタイルに馴染んではじめて(⌒,_ゝ⌒)という顔文字の面白さがわかるのでしょう。
一からその文脈を知ろうとしたら、動画を追うのに数十時間かかるでしょうし、多少のポケモンの知識も必要になります。
このように、ハイコンテクストなものをブログで紹介しようとすると、どこまでの前提をもって紹介するか難しい。
一から積み上げて解説したところで、面白さが伝わるまでの道のりが長いので、面白さがわかるまでが面倒。
かといって、自分が面白いと思う文脈をピンポイントで紹介しても、誰も文脈を共有できず伝わらない。
わかりやすさより好きの気持ち
ここまでのことを踏まえると、面白い動画やコミュニティを伝えていきたいなら、わかりやすく解説する必要はないのでしょう。
漫画、音楽、アニメなどの趣味嗜好の関係するコンテンツは、いくらわかりやすく紹介された記事があっても、最初の興味がなければ読む気がしないです。
それよりも、「これは面白い!」「この人大好き」といった発言をSNSや口コミで聞いたりしたときの方が、興味をもって手をつけやすい。熱意が熱意を呼ぶといいますか。
僕もそう思って、詳しく紹介するよりは、自分が好きだなあと思った部分を紹介するようにしています。ゲームをする楽しさが伝わってくる!ニコニコ動画 ゲーム実況者「むつー」さん、あまりの真面目さで笑いをもたらす アニメ声優「松岡禎丞」さんが魅力的。など。ニコニコ動画とそこに集まる人が好きだからこそ、何度も僕はブログで面白さを伝えようとしているのだと思います。
超会議の放送の中でもこうさんも「ステマの動画の何があかんかって言ったら、楽しそうにしないんですよ、仕事だから。」と言っています。
好きなものを好きと言い続けること。それが、好きなものを応援する気持ちの良い方法なのでしょう。