インターネットの奥深くにあるような内輪のやりとりも、ベースにあるのはリアルであって、リアルが様々な形でインターネットに取り込まれることでネットもリアルも豊かになっていくと思っている。
にちゃんねるの大学生活板で発生したリア充という言葉はその例だ。リアルが充実している大学生に溶け込めずにいる性格の人がネットでにちゃんねるを見ていることによって生まれた言葉だ。リアルに対するカウンター意識を持った人がネットをやって、リアルをネットに持ち込んだものだ。
中学生から高校生の頃(2003-2009年)、ネットを利用している人が同世代に増えてきて、人付き合いの苦手な人だけがいる場所であるネットが奪われてしまうのではないかと思っていたことがあった。インターネットがマス向けのコンテンツしか残らないのではないかという恐怖があった。
今思うと、それは見当違いの感覚だ。利用者が増えることで、実生活にネットは影響を及ぼすまでになり、ますますネットをすることは面白くなっていった。SNSを通して、実世界での知り合いが考えていることが一瞬で共有できるような時代を迎えた。
これからも、人間の面白さがネットに溶け出していくことだろう。目と目を合わせて行う人とのやりとりの面白さが失われることはないが、もっともっと、実世界の会話やコミュニケーションの面白さがネットに進出していけば面白いだろうなあ。まだまだ、ネットには載せられていないリアルの面白さはたくさんある。ただ短期的に、そう思うのでした。