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始まりは1994年!Web2.0以前のアフィリエイトマーケティングの歴史を徹底的に解説

どうも、木村(@kimu3_slime)です。

 

僕はこのブログで、「Amazonアソシエイト」などのアフィリエイトサービスを使い、商品を紹介することによってお金を得ています。

インターネットを使ってお金を稼ぐって、不思議なことじゃないですか? 20年前にはほとんどありえなかったことです。

アフィリエイトはそもそもどうやって始まったものなのか、知っていますか?

今回は、起源の1990年台-2000年台前半まで、Web2.0以前のアフィリエイトマーケティングの歴史を、ガッツリ紹介していきます!

 

目次

  • そもそもアフィリエイトとは
  • レベニューシェアがアフィリエイトより先にあった
  • 世界で最初のアフィリエイトは1994年! Prodigy社とPC Flowers & Gifts社
  • 1996年、Amazon.comアソシエイトプログラムの始まり
  • 1996-2001年、アフィリエイトサービスプロバイダ(ASP)の発展
  • アフィリエイトの歴史まとめ

 

そもそもアフィリエイトとは

「アフィリエイト」って知っていますか? 定義を紹介しておきます。

アフィリエイトとは、ウェブサイト運営者が広告を設置し、その広告によってサイト閲覧者が広告主の商品などを購入したとき、生まれた利益に応じて運営者広告主から報酬が与えられる広告のことです。

 

インターネットにはたくさんのサイト運営者と閲覧者がいて、広告主はサイト閲覧者に商品を売りたいわけですね。

しかし、それぞれのサイトに広告を出してもらおうとすると、手続きが面倒ですし、お金がかかります。

アフィリエイトという仕組みがあると、サイトを通じて売れた額に応じてお金を払う(運営者からすると受け取る)のが簡単になります。結果、現在に至るまで普及したのでしょう。

 

アフィリエイト(affiliate)は、提携する、会員になるという意味の英語です(参考:weblio http://ejje.weblio.jp/content/affiliate)。広告主とサイト運営者が提携するということですね。

販売の成功に応じて報酬が支払われるので、アフィリエイトは成功報酬型広告(performance-based advertising)と言われます。

 

 

レベニューシェアがアフィリエイトより先にあった

実は、インターネットが登場する前から、アフィリエイトに似たビジネス形態がありました。

それが、レベニューシェアという概念です。

レベニューシェア(revenue share)とは、「事業の収益を分配しましょう」という企業間の提携のことです。レベニューは、固定給を意味しています。

 

例えば、お店を作りたいけれど資金が少ないA社と、建設会社B社があったとします。

B社が「A社さん、お店は安く作ってあげるけど、そのかわりお店の収益の10%はくださいね」というのがレベニューシェアですね。

収益が出ればB社は得をして、そうでなければB社は損をします。リスクを共有して、利益を分け合うパートナー、それがレベニューシェアです。

 

 

この例で、お店をインターネット上の販売サイト、建設会社をウェブ制作会社に置き換えれば、いわゆるイーコマース(e-commerce, EC)になります。

レベニューシェアをイーコマースに当てはめる流れは、1994年に始まりました。(参考:https://en.wikipedia.org/wiki/Affiliate_marketing

これは、ウェブ(WWW)が開発された1989年の5年後です。

レベニューシェアについてもっと具体的に知りたいなら、次のページがわかりやすいですね。

参考:1,000万円のサイト構築費を50万円に抑える方法

 

余談ですが……

1960年台後半に開発されたインターネットに、URI(URL)、ハイパーテキストマークアップ言語(HTML)という発明を加えたことによって生まれたWorld Wide Webは、凄まじい発明でした。

という話は本題とそれるので、「Webの創世」を読んでください(笑) インターネット・Webそのものが好きという今時珍しい人にはオススメです。

 

Webの創成 ― World Wide Webはいかにして生まれどこに向かうのか
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世界で最初のアフィリエイトは1994年! Prodigy社とPC Flowers & Gifts社

さて、日本ではアフィリエイトの起源はAmazon.comと紹介されることが多いようですが、より先行した事例があります。

1994年10月頃、Prodigy社とPC Flowers & Gifts社です。(参考:History of Affiliate Marketing – ClickZ )(これにも諸説あって、アダルトサイトのアフィリエイトの方が先だったという説もありますが……)

PC Flowers & Gifts社はウェブサイトを運営し、そこでオンラインサービスを運営するProdigy社のサービスを紹介することで紹介料を受け取っていました。

 

現在、PC Flowers & Giftsのサイトhttp://pcflowers.comは、贈り物のECサイトFigisに統合されています。(参考:press release – macy’s inc.

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画像引用:http://pcflowers.com

 

 

Prodigy社のサービスは、ニュースや天気、買い物、メッセンジャーなどが使える会員制のポータルサイトのようなもの。月額料金を払うと、メッセンジャーの件数が増え、より充実したサービスが受けられました。

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画像引用:Where Online Services Go When They Die –  The Atlantic

そもそも、Prodigy社のサービス自体が、ヤフーなどのウェブポータルサイトの先駆けとなったようですね。

そして、グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を使った最初商用オンラインサービスでした。

 

GUIとは、画像や図形を使って情報を提示して操作を行える形式のことです。この概念は、上から下へ流れるコマンドラインによって操作するコマンドラインインターフェイス(CUI)と比べるとわかりやすいでしょう。

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画像引用:CompuServe screenshot – Computer History Museum

CompuServeは、1979年に始まったCUIを採用しているオンラインサービスです。

コマンドラインを使ったオンラインサービスから、会員制のWeb、そして全世界的なWeb(WWW)、ECサイト……。歴史の重みを感じます。

以上、Prodigy社の小話でした。

参考:https://en.wikipedia.org/wiki/Prodigy_(online_service)

 

アフィリエイトマーケティングを行った当時のPC Flowers & Gifts.comに注目して、それを日本に持ち込もうとした日本人がいました。こちらの話も面白いですよ。

 

 

1996年、Amazon.comアソシエイトプログラムの始まり

1994年の「PC Flowers & Gifts」と「Prodigy」の例が先駆けとはいえ、アフィリエイトが今日のように広まるきっかけになったのは、Amazon.comのアソシエイトプログラムです。

ざっくり言うなら、Amazonがアフィリエイトの起源と言っても良いでしょう。

1994年に立ち上がったアメリカのAmazon.com社は、インターネット書店を開業し、1996年7月にアフィリエイトプログラムを始めました。

今は生活用品含めあらゆる商品を扱っていますが、この頃は古本、映画、音楽のみを扱っていたんですね。

 

アソシエイトプログラムとは、どんな仕組みだったか。

サイト運営者は、Amazonのホームページ、もしくは個別の本に対して、サイト上でテキストリンク・バナーリンクをはるようになります。

そして、閲覧者がサイトを通じてAmazonを訪れ、本を購入すると、サイト運営者に報酬が支払われます。

 

2000年以前に、こうした形式のアフィリエイトがすでに確立されていたんですね。

Amazon.comの日本語版サイトAmazon.co.jpは2000年11月、アソシエイトプログラムは2001年5月に始まりました。(参考:Amazon.comで既に大評判の「Amazonアソシエイト・プログラム」を5月9日よりスタート

アフィリエイトの起源となるようなサービス自体が、アメリカと日本の間で4年の差があります。

この頃のインターネット関係のビジネスは、輸入され、時差をもっています。タイムマシン経営と言われるくらいです。

90年代を通じたソフトバンクの“十八番”は、米国の有望なネット企業に出資し、同時に日本では合弁会社を設立して、その先端的なビジネスモデルを持ち込むというものだ。孫社長は、「米国で成功したビジネスモデルは必ず日本にも遅れてやってくる」と考え、この手法を「タイムマシン経営」と呼んだ。

参考:ソフトバンク 孫正義 世界一への野望

なぜ、米国が先駆けていたのか、日本では先にできなかったのか。Amazon創業者、ジェフ・ベゾスの本を読んで考えることもできるでしょう。

 

ジェフ・ベゾス 果てなき野望
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1996-2001年、アフィリエイトサービスプロバイダ(ASP)の発展

さて、「アフィリエイト=Amazonが育てた」と言う図式は単純すぎます。

Amazonのアソシエイトプログラムと同時期に、アフィリエイトサービスを広めていったのは「アフィリエイトサービスプロバイダ(affiriate service provider, ASP)」でした。

 

LinkShare(リンクシェア)

LinkShareは、1996年アメリカにおいて始まったアフィリエイトサービスプロバイダです。

参考:会社概要 – Rakuten LinkShare 

2005年に楽天によって買収され、Rakuten LinkShareという名前になりました。

参考:楽天、米リンクシェアを4億2500万ドルで買収–世界進出への第一歩に

ややこしいですが、2003年に始まった楽天アフィリエイトと、リンクシェアは別物です(笑)。

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画像引用:楽天アフィリエイト

参考:LinkShare – wikipedia

 

ValueCommerce(バリューコマース)

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画像引用:ValueCommerce

ValueCommerceは、1999年に始まったASPです。

運営のバリューコマース社は、1996年に設立され、本社は東京にあります。

 

2005年にヤフー株式会社のグループ会社に加わったため、ヤフーショッピング関連の広告配信がとても強力ですね。(参考:トップメッセージ – 企業情報

 

 

A8.net(エーハチネット)

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A8.netは、2000年6月に日本において始まったASPです。1999年に設立されたインターネットマーケティング支援会社 F@N Communicationsが運営しています。本社は日本ですね

2006年3月に携帯向けアフィリエイトサービスMoba8.net(モバハチネット)、2010年4月にスマートフォン向け広告配信サービスnend(ネンド)を始めています。

このように、ファンコミュニケーションの特徴は、パソコン向けだけではなく、携帯向け・スマホ向けの独自ASPを手がけていることにあると思います。(参考:A8.net History

 

AccessTrade(アクセストレード)

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画像引用:AccessTrade

AccessTradeは、2001年に始まったASPで、東京に本社を置くインタースペース社によって運営されています。

広告は、パソコン、スマホ、モバイルの全てに対応していて、閲覧者のデバイスによって自動的に表示わけされます。

インターネットの力で日本を立て直そうとする、社長の河端 伸一郎さんの言葉が印象的です。

私がインターネット業界に足を踏み入れたのは1998年ですが、何故起業したのかといえば、それはバブル崩壊後に自信を失っていた日本のビジネス界をインターネットの力を持って社会を変革し、改めて元気な日本を造れるのではないかという確信を得たからです。

引用:会社情報 – Interspace

 

 

アフィリエイトの歴史まとめ

1989年 WWWの誕生

1994年 オンラインサービス事業のProdigy社とPC Flowers & Gifts社の連携

1996年 インターネット書店Amazon.comのアソシエイトプログラムが始まる

1996年 世界初のASP LinkShareが始まる

1999年 バリューコマース社が運営するASP ValueCommerceが始まる

2000年 ファンコミュニケーション社が運営するASP A8.netが始まる

2001年 Amazon.co.jpのアソシエイトプログラムが始まる

 

WWWが生まれて10年で、ホームページさえあれば誰でもアフィリエイトができるような環境が整ったんですねえ。早い。

 

アフィリエイト市場の成長は、EC(電子商取引)市場の拡大に大きく影響されます。

経済産業省によると、日本国内のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場は、2014年において12兆円。

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参考:http://www.meti.go.jp/press/2015/05/20150529001/20150529001-1.pdf

2010年から2014年にかけて、約毎年3%程度ずつ大きくなっていくのは驚異的です。

 

実際、これまでインターネットを使っていなかった上の世代の人も、通販でものを買うようになったと耳にします。

世界にこれだけの変化をもたらすようになったイーコマース、そしてアフィリエイト。

10年単位でこれだけの変化が起こるのですから、これから10年でどう変化しているかわかりません。

先のことを考えるために、今、インターネットの歴史を振り返ってみるのは面白いと思います。

木村すらいむ(@kimu3_slime)でした。ではでは。