どうも、木村(@kimu3_slime)です。
今日から高知嶺北を離れ、1-2週間ほど関東に行きます。 pic.twitter.com/6B9jVwukj6
— 木村すらいむ (@kimu3_slime) July 22, 2016
僕が高知県の嶺北地域に引っ越して3か月。久しぶりに、関東に行きます。
嶺北の人にも、関東の人にもよく聞かれるのが、「引っ越してみてどうですか」という質問。
大雑把な質問なので、「元気にやってるよ」といつも答えてるのですが、ちょっと文章にしてちゃんと考えてみます。
インターネット時代の田舎は良いところが多い
僕が引っ越してきた高知県の嶺北地域、土佐町は、田舎です。
今まで、群馬県の高崎市という地方都市や、東京の都会にしか住んだことがなかったので、「田舎に住むという選択肢はどうなんだろう?」と考えた結果の引っ越しでした。
生まれ育った土地が群馬や東京だったというだけで、住み続ける場所を決めてしまうのも、もったいないなと思ったのです。せっかくネットを使い場所にとらわれないような仕事をしているので、住む場所についてじっくり考える機会にしたいと思いました。
まず、田舎の良いところは、自然が日常的に見えるところです。むしろ、自然の中の一部分に人間の営みがある感じで、町の一部分が自然として作られているのとは別物です。僕は昔から山の見える景色が好きだったので、高知嶺北地域は良いですね。まだ目が慣れていないせいなのかもしれませんが、ただ外に買い物に行くだけで景色がきれいだなと自然に思えるのは、すてきなことだと思います。
その一方で、田舎にはないものがあります。まず、お店が数少ないです。今この記事は高知市のマクドナルドから書いているのですが、嶺北地域にはマクドナルドはありません。牛丼チェーンもありません。知っているコンビニは2件ほどでしょうか。お店は19:30に閉まります。田舎に住むということは、商業施設からの恩恵を減らすことにつながります。
しかし、お店がないことに僕はそれほど困っていません。東京にいた時はマクドナルドをよく利用していたのですが、引っ越ししてから行かなくって、特に困っていません。支出が減って嬉しいですね。夜中に買い出しに行けなくなりましたが、あらかじめスーパーに行けば良い話です。土佐町の場合、スーパーの規模は都会と余り変わりません。早い時間帯に買い物に行くことで、夜更かしは少なくなくなります。
高知県の嶺北地域は、地方都市である高知市へ車で1時間ちょっとで行くことができます。高速道路を使えば30分程度です。ユニクロとかマクドナルドとか、大きな本屋に行くなら、簡単に行けます。別にそう言ったお店の近くに住む理由はないなと思っています。
それに、買いたいものはAmazonなどネットで大体手に入るのです。僕が趣味にしている東方Project関係のCDなども、ネットで買えます。イベントはネットで体験できませんが、モノは手に入るようになりました。
参考:高校生の初コミックマーケット参加・初同人ショップ体験 僕と東方Projectとの出会いその3
インターネットは、都会的なもの・情報をどこに住んでいても持ってきてくれます。住む環境としては、田舎の方が僕は快適だと思っています。ネットのある田舎は、いいとこ取りができるわけですね。
今のところ、嶺北に住み続けたい
今住んでいる場所に、なぜ住みたいと思っていますか? どういう場所に住みたいか、考えたことはありますか?
僕は、仕事と人間関係が住む場所を変える大きな要素になっていると思っています。
まずは仕事について。
ネットがあれば仕事ができる人は、田舎に引っ越すのに適しています。なぜなら、田舎では仕事を見つけようとする意思がなければ、仕事が見つけにくいからです。仕事を持ち込むことができれば、何も心配がいらないわけですね。
仕事がないわけではありません。「田舎に仕事がないというのは嘘で、期間労働でお金の入る仕事はたくさんある」と聞きます。作物の収穫などで時期的に人手が必要になった時に、高齢化が進んでいる田舎では手伝ってくれる人の存在が貴重になりますもんね。仕事はあるのですが、タウンワークのように求人情報が集まっている場所がないので、人づてに探すことになるかと思います。そこができるかどうかは、引っ越しできるかどうかを分けるでしょう。
2011年に土佐町に引っ越してきた鳥山さんの旦那さんは、林業の仕事を目的に土佐町へ引っ越してきましたが、最初は福祉の仕事につき、その後林業につながったそうです。
夫はもう一度、地道に就職活動をして、まずは福祉の仕事に就くことを決めました。その仕事でも素晴らしい出会いがありました。今はご縁がつながり、町の森林組合で林業の仕事をしています。
引用:【高知県嶺北・土佐町】ここではないどこかへ、とはもう思わない。暮らしを育む知恵を継ぐ|鳥山百合子
高知県の場合は、ネットを使って活動しているような人なら、ブロガーのイケダハヤトさんが1年ほどお金の支援をしてくれるアシスタント制度があります。
僕は、フリーランスになるのと引っ越しが重なり、収入面が不安だったのでイケダさんにアシスタントの連絡をさせていただきました。しかし、後述するように思ったほど生活費がかからないことに気づいたので、お金は頂かないまま卒業となりました。でも、スタートダッシュの心的な保険になったのでとても感謝しています。
参考:イケハヤ書生、3人ほど卒業予定です。みんなやるね!(追記あり)
また、田舎は、都会に比べて生活コストが下がります。僕は土佐町の町営アパートを借りていますが、家賃は月に7200円です。東京に住んでいた時は、同じ大きさの部屋で65000円でした。つまり、6万円分の仕事を減らしても、家計収支としては変わらないわけです。
「本当にそんな安い家があるの?」と疑問に思うかもしれませんが、意外とあります。月に5000円で借りられる空き家もあるくらいです。れいほく田舎暮らしネットワークの「空き家紹介」のページで、空き家の数や家賃を確かめてみてください。
そして、人間関係について。
僕は、人間関係が住む場所を決める最も大きな要因だと、引っ越してきてから思い至りました。
たとえ田舎にいても、インターネットがあればコミュニケーションが簡単に取れます。SNSで見かけたり、電話をしたりするので、親しい人が関東にいようが海外にいようが関係ないなと思うのです。近くに住んでいても関係がない人とは関係がないし、遠くにいる人でも連絡を取りたいと思う人とは連絡を取る。
この前は、ありがたいことにプロブロガーのタクスズキさんが遊びに来てくれました。
参考:「東京でタワマンにお金を使うのはつまらない」イケダハヤトはなぜ高知でベーシックインカムを払い続けるのか?
参考:新卒フリーランスの成功者(24)が言うんだから間違いない!ブログは人生を変える力を持っている
僕は、住む場所を選ぶにあたり、親しいと思える人が営んでいる地域に住みたいと思いました。
「村には400人しかおらん? いや、400人もおるんやって思う。みんなで切り拓いて、ここで生き抜いていくんや」とご主人。
参考:400人“だけ”じゃない、400人もいる!高知県大川村の挑戦!!
それにあたっては、都市のように人数が多い場所では、自分の親しい人が大きな力を持つということはありません。1/400000と1/4000では、一人の存在の大きさが全然違うんですね。僕が都市にワクワクできなくなってしまった理由は、ビジネスによって町を大きく変えることはできても、住民として大きな存在にはなれないだろうと思ってしまったことにあります。
嶺北地域には、先に引っ越してきた移住者がネットワークを作っています。例えば、れいほく田舎暮らしネットワークがそうです。僕は今年の2月に初めて嶺北地域を訪れた時に、このネットワークにいる人たちがとても面白そうだなと思い、引っ越しを決意しました。
本山町で「だいちハウス」という家を運営する矢野大地さんも、最近「ONEれいほく」というNPOを作り、人を集めネットワークを形成しています。
参考:なぜ、東京から引っ越して、高知の嶺北地域に住むのか? 学びのインフラとして個人大学、文脈ゼミをはじめます
参考:矢野大地さんが運営する「だいちハウス」が写真8つで丸わかり in 高知県本山町
「高知に住んでみて、どうですか?」ということですが、住み続けたいと僕は思っています。「今のところ、高知には1年くらいいるつもり。1年経つまでに、今後のことを考えます。」とよく答えているのですが、現状の判断では、嶺北は面白い場所です。
最近では、れいほく田舎暮らしネットワークの川村幸司さんや、嶺北高校教育魅力化特命官として教育に取り組む瀬戸昌宣さんの所で、ちょっとしたお手伝いをさせてもらっています。町を良くしようと取り組む人の顔が見えて、その活動に関われるのはとても面白いことです。
嶺北地域に住んでいる・引っ越してきた人は以下の記事に良くまとまっているので、ぜひそちらをご覧ください。
参考:会いたいひとが暮らす町【高知県嶺北・土佐町】特集、はじめます。 – 灯台もと暮らし
参考:大人が本気で遊び、暮らす町【高知県嶺北地域】特集、続けます。 – 灯台もと暮らし
木村すらいむ(@kimu3_slime)でした。ではでは。