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「排除と差別の社会学」を読んで

どうも^σ^,@oily_slimeです.

僕は今回,好井裕明 編「排除と差別の社会学」という本を読みました.

排除と差別の社会学 (有斐閣選書)
有斐閣
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「差別はいけない」「差別のない社会を目指す」と書くことが薦められる感想文を体験した方は多いのではないのでしょうか.そうした,決まりきった感想のどこが問題なのでしょうか.

私たちそれぞれが,つねに差別する可能性をもっていると言い切れるのはなぜなのか.私の生活に差別は関係ないとは言えないのはなぜなのか.

無知は差別の温床と言われるが,差別を知るための知識はどこでつければ良いのでしょうか.

そうしたことが本では述べられています.

 

「いくら細かく正確な知識がついたからといって,それだけで差別をしないではない.社会はそんなに甘くないのでは.」と思う方もいると思います.それについて好井さんは,

差別問題をめぐる知識を身につけるとともに,私たちがいかに差別的な日常を生きているのかを,見つめなおしていく必要があるのではないだろうか.

と「普通であること」を見直す必要性を述べています.

さらには,排除や差別を,”生きる手がかり”として活用しましょうと好井さんは述べます.

「差別はいけない」とだけ言うのではなく,排除や差別をしてしまう可能性をもつ自分を認める.そのうえで,どうして自分はそうしたことをしてしまったり,考えてしまったりするのかを見直すきっかけとして,排除や差別を活用しましょうと.

排除を差別を活用する方法だけではなく,個別の問題を手がかりとして考えてゆくことも扱っています.

屠場,マスメディア,ジェンダー,同性愛,異性愛主義,障害者,ハンセン病,ユニークフェイス,ひきこもり,新卒採用,外国人,部落 といった内容も扱っています.日常的な発言に覚えた違和感を話のきっかけとし,社会情勢との関係についても分析している文章が集まっています.

 

おわりに

結局,この本を読んだからといって,根本的な問題が解決できるようになるわけではありません.それでも,日常に起こっている差別や,少し違和感を覚えたことをきっかけに考えるにはどうしたらよいか.それを考える役には立ちます.一人でも一歩,歩み出すための本です.

ここまで読んでいただき,ありがとうございました^σ^.