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成績が良いかどうかではなく、学びたいかどうかで文理選択・学部選択するには? 

どうも、木村(@kimu3_slime)です。

高校2年生の時に、「大学進学をする人は、文系か理系か選び、紙に書いて提出してください」と言われたことがありました。どちらか選ばなきゃいけないのか……?

そもそも大学にどんな学問があって、どう分けられていたのか、イマイチわかっていないのに選ばなければならなかった。そうなると、学びたいことではなく、成績で進学する学部を決めてしまう人もいるのではないでしょうか。数学が苦手だから文系を選ぶ、といったように。

これを避けるためには、理系・文系という区分を離れた学問の3分類、自然科学、社会科学、人文学を知っておくことが役に立つでしょう。

 

理系・文系という分け方は日本に固有のもの

僕にとってすでに当たり前になっていますが、イマイチ一般に普及していない認識として、文系・理系の区分は本質的ではないということがあります。

西洋では、自然科学(natural sciences)、社会科学(social sciences)、人文学(humanities)という分け方が一般的です(もちろん、他に分け方はいくらでもあります)。

後発国として、手っ取り早い産業化と近代国家づくりが求められた日本では、西洋諸国からの技術移転を担う人材と、同じく制度移転を担う人材とを速やかに育成することが高等教育の第一目標に据えられた。

そのため、高等教育は大きく「文科系」と「理科系」とに分けられ、文科系の中心は伝統的に法学部が担うことになった。
制度づくりが「文科系」に握られたので「理科系」は冷や飯食い、というフォークロアが生まれる素地もここにある。

こうしたシステムが一応できあがったところに輸入されはじめた「社会科学」のほとんど、心理学も人類学も言語学も社会学も—-ヒューマニティーズを思わせる「人文科学」として文学部におさめられたのである。当然、「役になんか立たないもの」として。なんというガラパゴス!

引用:サルでも分かる人文科学/社会科学/自然科学の見分け方(分割図つき) – 読書猿Classic: between / beyond readers

このように、心理学・人類学・言語学・社会学は、日本では人文学部におさめられていることが多いです。そのために文系の学問というイメージがついていて、社会科学として理解しにくいのではないでしょうか。経済学が「文系」にくくられていたり、文学部に心理学科があるのは謎でしたねえ。

 

学びたいかどうかで学問を選ぶために

僕は、文理選択や学部選択は、成績の良さだけではなく、学びたいかどうかで選ぶ人が増えてほしいなと思っています。

しかし、高校に「できるだけ偏差値の高い大学に入ろうとする」傾向がある限りは、学びたい学問ではなく、成績の良い学問を重視してしまうでしょう。

そもそも、どんな学問を学びたいか考える材料が少なすぎるんですよね。高校生の時に、大学の各学部では何を学んでいるのか、よく知る時間はありませんでした。「自分で調べろ」と言われればそれまでなのですが、それにしても学ぶ機会・動機が用意されていないなあと。大人もあまり教えてくれない・わからないですし。

例えば今なら、無料でオンラインで大学の授業を受けられるMOOCというサービスがあります。

参考:大学で授業を受ける仕組みが変わりうる?修了証のあるオンライン講座 MOOC(ムーク)。

大学1年生が使っている資料に目を通せば、なんとなく雰囲気はつかめるでしょう。

参考:大学の教科書は高くて買えない?なら、ネットで無料の講義資料を見つけよう。

文脈ゆるゼミでは、自分が大学で専門としていなかった話をしたりします。教養としてさまざまな学問を軽く体験してみることで、何を学びたいかがわかってくるでしょう

参考:選択肢の豊かすぎる時代に、選ぶための動機をどう調達するか?

木村すらいむ(@kimu3_slime)でした。ではでは。