どうも、木村(@kimu3_slime)です。
最近Twitterで見かける「バーチャル蠱毒」という言葉が気になったので、その元ネタ・初出を調べてみました。
「バーチャル蠱毒」とは
バーチャル蠱毒=バーチャル+蠱毒です。それぞれ意味を確認していきましょう。
まず蠱毒(こどく)とは、古代の中国で行われていた呪術です。
ヘビやムカデといった虫を同じ容器で育てて競争・共食いをさせ、勝ち残ったものに強さを認め、その毒を使うことで特別な効果(呪い)が得られるというもの。
犬夜叉やHUNTER×HUNTERといったマンガ・フィクションでも蠱毒に関する話がありました。
同種の仲間同士が競い合うという点では、青少年が殺し合いをするバトル・ロワイアルもの・デスゲームものと似た意味合いを持っています。
また、「バーチャル○○」は、バーチャルYouTuberに関することで使われる接頭語で、○○のバーチャル版を意味しています。
例えばバビ肉(バーチャル美少女受肉)おじさんは、おじさんが美少女のバーチャルな肉体を手に入れるという意味です。
参考:「バ美肉(おじさん)」の意味・元ネタ・初出は?、バーチャルYouTuber文化論 【最新版】なぜブームに? 理由を徹底解説!
つまりバーチャル蠱毒とは、バーチャルキャラクターたちを競い合わせる(そして消滅させあう)ことを意味する言葉です。
より狭い意味では、バーチャルYouTuberたちのとあるオーディション(最強バーチャルタレントオーディション〜極〜)を指しています。
これがバーチャル蠱毒と形容されるのは、キャラクター(ビジュアル・設定)をめぐって、公開で行われるオーディションだからです。
#オーディション極 雨ヶ崎笑虹 まとめ
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"https://t.co/5I0hFncAIl~eko-012]" pic.twitter.com/zRsWI9N6O8— バーチャルYouTuberに強い弁護士 (@cross_law_firms) November 20, 2018
魂・中の人となる候補が複数人いて、その中から審査で評価された人が最終的にキャラクターを演じられる、という形式。逆に言えば、評価されなかった人はそのキャラクターとして生きられない(消える・死に近い)ので、蠱毒と言われてしまうわけですね。
これはオーディション参加者のひとり、林檎のNo.5さんにも指摘されています。
この“オーディション”は
本日から~23日まで
如何なるポイントもランキングに影響ないスタートダッシュイベント26日~29日まで
12名を5名+αまで絞る予選イベントそして
12月1日~5日まで
最終審査に進出する2名+αを決める本戦イベントだわざわざ何日もかけて切る
この人間らしい残忍さたらないな— 九条 林檎 (@ringo_0_0_5) November 19, 2018
「バーチャル蠱毒」の元ネタ・初出は?
バーチャル蠱毒という言葉自体は、バーチャルYouTuberが登場する以前から存在しています。また、今回のオーディション以前からバーチャルYouTuberの文脈でも使われていました。
https://twitter.com/BunnyFunny27/status/433740947931680768
しかしにじさんじの連中はバーチャル蠱毒でもやってんのかってくらいレベル高い魂を引き当ててくるな…
— 時雨諒@コミケ2日目参戦!! (@snowmint_04) March 13, 2018
参考:バーチャル蠱毒 until:2018-11-01 – Twitter検索
最強バーチャルタレントオーディション〜極〜の特殊さが気づかれ始めたのは、11月20日頃。
Virtual Youtuberらしき人にフォローされたのでフォロー返しをしたら、
同じ名前の人にまたフォローされた。よく見ると名前に番号がついているので「なんだこれ?」と調べてみたらにツイッターとShowRoomに同じ名前のVirtual Youtuberが12人いた。なんだこれは pic.twitter.com/QS4LNOsuaS— いおり@そらとも (@iori016) November 20, 2018
Twitterで見つかる範囲では、11月21日の次のツイートがこのオーディションを最初にバーチャル蠱毒と形容しています。
https://twitter.com/Yui_Maidroid/status/1064917368705568768
その後、バーチャル蠱毒という言葉が企画に先行して流行っていきました。
バーチャル蠱毒はマジで勝ちにかかるならDMCA著作権の虚偽申告で相手のアカウントを潰すとか、言葉尻捉えて自殺教唆や殺人予告でアカウント潰すとか、ポリコレ棒でタコ殴りにするとか、そういう番外戦術が軽く15は浮かぶんやけど……このゲーム、嘘喰いのプロトポロス編に近い展開があり得る
— はるか/コミケ日曜西れ68a (@YT_HARUKA) November 21, 2018
バーチャルタレントオーディション、同じ名前を与えられているため番号を覚えてもらう必要があり、勝者だけが名と身体を獲得し敗者はインターネットに消えていくという様子で凄まじいサイバーパンク性がある pic.twitter.com/wIBRIeytqX
— 倫理ちゃん (@RINRICHAN_R) November 21, 2018
バーチャル蠱毒 雨ヶ崎笑虹
人気投票結果発表! pic.twitter.com/B4wwe7wZPT— てぃぼ (@tibalt_the_ko) November 22, 2018
例えば「所謂バーチャル蠱毒について」という考察記事も生まれています。
バーチャル+蠱毒という言葉の不穏さ、また企画・オーディションの形式が考察を呼ぶものであったから、ここまで認知されていったのでしょう。また、オーディションの候補生自身がその事実にも言及していることがその認識に拍車をかけます。
えっ私消えちゃうの……消えたくないよ………(震え声)
— 雨ヶ崎 笑虹 No.01 @ 闇の虚空のエコワンコ (@eko_0_0_1) November 21, 2018
https://twitter.com/yui_0_1_2/status/1065174290234920960
ネット上の反応としては、自分の好きだった人格が消えてしまう可能性があるとして、ネガティブな反応も見られます。
一方で、バーチャル蠱毒という言葉を得て認知される企画となったという点では、何も知られないよりはるかに効果的と言えるでしょう。
僕個人としては、確かに不気味な点がありますが、演者がそれを受け入れて立ち振る舞っていくならば面白い企画だと思いました。
木村すらいむ(@kimu3_slime)でした。ではでは。