明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
ブログのタイトルを、「アナタドウ?」から「文脈をつなぐ」へ変えました。
それに伴い、ブログのデザインと、記事のカテゴリを変更しました。いかがでしょうか。
今回は、変更した理由をじっくりと書き記していきます。
「アナタドウ?」とは?
そもそも、「アナタドウ?」というタイトルは、2014年の10月に決まりました。
僕は人とサシで話すのが好きなんですよね。
今ハマっていること、これまで体験してきたこと、これからやっていきたいことを聞くと、なんだかその人のことがよりわかったような気分になります。
特に面白い話というのは、社会的な良し悪しについての一般的な考えではなくて、あなたがどう思っているかという個人的な考えの中にある。
そこで、アナタドウ?というタイトルをつけました。
参考:ブログの名前とも言える、ブログタイトル。ぼくはこう決めた。
なぜ変えるのか?
まず、「アナタドウ?」というタイトルが、口頭では聞き取りづらいという技術的な理由があります。しかし、それは本質的な理由ではありません。
ブログのタイトルを、ぼくが本当に関心にもっているテーマに近づけていきたいと思ったのが理由です。そのテーマとは、文脈です。
文脈と言っても、文章の流れの中にある意味合いといった、狭義の文脈だけを意味しません。
言語学におけるコンテクストとは、メッセージ(例えば1つの文)の意味、メッセージとメッセージの関係、言語が発せられた場所や時代の社会環境、言語伝達に関連するあらゆる知覚を意味し、コミュニケーションの場で使用される言葉や表現を定義付ける背景や状況そのものを指す。
引用:wikipedia
コンテクスト、個人の中にある考え方、価値観、前提、背景、謂われ、由来、行動習慣、文化といったものが、広い意味での文脈を指していると考えています。
文脈とは?
僕が意味する文脈というものについて、例をあげて説明しましょう。
2015年のNHK紅白歌合戦では、小林幸子さんが「千本桜」を歌いました。
今やインターネット動画サイトやコミックマーケットなど若者のネットカルチャーの中で、「ラスボス」と呼ばれカリスマ的な人気を誇る小林幸子が、今年の紅白で、ネットカルチャーと融合し、どんな進化形“小林幸子”を魅せてくれるのか!?
巨大の衣装の背景には、「幸子あいしてるうう」などのコメントが流れていました。
これは、NHK紅白歌合戦だけを見てきた人にとっては、よくわからないものだったのではないでしょうか。
しかし、その「インターネット動画サイト」とはニコニコ動画のことであり、次の新人動画を知っていた人にとっては、感動のシーンであったことでしょう。
画像引用:【初投稿】ぼくとわたしとニコニコ動画を夏感満載で歌ってみた【幸子】
[nicodo]sm21765459[/nicodo]2013年9月、ニコニコ動画に特有のジャンル「歌ってみた」にて、小林幸子さんの動画が突然投稿されました。2016年現在、200万再生、10万コメント、7万マイリストを達成。
[nicodo]sm15630734[/nicodo]紅白で小林幸子さんが歌った「千本桜」は、2011年に黒うささんによって投稿されたボカロ曲で、「ボーカロイド伝説入り」タグがつけられる人気曲です。
参考:「千本桜」はなぜ国境を越えて愛されるのか? CTS feat.初音ミクの動画が英語圏で話題を集める背景
このように、ニコニコ動画やボーカロイドといった文化や、「小林幸子さんがニコニコ動画に歌ってみた動画を投稿して人気になった」事実が、文脈の例と言えるでしょう。
「伝わる人に伝わる文脈」。それは、ハイコンテクストとも言われています。
参考:ハイ・コンテクストとロー・コンテクストの視点からみる中国と日本
北京外国語大学 周 怡
なぜ「文脈をつなぐ」なのか?
小林幸子さん、ニコニコ動画の例で見たように、文脈というのは人と共有しにくいものです。
音楽番組でアニソンが流れるとちょっと冷めてしまう人がいるように、馴染みのないカルチャーって手を出しにくいですよね。
でも、ぼくが好きな文脈というのは、たとえどんなにマイナーで小さい文脈であっても、残していきたい。
小さな文脈を見つけて、ブログの記事として発信して、他の人がもっている文脈と結びつけたい。
そんな思いから、「文脈をつなぐ」というブログタイトルをつけました。
もともと、2015年書いていた記事も、文脈を見つけようとすることが実質のテーマになっていたんですよね。
「ニャンニャンニャンニャン二枚貝」と「ゲーム実況者」と「スプラトゥーンのBGM」という文脈を見つければ、この記事になります。
参考:頭から離れない。スプラトゥーン「ニャンニャンニャンニャン二枚貝」の元ネタBGMは「Splattack」!
次の記事は、「グローバル化」と「東南アジアへのベンチャー企業の進出」と「日本の少子高齢化」という文脈を通したイベントレポートですね。
参考:どうして日本はASEANへと「グローバル化」したくなるのか? ー アセナビのイベントに参加して考える
なぜ「つなぐ」のか?
インターネットが登場してから、個人の趣味は細分化してきたと言われています。
参考:自分が見るインターネットと、他人が見ているインターネットは違う 藤川真一
実際、ぼくが文脈というキーワードにたどり着いたのも、中学生くらいの頃から特定のネットカルチャー、同人・二次創作文化、小さな文脈に入り浸ってきたからなんです。
そして、その小さな文脈というのは、とても面白いのに、その面白さが伝わらないまま廃れていってしまったりします。お気に入りの個人ブログやネットラジオが、あまり読まれずに更新停止していってしまったり。
でも、文脈がつながる(共有できる)とめちゃくちゃ楽しいんですよね。
参考:【もとくら読者座談会】趣味が合いすぎて思わず握手する大学生|後編
そこで、小さな文脈を大きな文脈につなげること、すなわち小さな文脈を、多くの人に伝わるような文脈と結びつけて考えることが有効であると思い至ります。
これは、チェコ好きの日記のチェコ好きさんが提唱し、発酵デザイナーの小倉ヒラクさんが取り上げた「縦の系譜をつなぐ」という考え方にも似ています。
「伝統を継承する」とは、「自分の思想(思考)がだれの系譜を継いでいるのか」を意識すること、表現していくことです。これは「タテの力」といってもいいかもしれない。
参考:孤立系ブロガーはウェブの記事に新たな信頼をもたらせるか? ー 「孤立系ブロガーの集い」発
参考:【第1回 灯台もと倶楽部】都会暮らしだと孤独を感じるのはどうして?ヒビノケイコ×小倉ヒラク対談 – 灯台もと暮らし
再びチェコ好きさんの記事なのですが、これを見て「(僕よりも)先にやられたな」と思いました。
たとえばAという対象物があったとして、私にはAの面白さがとてもよく見えるのに、他の人にはその面白さがまったくわからない。私はAの向こうに海が見えるけど、他の人には水たまりしか見えない。もちろん、反対もあり得ます。他の人にはBの向こうに海が見えるけど、私には水たまりしか見えない。
私の2016年の目標は、この海と水たまりの差を解消することです。
自分が好きなものは、水たまりのような小さいものではなく、本当は海のように大きいものなんだ。そう見せることを、「海と水たまりの差を解消すること」と言い表していて、とてもわかりやすいです。
僕の言葉で言えば、「(小さな文脈と大きな)文脈をつなぐ」ということですね。
小さな文脈を、ブームのように一過性なものではなく、存在を認められたジャンルにしていく。
2.5次元を「ブーム」じゃなくて「ジャンル」の1つにしたい…というのはネルケの松田社長の言ですが、私もそうなる未来が楽しみです!
「ブーム」から「ジャンル」へという考え方も、今後ぼくが取り扱っていきたいテーマです。
「文脈をつなぐ」ために何をする?
2015年のぼくの活動は、「書き起こし・記事執筆・コンテンツ制作」、「イベント」、「ゲーム」と分類されました。
2016年は、文脈をつなぐことをテーマに、活動の方向性を具体的にしてゆきます。
このブログでは、「文脈を見つける」というカテゴリで小さな文脈を見つけ、「文脈をつくる」というカテゴリで新たな文脈を生み出そうとしています。
まずは、自分がもっている文脈を文章にして発信して、「こんな文脈があるんだ」と知ってもらうことが第一ステップです。
そして、「文脈をつくる」カテゴリのコラムやネットラジオによって、その文脈を確固たるものにしていく方法を考えてゆきます。
文脈をつなぐことは、ただ文章を書いて発信していることだけではできないと思うんですよね。
同じ文脈を共有している人で飲み会を開いたり、イベントを開催したり、ラジオをとって対話したり、一緒に何か仕掛けたり。
このブログが、「文脈」という視点を得るためのきっかけとなれば幸いです。
さらに、「文脈」というテーマに興味をもったら、一緒にお茶するか、飲みに行きましょう。
木村(@kimu3_slime)でした。
ではまた。