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「炎上覚悟で言うけど」の元ネタ・初出は?

どうも、木村(@kimu3_slime)です。

「炎上覚悟で言うけれど」から始まるツイートをよく見かけるので、その元ネタ・初出を調べてみました。

 

「炎上覚悟で言うけど」の元ネタ・初出

そもそも炎上とは、ネット上で何らかの問題のある言動に不特定多数のユーザーの注目が集まり、非難が集まる状態のことです。

「炎上覚悟で」本音を言うという表現は、それこそ2010年以前から見られる、一般的な表現です。

そのため、これといった元ネタが存在するわけではないようです。しかしながら、この表現はTwitterで繰り返し流行しています。例を見ていきましょう。

古いながらも伸びているのは、2012年のツイートです。「炎上覚悟でツイートします。」というキャッチーな宣言から始まるのがポイントですね。

 

その後は特にこの表現は増えませんでしたが、2018年頃から伸びるツイートが増えてきます。

次のツイートは、「炎上覚悟で申し上げます」と丁寧な言い方になっています。言いにくいけれども、マナーとして大事なことを述べていますね。

参考:銀座の老舗喫茶室「炎上覚悟で申し上げます」 小さな子連れ客に向けたツイートが反響 – ねとらぼ

炎上を計算に入れた上で、炎上するかもしれない発信によって宣伝を行うことは、炎上マーケティング、炎上商法と呼ばれています。

炎上を覚悟したからといって、それが良い意味で受け取られるとは限らず、本当に「炎上」してしまうケースもよくあります。長期的なブランドを損なう可能性はあるのですが、それでも、手っ取り早い宣伝の方法として、炎上は手段として知られつつあるのでしょう。

参考:2018年4月 炎上覚悟のアイドル動画 あっさり配信停止の理由は 兵庫県 – 神戸新聞NEXT

 

不特定多数のユーザーの間で使われて伸びるツイートが増えたのは、2019年3月頃からでしょうか。

上のツイートは、特定の業界の一般に知られていない裏事情、的なものを告発するツイートですね。ただ、「炎上覚悟で言いますが」構文が広がりすぎて、それをネタにするツイートも登場するようになりました。

 

「炎上覚悟で言う」構文は、人を批判したり、何か嫌いなものを述べたりするときにも使われるようになっていきました。

2019年5月には、削除されたツイートのようですが、少年YouTuberのゆたぼんさんに対し、「炎上覚悟で言う」構文が使われていました。

参考:【話題】『炎上覚悟で言う。今すぐ学校行け。お前が思うほど甘くない』 – Share News Japan

2019年9月には、ハッシュタグ「#炎上覚悟で嫌いなものを言う」がトレンド入り。「嫌いなもの」を堂々とは述べづらいと感じている人が、これを機に利用したのではないでしょうか。

 

2020年に入ってからも、「炎上覚悟でいいますが」構文は再び流行しています。

 

ここまでを振り返ると、

  • 仕事上、立場上言いにくいことを言う
  • 賛否両論あり、断定しにくいことを言う
  • 嫌いなもの・人について言う
  • 「炎上」というフレーズを利用したネタ

として使われているように見えますね。

特定の元ネタなしに、自然発生的に、構文だけが不特定多数の人の間で流行りを繰り返すのは、珍しいです。

それだけ炎上というフレーズはツイッターユーザーの間で意識されていることであり、炎上を気にするから言いにくいこと、あるいは炎上を利用して注目してほしいことがあるのでしょう。

木村すらいむ(@kimu3_slime)でした。ではでは。

 

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