どうも、木村(@kimu3_slime)です。
最近、ニコニコ動画でけものフレンズのジャガーを素材にしたMAD(ジャガーマンシリーズ)をよく目にします。
気になったので、その元ネタ・初出を調べてみました。
ジャガーMAD(ジャガーマンシリーズ)の元ネタ・初出
元ネタとなったのは、9月2日に投稿された「ジャガーマン」というMADです。
あれは 誰だ(わからん) 誰だ(わからん) 誰だ(わからん)
あれは ジャガー ジャガー(マーン) ジャガー(マーン)
引用:ジャガーマン
ベースとなっているのは、1972年から放送されたテレビアニメ「デビルマン(原作:永井豪)」のオープニングテーマ「デビルマンの歌」。
「あれは だれだ だれだ だれだ あれは デビル デビルマーン デビルマーン」という印象的なフレーズに、ジャガーの声を組み合わせていますね。
つまり、ジャガー+デビルマン=ジャガーマンというネーミングです。
ジャガーマンが流行った理由
さて、単なるけものフレンズのMADならこれまでにもたくさんに作られてきました。それらと違うのは、約1000近い二次創作が生まれていること(10月末日時点)。
なぜ、ジャガーマンは派生作品がたくさん生まれているのでしょうか?
サムネイルの統一
まずは外面から見ていきましょう。
特徴的なのは、サムネイルがほぼすべて同一であること。
引用:ジャガーマンシリーズ
「ジャガーマンサムネ統一」というタグがあるくらい統一されています。
動画の再生数が伸びるかどうかには、サムネイル、すなわちどんな動画なのかをビジュアルでわかりやすく示せているかどうかが大切です。
このサムネと「ジャガ」を含んだタイトルを見れば、ジャガーマンシリーズだとわかる人には絶対わかるようになっているわけですね。
サムネイルで同一の顔を使う手法は、ほのぼの神社アレンジでよく知られたものです。
ジャガーのキャラ付けをはっきりさせた
ジャガーというキャラは一般的にはそれほどメジャーではないと思うのですが、ネットの一部には人気がありました。
ジャガーマンは、コアなファンが作っているキャラづけを採用しています。
例えば、「いや、わからん ぜんぜんわからん」という本編2話のセリフ。無知だけれども元気がよくやさしい子というlキャラづけです。
そして先ほどのサムネイルにもなった、右腕の拳をあげるポーズ。
これは2017年3月の素材配布動画にも目立って採用されています。
引用:【わからん】ジャガーさんコンプリートパック【ぜんぜんわからん】
このビジュアルとともに、「ごはん!」というコメントを書き込むのが定番になっていますね。
「ごはん!」の元ネタは、ふたばちゃんねるにあると言われています。
第5話の「こはん」というタイトルとセットで拳ジャガー画像がアップされ、その文字が「ごはん!」に見えた、ということが由来となっているのでしょう。
画像引用:第5話 こはん – 二次元裏@ふたば(img) – ふたばログサイト
ジャガーとは関係ないけれども、ジャガーマンシリーズの特徴となるようなネタも紹介しておきましょう。
例えば、「あー ここすき」のシーン。ここだけはデビルマンの歌の音声が1文字ごとに切りはりされ「こ/こ/す/き」となっています。
画像引用:ジャガーマン
「ここすき」は、あるアイマスMADが元ネタとなって広がったネットスラング。元ネタに関係なくニコニコ動画でよく使われるコメントです。
「ここすき」という素直な気持ちを表現したシーンは、スラングであることも合わさって多くのコメント・一体感を生み出しています。
さらに、「ワイトもそう思います」という返しも定型化。
画像引用:ジャガーマン
その発祥は定かではありませんが、ワイトのbotがあり、少なくとも2011年3月から存在するネタだとわかります。
2017/12/06追記:
(本来存在しない)ワイトの音声素材も作られ、派生作品で使われていますね。
声を付けました。ワイトRB素材はこちらから頂きました。未来獣人ジャナン (2:36) https://t.co/USpgxfp0D4 #sm31984120
ジャガーマンシリーズに使うと、なかなか味わい深い仕上がりになるのではないかとイセアモアも思います。 pic.twitter.com/xtr2Pl2cEz— イセアモア (@arsel_iseamore) September 27, 2017
他のワイト関連素材はこちらにあるかも:けものフレンズに関係ないが使えそうな素 – ジャガーマンシリーズ Wiki
最初の投稿者自身がシリーズを作っている
さてこれまでは動画の中身・外見について触れてきましたが、お決まりの形があるだけでは動画は流行りません。
もっとも重要なのは、最初の投稿者である千賀さん自身がシリーズを作っているということだと思います。
画像引用:千賀 さんの公開マイリスト すまん
9月2日にジャガーマンが投稿され、7日にジャガーン、9日にジャガーマスクと次々に動画を投稿していますね。
これによって、ジャガーマンは単発のMADではなくなりました。
ジャガーマン要素と少し古いアニメソングを組み合わせれば、新しいジャガーマン作品になることを身を持って示したのです。
9月8日には「ジャガーダマン」、12日には「ジャガるポンポコリン」と、千賀さんではない投稿者がシリーズを作るように。
「千賀おにいさんリスペクト」とも呼べる動画が次々に生まれ、この段階においてジャガーマンは自走し始め、流行っていったのでしょう。
千賀さんの9月9日の動画ラストでは、リスペクト動画が少しずつ生まれたことを祝っていますね。
画像引用:ジャガーマスク
一人の作者が、流行らせたい素材を使ってひたすら似たような動画を作り続ける。
このスタイルは、東山源次のブーム、パープル兄貴の熱狂と全く同じ仕組みです。
参考:東山源次がニコニコ動画・淫夢においてブームになったきっかけは、パープル兄貴の熱狂だった
アニメの放送が終わっても新しくブームが生まれるということは、けものフレンズの二次創作自体まだまだ盛り上がっているのだなという印象です。
ツライさんやけものフレンズそのものといい、ふたばちゃんねるの住民の貢献が大きいことに驚きますね。
木村すらいむ(@kimu3_slime)でした。ごはん!