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「ここすき・ここきらい・狂おしいほどすき」の元ネタ・初出は?

どうも、木村(@kimu3_slime)です。

ニコニコ動画で「ここすき・ここきらい・狂おしいほどすき」といったコメントを目にすることがあります。

気になったので、その元ネタ・初出を調べてみました。

 

「ここすき・ここきらい・狂おしいほどすき」の元ネタ・初出

「ここすき」の元ネタには、諸説があって見解がわかれています

ここでは、アイマスMAD説、POPOすき(淫夢)説、花咲くいろは(アニメのオープニング)説を順に紹介しますね。

 

アイマスMAD(もっとすいみん不足)説

「ここすき」が一番最初に流行ったのは、アイマスMAD「THE iDOLM@STER アイドルマスター 星井美希 もっとすいみん不足と言われています。2007年9月のこと。

画像引用:THE iDOLM@STER アイドルマスター 星井美希 もっとすいみん不足

サビの「嗚呼 空はこんなに青いのに」では「ここすき」、「風はこんなに暖かいのに(すすき背景)」では「ここすすき」、「太陽はとってもあかるいのに」では「ここすすきの」というコメントが生まれています。冒頭では「ここひま」がお決まり。

 

動画投稿直後は「るうううう」の弾幕のみで、「ここすき、ここすすき、ここすすきの」といったコメントはありませんでした。どう成長していったのでしょうか?

9月3日が動画投稿日。9月10日時点で、最初のループに「ここかわいい」「ここ好き」というコメントが出現。9月15日には、2・3ループ目にも「ここ好き」。そして、9月19日には「ここすき」「やっぱここすき」が誕生。その後、派生ネタが広がりました。

この事実から考えると、動画がループもの、一徹、二徹、三徹と進んでいく構成になっているということが「ここすき」を生み出したと言えるでしょう。

同じ映像と音声を繰り返すからこそ、見覚えのあるシーンが増えていき、サビの明るめの映像が好きになっていく。

テンポも速くなっていくので、それに毎回合わせて同じコメントをする楽しさもありますね。

 

淫夢MAD(POPOすき)説

「ここすき」「ここきらい」「くさい」といった小学生並みの感想をひらがなで書くスタイルは、淫夢語としても認識されています。

そのひらがな小並感のスタイルが生まれた理由は、一説には「POPOすき」にあると言われています。

画像引用:マワシド・ハラダのテーマ【星のディービィ売ルトラSTDN】

POPOは、KURATATSU(COAT関連会社)のビデオ「DANGET 14 技アリ!爆裂FIGHTERS」に登場するキャラクター。

マイナーですが、KYNとのからみで「ハッー!イッタ」という語録を残したことは有名ではないでしょうか。

POPOすきコメントを生み出したのは、「マワシド・ハラダのテーマ【星のディービィ売ルトラSTDN】」という音MAD。

ここでも最初は、「ここ好き」コメントが2回目のサビに生まれただけでした。それが時間をかけてお決まりのフレーズに。これは「すいみんぶそく」と同じくループ構成になっているからでしょう。

一度「ここすき」が生まれると「ここ好き」より割合が増え、2010-11年頃には「ここすき」が主流となったことがわかります。

特に2010年4月には、冒頭部分にも「ここすき」コメントが書かれるように。ここでPOPOと組み合わせて、POPOすきが生まれたわけです。

 

2010-11年は、淫夢民が独自の語録を身につけてコメントし出した時期で、この時期に草生やすななどの文化が生まれています。

参考:草・草生える・草不可避の意味・元ネタを徹底的に調べてみた

「ここすき」などひらがなで表記することは、ノンケ(=非淫夢民)を区別するために流行ったと言えるでしょう。

淫夢関係では、「こ↑こ↓すき」「ここうき←猿兄貴オッスオッス!」といった派生ネタが生まれていますね。

 

アニメのオープニング(花咲くいろは)説

「ここすき」をより一般に広めたのは、アニメのオープニングでしょう。

特に、花咲くいろはのオープニング(第1話エンディング)テーマ「ハナノイロ」は、ここすきの原点と言われています。

画像引用:花咲くいろは 第1話 十六歳、春、まだつぼみ

サビ直前、リズムに合わせてテンポよく袖を通すシーンから、サビの開始に合わせて階段を駆け下りる勢いあるシーンが人気。ここが「ここすき」ポイントですね。

「ハナノイロ」が始まると同時に、ボーカルのnano.RIPEきみコさんの声が流れると「ズコー」コメントに溢れるお決まりネタもここで生まれました。

この声は「ズコーさん」とも呼ばれ、聞きなれないと音程を外しているように聞こえてしまうようです。しかし、それはサビにかけて評価が上がっていくための伏線でもあるということですね。

参考:nano.RIPEはなぜ「ズコーさん」と呼ばれるのか? – 創音屋-つくねや-

画像引用:花咲くいろは 新OP に洗脳される動画

その後、「はたらく魔王さま!」「Angel Beats!」「ハナヤマタ」「この素晴らしい世界に祝福を!」などのオープニングでもコメントが定番化していくことになりました。

参考:アニメOPのここすき部分を集めてみた

 

アニメOPテンプレとなるために淫夢民が貢献した説があります。これは本当なのでしょうか。

71 : ななしのよっしん :2011/12/27(火) 09:51:43 ID: rW78w5+XfU>>64
淫夢から他の動画へ輸出される
の中にAチャンネル7話へのホモの流入(タイトルが真夏の夜の…だったせい)があって
ここでアニメへここすきが輸出
その後花咲くいろはのOPテンプレとして使われることで、アニメ関連に定着した感じだね

引用:ここすきについて語るスレ

Aチャンネル 第6話「真夏の夜の・・・」」が投稿されたのは、5月24日。「花咲くいろは 第6話」では、5月21日時点で「ここすき」コメントがありますね。

つまり、淫夢関係なく「ここすき」が生まれたと考える方が自然でしょう。実際、「花咲くいろは 第2話」では「ここすき」が生まれていないものの、「ズコー」がテンプレになっています。むしろ、「ズコー」によってテンプレが意識され、「ここすき」が生まれていったと考えられます。

とはいえ、「花咲くいろは 第1話」で「ここすき」が使われるようになったのは5月29日からです。アニメにおけるテンプレ語を増やすのに淫夢語・淫夢民が貢献したというのもまた事実でしょう。

 

最近では、ジャガーMAD(ジャガーマンシリーズ)でも「ここすき」ネタが採用されています。ワイトもそう思います。

参考:ジャガーMAD(ジャガーマンシリーズ)の元ネタ・初出は?

アイマスMAD説、淫夢MAD説、アニメオープニング説、どれもが元ネタ・初出と言って正しいと僕は思います。

いずれにせよ、音楽に合わせて同じムービーを繰り返す動画で「ここすき」が生まれるという条件があるわけですからね。

木村すらいむ(@kimu3_slime)でした。ではでは。

 

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