どうも、木村(@kimu3_slime)です。
Twitterで見かける「終 制作・著作 NHK(NHKのエンドロゴ)」の元ネタ・初出・流行のきっかけが気になったので、調べてみました。
NHKのエンドロゴとは、NHKの番組の終了時に画面右下に表示される、「終」のこと。下側には、制作・著作、ボーダーライン、卵型の縁で囲われたNHKの文字(ⓃⒽⓀ)があります。
画像引用:終 NHK ロゴマーク (制作・著作表記付) – ニコニコモンズ
このロゴを文字化したツイートの末尾につける遊びが、特に2019年に入ってから流行っています。
私「今忙しいけどアレも描きたいコレも描きたい」
次の日(休日)
?「暇なら絵を描け」
私「今はそんな気分じゃない」
終
制作・著作
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ⓃⒽⓀ— Mash。 (@maaaash__424) February 24, 2019
「終 制作・著作 NHK(NHKのエンドロゴ)」の初出・流行のきっかけ
NHKのエンドロゴがネット上で使われるようになったのは、特定の何かきっかけがあったわけではないようです。
~2018年
例えばTwitterでは、2008年頃から自然発生的に使われています。
終
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制作・著作 NHK— Defekt名人™ (@Defekt_tw) August 4, 2008
NHKではありませんが、アニメ映画 『風の谷のナウシカ』をもとにした「おわり」のロゴは、2ちゃんねるでAAとしてネタにされてきました。
画像引用:風の谷のナウシカ / 宮崎駿
少なくとも2007年には、ニュー速VIP板で『なんか植物の先に人の顔があって「おわり」って書いてあるAA』というスレが立っています。
(ちなみに、おわりのAAは、風の谷のナウシカだけでなく、そのパロディをしたアニメ『ギャラクシーエンジェル』のミントをもとにしています。そのAAをさらに『機動戦士ガンダムZ』のシロッコに変えたものが、糞スレを終わらせるAAとして使われました。)
つまり、「おわり・終」ロゴをネタにすること自体は、ありふれたものと言えます。
2019年の流行のきっかけ
2010年代に入っても、Twitterでは「終 制作・著作 NHK」ネタが使われ続けてきました。
「休日 終」「楽しい週末 終」といったネタも、2014-15年の時点で既に存在しています。
では、2019年に入りなぜ流行が起こったのでしょうか?
まず2018年12月の時点で、「終」の形式で数百いいねを稼ぐツイートがいくつか登場しはじめます。
年末が「今年も終わり」を連想させる部分や、実家への帰省時にNHKを実際に見る場面があったことなどが影響している可能性があるでしょう。
帰ってすぐ暖房つけたのに2時間たっても寒くてリモコン見たら冷房になってた
終
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制作・著作
NHK— 炊く🍖 (@oyusugoi) December 28, 2018
また、ロゴの「NHK」の文字が丸付き文字「ⓃⒽⓀ」に変化したのも、12月30日あたりから。それ以前はすべてNHK表記でしたが、以降はⓃⒽⓀがスタンダードになっていきます。
君と夏の終わり 将来終わり 人生終わり うんちぶり
終
制作・著作
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ⓃⒽⓀ— 🌻じ🎤🍩 (@P_ji_inkya) December 29, 2018
2019年1月に入り、 1000を超えるいいねを稼ぐツイートが登場。流行りの兆しが見えます。
休暇
終
制作・著作
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ⓃⒽⓀ— オオカワラ (@o_kwr) January 3, 2019
卒業論文
終
制作・著作
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ⓃⒽⓀ— せいンと (@nemuuu_mun) January 4, 2019
「単語→終」から「会話→終」の形式変化
そして1月中旬に入り、「終」の前にある文章の内容が変化してきます。「単語→終」ではなく、「会話→終」というパターンが登場しているのです。
「え!?EDM好きなの!?なんの曲好き!?」
「Booyah」
終
制作・著作
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ⓃⒽⓀ— どらふる (@Uhmie_gongon) January 19, 2019
私「はい、次の方どうぞ〜」
父「……」
児「キャッキャッ😆」
私「今日はどうされました?」
父「今日保育園でしんどそうだったらしい」
私「(熱はないな…)えっと、具体的にどんな?」
父「知らん。聞いてへん」終
制作・著作
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ⓃⒽⓀ— Dr.リノ (@awaguni_deko8) January 19, 2019
つまり、面白い会話や布教したいものとセットで「終」をつければ、バズって宣伝になる可能性が意識されてきていると言えます。
あるフレーズがTwitterで流行るときは、あるあるネタや好きなものの布教をしやすい形式が認知されたとき、という傾向があるのです。「終 制作・著作 NHK」も、1月中旬にはこのフォーマットとして認識されたと言えます。
参考:「〜のここがすごい!〜のここがダメ!」の元ネタ・初出は?、「素人おすすめ・崖から突き落として選別オタク」の初出・元ネタは?、「この中に〜はいるか 連れて行け」の元ネタ・初出は?
特に2019年2月18-19日には、「終 制作・著作 NHK」を使ったツイートが爆発的に生まれ、伸びました。
A「私AcidBlackCherryめっちゃ好き‼︎」
B「マジで⁉︎じゃあJanne Da Arcは⁉︎」
A「何それ?」
終
制作・著作
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ⓃⒽⓀ— ING白単のシンジは3/10RSF出演‼︎ (@TeamABC43800349) February 18, 2019
友達「この人誰?」
僕「 UVERworldのTAKUYA∞!」
友達「え?ウーパールーパー?」
僕「…」
友達「何歳なん?」
僕「今年40歳」
友達「は?嘘つくな」終
制作・著作
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ⓃⒽⓀ pic.twitter.com/mXCF9U4wyK— つむともとも∞(ともや) (@Uw_ttfm) February 18, 2019
私「ジョジョほんとに面白いから読んでみてほしい!」
友「絵柄が無理」
終
制作・著作
━━━━━— 妙子 (@l_taeko) February 18, 2019
これらはすべて、一部の人しか知らないジャンルを紹介しようとして、失敗して話を終わらされてしまうというパターンを踏んでいます。
単に「休日 終」タイプのネタだったら、ここまで拡散し、模倣されるまでには至らなかったでしょう。
あくまで僕の見立てですが、今回の流行は「特定の1つのツイートがきっかけとなり広がった」タイプではないと思います。
だんだんと形式が変化していき、「コアな話をしようとしたら、興味を持たれず会話が終わる」現象と「終」が結びついてネタにできるという認識が広がった結果、流行が起こったと言えるでしょう。
流行によって生まれるツイートを眺めていると、自分の好きなことについて語って共感してもらいたい、そんなユーザーの気持ちが感じられました。
木村すらいむ(@kimu3_slime)でした。ではでは。