どうも、木村(@kimu3_slime)です。
海外ミームとして有名な、LOLcats(ロルキャット、おもしろ猫)について紹介します。
画像引用:Wikipedia Image:Cat crying.jpg Text ideated by cary at #wikimedia-commons. CC BY-SA 3.0
「LOLcats(おもしろ猫)」とは?
LOLcats(おもしろ猫)とは、面白い猫の写真にキャッチフレーズとなる文字を組み合わせた画像の総称です。
猫の写真の上下に、サンセリフ(Arial Black)フォントで大きなキャプションを入れるスタイルが基本。
LOLは、laugh(ing) out loud(大爆笑)を意味するネットスラング。日本のスラングに合わせれば、爆笑猫やワロタ猫とも言えるでしょう。
起源は猫スレ:Caturday、Ceiling Cat
その起源としては2006年頃に、英語圏の有名な画像掲示板4chanで生まれました。
2005年には、4chanにおいてCaturday(Cat+Saturday)という、土曜日に定期的に猫画像を投稿するスレッドが生まれました。これは、Furry Fridayというケモノスレに対抗して生まれたものと言われます。
また、同じく2006年頃に、Ceiling Cat(天井猫)というミームも生まれました。
これは「天井猫がお前がナニをしているのを見ているぞ」というネタですね。
テンプレの確立:I Can Has Cheezburger?
LOLcatsのテンプレートを確立させたのが、2007年に始まった「I Can Has Cheezburger?(略称:ICHC)」です。
これは「I Can Has Cheezburger?」というサイトで公開され、そのサイト名とHappy Catとして知られる猫を組み合わせてできた画像です。
ICHCは文法的にはおかしな文章ですが、あえて間違った表記をするスラングで、LOLspeak(Chanspeak)と呼ばれるものです。「I」のbe動詞を「ARE」としたり、「your」を「ur」と略記したり、「folder」を「folduer」とスペルミスしたりします。
日本で言えば、2ちゃんねる語として「ヤツ」を「香具師」と書くようなものでしょうか。
(ちなみに、LOLspeakについて考察した論文もあります。)
「写真+白文字のキャプション(LOLspeak)」というテンプレートは、以降のLOLcatsの標準となりました。
そのテンプレが有効なのは猫に限らず、猫以外の写真を使って新たなミームが生み出さます。「写真+文字=ミーム」とするようなミームメーカーすら生まれました。
(正確には、「写真+文字」の画像はイメージマクロと呼ばれています。)
「猫+文字」の手法は100年以上前から
「猫+キャプション」で人目を引く手法は、1870年頃からあると言われています。
例えば次の1905年の写真は、「WHAT’S DELAYING MY DINNER?(私のディナーは何で遅れてるの?)」と猫にしゃべらせているかのような作品です。
画像引用:1905 cat postcard by Harry Whittier Frees
また、1911年の『Kittens and Cats: A First Reader』という教科書は、猫の写真とテキストが並べられています。これをLOLcatsの祖先の先駆けとして指摘する記事も。
動物の面白い写真や動画は、年代や言語や文化の壁を越えて人気です。
動物の中でも特に猫が人気なのは、なぜなのでしょうか。GIZMODOのとある記事によると、キュートでありながら感情がわかりにくく、人格を見出そうとする余地があるからと言われています。
忠実な犬は、考えていることが分かりやすい一方で、無表情な猫ほど分かりづらく、人は猫を擬人化して人格を見出そうとすることを同氏は指摘しています。
引用:なぜ犬じゃないの? ネットで猫が愛される理由は科学的に解明されつつあるにゃ
僕もその説に納得します。ceiling catや「I CAN HAS CHEEZBURGER?」の猫がそうですが、人間が恣意的にセリフを割り当てられて、それが説得力があるように見えるんですよね。猫の写真にはそういう余白がある。
その後も、「写真+白文字のキャプション(LOLspeak)」というテンプレートが広まったわけですが、「写真が面白くなるようにキャッチフレーズを作れる自由度がある」からこそ、LOLcatsはミームとして有名になっていったのでしょう。
木村すらいむ(@kimu3_slime)でした。ではでは。