身につくのは、自ら考えたことだけだ ショウペンハウエル「読書について」

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どうも、木村(@kimu3_slime)です。

ショウペンハウエル「読書について」を読みました。

そもそもこの本は、「読書とは何か」、読書術が書いてある古典的な本だろうと期待して買ってみたのです。

すると期待通り、いや期待以上に読みやすく、的確なことが述べられたエッセーでした。

古典の本ってどうも読みにくいものが多いのですが、プラトンやルネ・デカルトのような明晰さがありますね。

本の選び方という点では「本の「使い方」 1万冊を血肉にした方法」も僕は良い本だと思っています。

が、「読書について」はもっと基本的なテーマ、読書と思索(考えること)の関係を扱っています。

 

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読書=他人の思索のタダ乗り

例えば、「読書とは、他人にものを考えてもらうことである」という主張。

言われてみれば当たり前なのですが、初めてその文を見たときはハッとしました。

僕はこれまで読んできた本の紹介記事では、わりと本の内容の紹介、つまり考えてもらったことを要約することが多かった。

これってあんまり身にならないんですよね。だって自分で考えていないから。

逆に、「近代とは何か 〜 理性、啓蒙思想、科学をテーマに語る」とか「「愛」をベースにしたメディア運営をします」といった記事はよくまとめられたと思います。そこには自分のテーマがあるのです。

受け売りの考えは、賞味期限がとても短いです。短期的な記憶が機能してる間だけ使えるもので、それが終わったら読書をする前とほぼ同じ状態へ戻ってしまいます。

どんなにうまいプレイ動画を見ても、それでゲームがうまくなるわけではありません。プレイして頭を疲労させるからこそ、ゲームのための筋肉がつくわけです。

読書のあと頭の中に残るのは、ただ自ら気の向くままに真剣に考えたことだけ

もともとただ自分のいだく基本的思想にのみ真理と生命が宿る。我々が真の意味で十分に理解するのも自分の思想だけだからである。書物から読みとった他人の思想は、他人の食べ残し、他人の脱ぎ捨てた古着に過ぎない。

引用:読書について p.8

ショウペンハウエルは、借り物の考えを使うのではなく、自ら考えることの大切さを訴えています。

読書家・多読する人は決してよく思索しているわけではないのです。本はたくさん読めば良いというものではない。むしろ読みすぎると自ら考える力が失われてしまう。

楽をしたくて本を読む、ということはありがちですが避けたい事です。

自分で考える前に先人の意見を調べるのは、正しい答えを「知る」ためには最短の方法でしょうが、正しい答えを「得る」ことには全く近づいていません。問題集を解いているときに、答えのページを見れば問題は解けるでしょうが、それでは何の勉強にもなりませんよね。

 

広い時代と民族を見て、すぐれた思想を持つ人の本を読む

自ら考えることが大事だ。だとしたら、読書はいらないのでしょうか?

そんなことはありませんよね。他人の思索の跡をなぞるのではなく、自らの思索の補助として使えばいいのです。

では、どんな本を読むべきなのでしょうか

ショウペンハウエルの本を数ページ読んで、次のようなことを僕はTwitterにメモしておきました。

僕は新書に比べて古典を勧めます。なぜかといえば、古典は根源的だからです。

新書、解説書、教科書のほとんどは、古典をその著者以外の一般人が噛み砕いたに過ぎません。それはまとめサイトです。思索の楽をするため以外に、どうして二次的な本を選ぶ理由があるのでしょうか。ものごとを真剣に知りたいのなら、原著を読むのは当たり前でしょう。

現代は大量の本が溢れています。しかし、すぐれた思想を持つ人はごく稀です。人生の時間も短いものです。

だとしたら、まずはすぐれた思想を持つその人の書いた本にあたることが、己の思索を進めるために最も効率が良いですよね。

と考えて本を読み進めると、似たような古典の勧めが書いてありました。

むしろ我々は、愚者のために書く執筆者が、つねに多数の読者に迎えられるという事実を思い、つねに読書のために一定の期間をとって、その間は、比類なく卓越した精神の持ち主、すなわちあらゆる時代、あらゆる民族の生んだ天才の作品だけを熟読すべきである。彼らの作品の特徴を、とやかく論ずる必要はない。良書とだけ言えば、だれにでも通ずる作品である。このような作品だけが、真に我々を育て、我々を啓発する。

引用:読書について p.134

 

古典以上にすぐれた思想をもった本が、新書で生まれるわけはない。ごく稀にあったとして、そこに時間をかけている暇もありません。当たり前ですよね。

一方で、「自ら考えたことのみが使えるようになる」という本書の主張は、何度も聞いたことがある内容ですが、僕には消化できていないものです。

これからは、「引用したい部分を集めてきてコメントする」スタイルをやめて、ほとんど自分の文章にした上で稀に引用するスタイルで記事を書こうと思います。

木村すらいむ(@kimu3_slime)でした。ではでは。

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