どうも、木村(@kimu3_slime)です。
このブログでは、僕が読んだ古典の本を記事にして紹介しています。
その記事をすべてまとめ、自分なりに系譜を作っておこうと思います。
そもそもなぜ古典を読むか
僕はインターネットが好きです。それをよりよく知るに当たり、やはりまずは現代社会を知りたい。
そこには昔からの伝統として、国家・法律・宗教・学問・合理主義・科学・人権・資本主義という人間の築いてきたものがある。
それを原点たどって認識できるようにはしたい、相対的な視点をもって現代を分析したいよねって話。
だから特定分野の古典、数学の古典を読む、ってことではない。
ギリシャの哲学
ギリシャの哲学は、古典の中の古典です。今後の学問の基礎となるような考え方が、2000年以上前の時点で十分に描かれています。現代の大学の前身となるアカデメイアも、プラトンが作ったものでした。
僕にとって、プラトン「国家」との出会いは衝撃でした。問答形式の読みやすいテキスト、国家という幅広く重要なテーマ、現状分析ではなく理想を探そうとする姿勢。中学生のときに読みたかった本です。
ヨーロッパ・近代の思想でわからないことがあったら、ギリシャまで戻ることが多いと思います。
ゴルギアス・ソクラテスの対話に学ぶ、哲学的問答・議論の基本的な態度とは?
書かれた言葉は、語られた言葉の影である 「パイドロス」を読む
内容の良し悪しに関係ない、説得する技術 アリストテレス「弁論術」
合理主義・理性・近代科学の登場
大学で理系の学問を学び、近代の科学は中世のヨーロッパで築かれたことを知りました。なぜ日本ではなかったのか、なぜそのタイミングだったのか。
まずヨーロッパは、ギリシャからの流れで論理学を知っています。ただしそれだけでは科学へと進みません。
そこには、「教会に行かなければ救われない」というキリスト教・カトリックの支配がありました。
しかし、ルターの「信仰のみで救われる」という考え方によって、新しい流れが生まれます。
その上で、デカルトは理性を使い、学問を基礎からやり直すことを呼びかけました。
その結果が、ニュートンの物理学や、アダム・スミスの経済学なのです。
理性を使うことで、忘れられた感覚 – 山内志朗「感じるスコラ哲学」を読む
理性をうまく使え。すべての学問の父ルネ・デカルト「方法序説」を読む
なぜ西洋において論理が重視され、日本ではそうではないのか? 近代合理主義と仏教の違い
読みたい:ルター
社会学・文化人類学・構造主義
デカルトの理性が大切だという考え方は、近代科学を生み出しただけではなく、国や人間に対する問い直しにつながっていきました。
それが啓蒙思想です。国は宗教的な権威や独裁によって支配されるのではなく、人びとが安全と自由を得るための契約だったはずだ、という見直しが行われました。
そしてフランス革命という痛みを伴いながら、近代社会を生み出しました。
そして理性や社会を問い直す動きが生まれ、ヨーロッパ的な世界がいかに小さなものであったかを知っていきます。
人間の本性は、協力関係だ グロティウス「戦争と平和の法」を読む
戦争をやめたいなら、みんなで権利を手放そう ホッブズ「リヴァイアサン」を読む
人の自由を保障するために国家はある ロック「統治二論」を読む
法があるからこそ自由がある モンテスキュー「法の精神」を読む
フランス革命後の秩序を求めて「オーギュスト・コント 社会学とは何か」を読む
あり合わせの知で世界すべてを理解しようとする レヴィ=ストロース「野生の思考」を読む
自殺は、心理的・個人的理由だけでは説明できない デュルケーム「自殺論」を読む
社会は、相互関係をもった集団だ ジンメル「社会的分化論」を読む
入門書「寝ながら学べる構造主義」を読む前に、僕と構造主義の出会いの話をする
疑わしきは、自らのレンズ 「文化人類学の世界」と「外車の存在を無視する人達」
読みたい:ミル「自由論」、フーコー「狂気の歴史」、デュルケーム 社会分業論、アーレント 全体主義の起源
資本主義・経済学・マネジメント
時は金なり。資本主義の考え方は、現代の日本でも感じられます。
しかし、僕は資本主義の根本的なこと、どういう思想で、どのように社会に根付くようになったかを知りません。
ウェーバーは資本主義の発生とキリスト教的禁欲を結びつけ、よく説明してくれます。ブルデューは、植民地支配によって資本主義を埋め込むときに起こる文化的摩擦を指摘しました。
資本主義によって、労働者は安いモノ扱いに? 池上彰「高校生からわかる資本論」を読む
神の救いを求める禁欲から、資本主義は生まれた 「プロ倫」を読む
文化は人を集め、また排除する 「資本主義のハビトゥス」を読む
「時間こそ、人生を形作る材料」時間節約術の元祖フランクリンが提唱した時間の捉え方
読みたい:テイラー 科学的管理法、ドラッカー 経済人の終わり・マネジメント、コトラー 恩藏(おんぞう)のマーケティング原理
弁論・表現・メディア
僕はブログ・文章を書いているので、よりよい表現ができるような本を読みたいと思っています。
ゲーテは、水木しげるさんが参考にしていたと知り、興味を持ちました。
19世紀の詩人『ゲーテとの対話』から表現の基本を学ぼう。その日に感じたことは、その日に表現されるべきものだ
積み本:ベンジャミン「複製技術時代の芸術」、ショウペンハウエル「読書について」
数学の思想
僕は大学で数学を専門として学んでいました。その学問的な内容は知りましたが、そこに含まれる思想についてうまく話せるわけではありません。
数学のもつ根本的な面白さ、考え方をいろんな人に知ってもらいたいと思い、良さそうな入門書を探しています。
数学を専門的に学んでいなくても面白い数学エッセー「数学する身体」
数学を志す人のための本「志学数学」に教えてもらった、本をじっくり考えながら読む楽しさ
心理学・生物学
僕が心理学に興味を持つようになったきっかけは、うつ病や統合失調症という病気を身近に感じるようになったことです。
特に、認知行動療法は、思考のクセを分析するというもので、面白いテーマだと思います。
古典の心理学は、人間の意識・認識とはどういうものかを知ろうとしていく過程です。
人間の根本に迫るのは良いのですが、各論的というか、基礎がものたりないなと思ってしまいます。社会学・文化人類学的方面と結びつけられると面白そうなのですが。
アドラー哲学の入門書「嫌われる勇気」を読んで、好きなことができるようになった
思考のパターンを変えれば、不安は和らげられる「認知行動療法」
心理学の用語スキーマとは何か? ピアジェに学ぶ認知発達の科学
聞かなければ、相手との信頼関係は築けない 「プロカウンセラーの聞く技術」を読む理由
集団ストーカーの被害は解消される 「統合失調症という事実」を読む
微生物はいかにして人間に知られたか 服部「微生物を探る」を読む
読みたい:ル・ボン「集団心理」、ダーウィン「種の起源」
インターネット・科学技術と社会
僕は高校生の時に環境問題というものを知ってから、科学技術と社会の関係に興味を持っています。
特にインターネットが生み出す新しい現象を、ポジショントーク的な偏りをできるだけ減らし、長期的な観点から捉えることができないかと考えています。
例えば、ネットで流行っている言葉を指す言葉として「ミーム」というものがあります。しかし、「ミーム学」なるものは基礎がはっきりしているとは思えず、言葉だけが一人歩きしています。ネットユーザーの真似っこゲームを、よりはっきりと理解してみたいです。
戦争に飲み込まれた科学者の好奇心 マンハッタン計画と原子爆弾
「数の計算からあらゆるものの計算へ」コンピュータの基礎・チューリングマシンとはなにか?
「ハードからソフトのプログラムへ」コンピュータの基礎・ノイマン型コンピュータとは?
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読みたい:クーン「科学革命の構造」、Webの創成
現代・最近の本
古典を読むようになる前、最近の本・話題書を読んでいます。古典を読むのは敷居が高いので、そこにつなげられる良い本がないか探しています。
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研究していきたいもの
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木村すらいむ(@kimu3_slime)でした。ではでは。